表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
失恋こそ至高の恋、学校一の美少女は失恋したい!振られるために【ぼっち】の俺の恋人作りに協力している――失恋青春計画  作者: アリティエ
3章・水着回

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/88

人生とゲームを掛け合わせたら、それは闇のゲームだよね?2


 戦いの殿堂に集いし決闘者たちが、車と共に地を駆け宙を舞い、フィールドを駆け巡る。見よ、これぞ人生の最強進化系!


 ――ルーレット開始スタート


 先行するのはまりん。

 このゲームはスタートに分岐がある。

 進学か就職か決め、五千ドル配布。千ドルで自動車保険に入れる。

 正直、自動車保険千ドルは高すぎる。と思うだろう。昔の相場だと十万円くらいだったはずだ。今なら十五万くらいか?


 まりんは進学ルートを選択した。自動車保険も入っている。

 

 ルーレットはカラカラ音を鳴らし回り始める。

 人生をルーレットって決めるってまさしくギャンブル。

 娯楽だからこそ運命をルーレットに委ねることができる。


「やった6が出たわ」


 まりんは車の駒を進める。


「えっと、なになに……、東大に進学お祝いとして四千ドルもらう」


「書いてる内容無茶苦茶だな」


「そうね、ドル通貨なのに東大って、それに四千ドルお祝い金なんてもらうってどこの富豪よ」


「このボードゲームってマスの内容もアバウトで面白いですよね」


 たしかに、波乱万丈な人生をマスに閉じ込めるなら、これくらい書かないと盛り上がらないか。


「次は私の番ですね。えい……2でした」


 詩にゃんも進学コース自動車保険組だ。


「タレントになれる、気に入ればタレントの職業カードを取り、6マス進むです」


「詩子がアイドルデビューするのね」

「いや、女優かもしれないぞ」

「ゲームですよ、まぁ、これでいいかな」


 無難な選択だ。進学コースは職業カードが取れるコース、でも、欲張りすぎるとフリーターになるリスクがある。

 給料日にもらえる金額が平社員よりも下がってしまう。


「待って、私、次に1を出さないと フリーターだわ」

「まぁ、頑張れよ」

「どこで逆転できるか分かりませんからね」


 さて、俺の番だ。

 リスク回避なら、平社員のビジネスコース、こっちは、安定型で、給料日マスを通過するたびに給料が千ドル加算されていく。が、キャリアアップしてもそんなに給料は増えない。代表取締役までなれば化けるが、それも運次第だ。キャリアアップマスはルーレットの数値で決まるからだ。


「奏、手加減を要求するわ」

「なんでだよ。舐めプは嫌いだ」

「女の子を虐めて楽しむんだ。奏の鬼畜」

「ゲームは弱いものいじめしてるときが一番楽しいんだぞ」

「詩子にも同じこと言えるのかしら?」

「詩にゃんは庇護対象だから別だ」

「二人ともゲームなんだから楽しもうよ。それにメェー君、ゲームで手加減はダメだよ」


 詩にゃんは戦いの流儀を知っているみたいだ。


 俺は自動車保険に入り、進学コースを選ぶ。このコースはハイリスクハイリターンだが、本気で勝つならこっちだ。


★☆


 ゲームも中盤に迫っていた。

 中間トップはまりん。

 職業カード、大学教師を持ち、メリットマスばかり止まり、資産額トップ。


 詩にゃんは職業カード、タレントを持ち、バランスよく資産を増減させていた。


 そして俺は職業カードフリーター。つまり底辺だ。

 中盤というのに、約束手形が一枚ある。運が悪すぎる。


「このゲームは楽しいわね。好きになりそう」

「ボードゲームって久しぶりだから楽しいです」

「俺は楽しくないね」


 詩にゃんは苦笑い。

 まりんは満面の笑顔。

 マジでゲームって性格が出るね。


「奏、人生は堅実に夢を追うにはリスクが伴うのよ」

「まりんは運がいいだけだろ」

「運も、実力のうちよ」

 

 運だけのゲームは嫌だね。


 カードゲームなら、デッキ構築の段階である程度、リスク操作はできるんだけど、スタートからゴールまでルーレットに運命を委ねるため、それができない。


 自分でコントロールできるのがリスクの選択だけだから、噛み合いが悪いとこうなっちゃう。


「メェー君、私のお金を少し分けましょうか?」


 ゲーム内通貨を援助されるって、どんな屈辱だよ。

 詩にゃんの優しさが俺の自尊心を破壊してくる。


「そうね、可哀想だから手をハンデがいるわね?」

「バカ言ってんじゃねぇよ。ゲームは最後まで何が起こるか分からない。逆転のマスに止まればまだ勝機はあるんだよ」


「ふーん、でも、結婚マスで扶養家族が強制的に増えるから出費が増えるわよ」


「止まったプレイヤーに祝い金を払わないといけなくなるのかよ」


 結婚式呼ばれるたびに祝儀渡してる奴らは苦労しそうだ。俺はそんな知り合い少ないから心配しなくていいな。


「はい、結婚マスに止まったわ。ご祝儀プリーズ」


 まりんが真っ先に俺に手を伸ばす。

 

「くそ、借金してまで祝儀出すって、このゲームの主人公はどんだけ律儀なんだよ」

「まるで奏みたいね」

「自分の人生崖っぷちになってまで誰かを祝う気にはなれないよ」

「どうかしら」


 精神年齢が高くなると、ボードゲームでする会話も変わるもんだな。

 ルールだから従うしかない。

 まりんに祝儀を渡し、詩にゃんにターンが回る。


「……あ、私も結婚マスに止まりました」

「はい、結婚おめでとう」

「ありがとう、リンちゃん」

「ほら奏もよ」

「なけなしの資産をどうぞ」

「奏、ゲームでよかったわね」

「本当にそうだね」


 もしこれがリアルなら、借金してご祝儀やるお馬鹿ちゃんになってるね。


「ところで、なんで、俺の駒からピン抜いて詩にゃんの駒に挿してるんだ?」

「詩子に養ってもらいなさい、フリーターなんだから」

「詩にゃんにフリーターを押し付けんなよ」

「……私、頑張ってメェー君を養うよ!」


 詩にゃんがやる気になってる。

 

「俺はフリーターにはならないからな」


 俺は新しくピンを自分の駒に挿す。

 途中で主人公変わっちゃったよ。フリーターの運命を背負わされた誰かさん。

 簡単に人生を譲渡できるのはゲームだからだよ。

 

 何をやってんだろうね。

 

「奏、詩子の隣は予約済みよ」

「リンちゃん!」


 まぁ、楽しめてるみたいだし、深く考えないようにしよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ