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失恋こそ至高の恋、学校一の美少女は失恋したい!振られるために【ぼっち】の俺の恋人作りに協力している――失恋青春計画  作者: アリティエ
3章・水着回

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八木奏はドレスコードが大事だと常々思う1


 小鳥遊達とのプールは無事に終えた。


 天ネェが俺にベッタリだったが、小鳥遊と他二名の女子が俺達に合わせてくれたこともあり、何事も問題なく終えたはずだ。


 天ネェが男達の視線を集めていた気がするが、俺のこと大好きオーラ全開でナンパな輩は近づいてこなかった。

 古谷に声をかけてた輩が少しはいたが、全て自力で追っ払っていた。ヤンキー女子のガン飛ばしと怒気のこもった濁音は迫力がありました。


 新山さんは……二人のカリスマ力に影が薄れていた気もするが、それがむしろ普通であり安心感があった。小鳥遊にそれとなくフォローさせていたからたぶん大丈夫だ。人の魅力は人それぞれだから。


 そんなありふれた青春のワンページを乗り越えた俺は人間レベルが上がったと思っていた。

 まりん達のフォローも軽々こなせると精神的余裕さえ抱いていた。


 耳たぶ甘噛み、間接キス、詩にゃんホールドを乗り越えた俺は、さながら人造人間を追い詰めるイキリ散らした金髪の戦士のようだった。


 だが、その余裕は消え去り、心臓の鼓動がフルスロットル、さらに向こうへ行こうとしていた。


「風呂場に三人は意外と狭いわね」

「なんかワクワクしますね」


 俺を挟むように女子二人が俺んちの浴槽に座っていた。

 半裸の男女が三人、明らかな異常事態に俺は目を瞑る。

 どうしてこうなったのか、一から思い出して落ち着いた方がいいよな。もしかしたら夢かもしれない。


 天ネェは俺達を三人にするために親を連れだし外へ遊びに出かけた。その時点で若干の違和感はあった。


 俺が他の女子と遊びに出かけたことに対するお詫び(?)をするために、まりんと詩にゃんが遊びに来た。

 

 単なる埋め合わせ程度の認識だった。

 

 部屋に二人を案内すると、まず詩にゃんが俺に抱きついてきて押し倒してきたのだ。

 

 詩にゃんも恥ずかしさを誤魔化すように力強く俺にボディプレスしてきて、まりんの策だと分かっていても、俺はパニックで動けなかった。


 脳内、推しからの抱擁で「え、これ抱きしめていいの? 柔らかい、いい匂い、これは夢か、夢だよな、夢でも嬉しい」と本能が出しゃばるから抑え込むのに理性が必死に抵抗していた。


 追い打ちをかけるように、まりんが服を脱ぎ始める。

 まるで「笑えよかなで」と俺の余裕を奪う手腕に俺は声を出せないでいた。


 視線を外すこともできず、まりんは水着姿でそこにいた。

 水色と白色の水玉模様のビキニだ。

 

「ふふん、どうかしら!」


 まりんは水着姿を見せつけるように胸を張る。

 白すぎる肌に、細い紐が食い込む背徳感。濡れてもいないのに、その肌は部屋の照明を反射して発光しているようにさえ見える。


 俺といえば、詩にゃんに抱きつかれてそれどころではない。「ぎゅ〜」って言って体を押し付けてくる。小さくて可愛くて抱きしめたい。

 

「イマイチな反応ね。もう少し官能的に脱げばよかったのかしら?」

 

 水玉模様の布地は、彼女のしなやかな肢体の曲線をこれでもかと強調していた。キュッと締まったウエストから、大胆に弧を描くヒップライン。そして、控えめながらも形の良いバストが、彼女が呼吸するたびに誇らしげに上下する。もう、存在自体が官能的なんだよ。


 TPOを無視したせいで、場所が場所ならそんな感想を抱くことはないだろう。ドレスコードを明らかに間違えている。


「これは……何事ですか?」


 必死に冷静であろうとする。詩にゃんの控えめ柔らかプレスにより、膨れ上がる衝動をどう誤魔化そうか考える。もうすでに当たってるし、圧迫されてる。気づかれてないのが救いです。


「照れ隠しのつもりかしら? まだ、終わりじゃないわよ」


 待て待て、これ以上何するつもりなの、俺襲われちゃうの! 


「詩子、チェンジよ!」

「リ、リンちゃん、本当にするの?」

「私だけ水着姿のままいいのかしら? 奏の視線を釘付けしちゃうわよ?」


 まりんの挑発的な物言いに、詩にゃんは抵抗しながらも覚悟を決めた表情になる。

 

「わ、わかった」

「よく言ったわ」


 君ら楽しそうだね。俺は事態の把握ができず混乱中ですよ。

 詩にゃんが俺から離れる。その隙をついて距離を取ろうと立ち上がろうとしたら、まりんに押し倒された。


 詩にゃんとはまた別の圧迫感に脳がバグりそうだ。しかも、水着なんてほぼ半裸だろ、絵面がやばい。


「逃げちゃ駄目よ」


 先程から押し倒しているのは、俺を逃さないためだった。

 女の子が覆い被さる程度で男を拘束できると本気で思っているのか、俺がその気になれば押し返すことも出来るだろう。でもね、そんなことして怪我させるのも違うよね。押し返そうものなら最悪「そこまで拒絶するの」って彼女たちの女の子としてのプライドに傷をつけかねない。


 それに、この状況は彼女たちの意思によって成り立っている。今日は彼女たちの詫びも兼ねているのだから、その意向を尊重するのが筋である。決して、下心による拘束力が発生しているわけではない。


「あら……ねぇ、奏? 私のお尻に硬い何かが当たってるのだけど、なにかしら?」

「何だろうね……ちょっとわからないな」

「私が触って確認しようかしら?」

 

 半裸姿で胸を押し付けて、人をからかうような笑みを浮かべる。これ、わかってやってるだろ絶対。



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