初見殺しの契約3
俺とバスケ部、女子Aと女子B、詩にゃんとまりんが、向かい合うように机を固めた。
このスタイルは中学以来だな。給食がある学校でのメインスタイルだ。
「お、なんか。給食の時みたいだな」
バスケ部も同じ感想を持っていた。
「小鳥遊、はしゃぎすぎ〜」
女子Bが小鳥遊(バスケ部)を茶化す。
「は、これくらい普通だろ、な、八木」
「定義による」
「八木君はクールキャラなんだね、はは」
俺を誘った女子Aが笑う。
「皆と一緒で私、嬉しいです」
「俺も今、そう言おうと思ったところだ」
「いや、定義によるって言ってたろ、嘘つくなよ八木」
「嘘? 詩にゃんは可愛い、可愛いは正義。詩にゃんは正義だろ」
「おおぅ……」
引くなよ。変なこと言ってないだろう。
「前から思ってたんだけど、その詩にゃんって、もしかして赤月さんと付き合ってるとか、そんな感じじゃん?」
女子Bが聞いてきた。
「俺と詩にゃんは友達だ、そう呼ぶことは不思議じゃない。逆に君らが今だ赤月さんと呼ぶ理由が気になるね」
「え、あー、クセかな?」
女子Aが答えた。
「赤月さん、つい最近まで、親近感あったんだけど、何処か一歩引いてるって感じだったし、頑なにアタシらの名前を呼ばなかったからね。距離感ってヤツだよ」
そうか、普通は距離感測るのか。姉のせいで忘れてた。
「私は、皆と仲良くしたいです。セラちゃん、ランカちゃん。だから、私も名前でお願いしてもいいかな、です」
「推せる」
「分かる」
「分かる!」
女子三人が、詩にゃんの可愛さに胸打たれていた。
「おい八木、俺、赤月のこと、好きになっちまったかも」
「お前チョロ好きだろ。よく考えろ、詩にゃんが、カエルになっても同じことを言えるか」
「何言ってんだお前……」
全く詩にゃんの可愛さが見てくれだけと思ってんのか。まだまだだね。
「愛は相手の心を受け入れるところから始まるんだぞ?」
俺のクールドライブを決めてみる。
「メェー君!」
「八木、よく平気でそんな恥ずいこと言えるじゃん、私、彼氏にも言われたことないわ」
「分かるわ!愛とは文字通り、心を受け入れることで、初めて愛と呼べるものね、うんうん」
「情熱的なんだね。八木君って」
女子達の反応がこちらになります。
そして、男子の反応はこちら。
「常磐先輩に啖呵を切るだけあって、メンタル鋼かよ」
なんか憧れの目で見られてるんだけだ。
「八木、いや、心の友」
どこのガキ大将だよ。それは、すべてを許してね、の代名詞じゃないから、無茶振りだけは止めてくれよ。
「常磐先輩に、喝入れてくれんだろ、頑張れよ!」
「鉢上先輩から聞いたのか?」
「朝練の時にちらっと、な」
そう言えば、先輩から連絡来てたか確認してないな。
スマホ取り出し、確認と。
「どうした?」
鉢上先輩からメールが届いていた。
「そいえば、八木君は明日のクラスの集まり来るの〜?」
女子Aが尋ねる。
「明日は、午後から用事があるから遠慮する」
「え!ふぅなんれふか!」
「詩ち、行儀悪いから口の中身を飲み込んでから喋るじゃんよ」
「ハムスターみたいで、可愛いからいいのよ、セラさん」
「いや、アタシ、ランカなんだけど……」
女子Bの名前はランカだった。
「詩子写真いいかしら?」
「……ゴクッ、リンちゃんのスケベ」
「詩にゃん、ワン、モアスケベ」
「メェー君まで!」
赤面する推しとの日常を楽しんでいこう。
明日は本物のスケベとの対決だ。




