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失恋こそ至高の恋、学校一の美少女は失恋したい!振られるために【ぼっち】の俺の恋人作りに協力している――失恋青春計画  作者: アリティエ
3章・水着回

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八木奏はドレスコードが大事だと常々思う2


 まりんは片手を動かし、違和感を探ろうとしていたので思わずその手を掴む。


「この前、親しき仲にも礼儀が必要って学んだばかりだろ?」

「先に礼儀に反したのは奏の方よ」

「たしかに配慮が欠けていたとは思うよ」


 他の女子と先にプールに行かれたなんて可愛い嫉妬だとは思う。友達あるあるだとも理解できる。


「でもね、部屋に入った途端、部屋主を押し倒して拘束したうえで、服を脱ぎ出すのはどうかと思うんだよ」


 あまりの非常事態に動けなかった。

 

「嫌だったかしら?」


 少し悲しげにまりんは聞いてくる。

 くそ、演技だとしてもそれは卑怯だ。俺の良心に嫌なんて言わせない策略だ。


 まりんの後で詩にゃんが何度も深呼吸をした後、今から脱ごうと服に手を伸ばす。


「詩にゃんに無理矢理させてないよな?」

「説得したわ、奏が嫌なら止めることを条件に、同意してくれたのよ」

「その、メェー君はこういうの嫌でした?」


 必死に羞恥心と戦い、恥ずかしくても脱ごうと勇気を出した女の子を否定するなんて俺にはできない。ちっぽけな虚栄心を満たすために、否定してはならないと思ってしまう。


 それほどに彼女たちの勇気は認めてあげるべきだ。


 ここで正論振りまいたところで、盛り上がってる彼女たちを失望させるだけ。俺としても臆病風に吹かれて逃げ出すにはまだ浅い領域だと判断できる。


「嫌とかじゃないんだけど……理由が知りたい」


 ここが俺の尊厳を守るための最終防衛ラインだ。


「買ったばかりの水着を着ているとこを見てもらいたいからです」


 詩にゃんが恥ずかしそうに真実を告げた。

 理由がシンプルに可愛らしい。やってることがアダルティックなだけにそのギャップが萌えにつながる。


「ちなみに普通に見せるとかダメなの? プールとかでさ」


「奏は今年水着の女の子を生で見てるじゃない。それだと刺激に欠けるわ」


 なるほど、だから部屋というプライベートスペースによるミスマッチな水着ドレスコード。周囲の目がない分、過激にパフォーマンスもこなせる。かなり攻めたアプローチ。

 天ネェ使って俺の親も退場させるあたり計画的だ。


 理には適ってるな。むしろ、ここまですることに感心するほどだ。


 最終防衛ラインは難なく突破された。

 これ以上の抵抗は見苦しいな。


 「メェー君、脱ぎますね」


 詩にゃんが俺に律儀に報告する。

 もうね、そういうパフォーマンスとして見ればいいんじゃないかと思えてきた。

 ただ、下に仕込んだ水着を見せるため、私服を脱ぐだけだ。

 それだけでもインパクトが凄いんだけどな。


「詩子、できればズボンから脱いでほしいわ」


 まりんからオーダーが入る。

 詩にゃんは不思議そうに首をかしげ、ズボンへ手を伸ばし直した。

 まりんは少しよだれを垂らし、目を輝かせていた。


 詩にゃんはズボンを少しずつ下ろしていく。


 布地が肌を滑る微かな摩擦音が、静まり返った部屋にやけに大きく響いた。

 シャツの裾と、ゆっくりと露わになっていく生足。その間にチラつくのは、淡い桃色の布地――。 


 細い指先が、白く柔らかな太ももの境界線をなぞるように動く。


 プールで見るような開放的な姿とは違う、密室内での「脱衣」という行為。その背徳感に、俺の心臓はドラムの乱れ打ちを始めた。これで『ドンドットット♪ ドンドットット♪』ってリズムを刻み始めたら、自由の姿に覚醒してることだろう。


 自由を解放できない俺を置き去りにして、詩にゃんは続ける。


 膝の裏、ふくらはぎ、そして華奢な足首へとズボンが脱ぎ捨てられる。

 シャツの裾から伸びる真っ白な脚は、部屋の照明を吸い込んで発光しているようにさえ見えた。

 

 詩にゃんは顔を真っ赤に染め、上目遣いで俺を見つめたまま、今度はシャツのボタンに指をかけた。

 控えめな胸の膨らみが、彼女の荒い呼吸に合わせて上下する。


「……つ、次、脱ぎます、ね?」


 潤んだ瞳で見つめられ、そんな殊勝な態度で脱ぎ進められたら、もう檻の中で解放を待つしかない。


 俺の理性は、桃色の布地に包まれた彼女の「中身」を直視する恐怖と期待で、完全に焼き切れる寸前だった。


 シャツのボタンを下から一つずつ外していく。小さく可愛らしい窪み、指で突けば僅かに沈みそうなお腹、最後のボタンが外れ、双子の頂きが姿を見せる。


 白いフリルで淡い桃色の布地の膨らみを飾っていた。

 シャツを脱ぎ去り、後は靴下だけになる。


 最後に靴下に手を伸ばそうとしたとき、

「詩子、ちょっと待って」とまりんの声がその手を止めた。


「リンちゃんどうしたの?」

「最後は奏に脱がしてもらうのはどうかしら?」

「え……えぇぇ!」


 詩にゃんの羞恥心は限界突破していた。

 

「奏はすぐ賢者になろうとするのよ。今だって、何事もないように振る舞ってるくらいよ」


 誤魔化しきれてない俺の膨らみのこと言ってる?


「でも、恥ずかしいよ」

「奏も動揺してるわよ!」


 何を判断基準にしてるかは、この際置いておこう。

 下手に刺激しないほうが安牌だ。


「奏はどうしたいかしら? このまま私に押し倒されたまま密着したいのなら無理強いはしないわ」


 いや、この状況は捨てがたい……じゃなくて、どんな二択だよ。


 詩にゃんかまりん、まるでどっちを選ぶのかと聞かれてるみたいだ。

 


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