表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/157

超絶美少女

「私はアイラ・ルースリーといいます。本当に助かりました。」


 赤いローブを着た銀髪の超絶美少女はそう名乗った。アイラか……いい名前だ。


(……はっ!)


 あわわ、あまりに可愛いから見とれてしまった!


「俺はレオ。力になれてよかったよ」


「そんな! あんな鮮やかな戦いは初めて見ました!」


 アイラは俺の言葉を謙遜だと思ったらしく、慌てて手を振る。こんな冴えないおっさんに対してえらく気を使ってくれるな……


(よっぽどピンチだったんだろうな)


 なんだか申し訳なくなるな……


「それにしてもどうしたんだ? 一人ってわけじゃないよな?」


「刺客に追われてエレイン、私の護衛とははぐれてしまって」


「刺客?」


「……多分ダグラス家のものだと思うのですが」


 ダグラス家……どこかで聞いたことがあるような。


(そういえば、この娘、“ルースリー”って名乗っていたよな)


 聞いたことあるな。何だっけ、年を取ると忘れっぽくなって困るな。

 

「ロザラムに行かなくてはならないのですが、この調子では行きつくかどうか」


 ん? ロザラム?


(確か、ダグラス家とかルースリー家って精霊守の家名じゃなかったっけ?)


 もしかしてこの娘、数日後にギルドを訪問するっていう精霊守なのか!?


「実は俺はロザラムの冒険者ギルドの職員なんだ。もし良ければ一緒に行──」


「本当ですか!?」


 うわわっ! 近い近い近いっ!


「レオさんみたいに頼りになる人が一緒にいてくれれば安心です!」


 うーん、可愛い女の子、しかも精霊守からそんなに歓迎してもらえるような大した人間じゃないんだけど……


「いや、どこまで力になれるかはわからないよ。しかも、今道に迷ってるし」


「レオさんってギルドの職員さんなんですか? 冒険者じゃないのにそこまで戦いなれているなんて、すごいですね」


 聞いてないな……


(まあ、すぐにわかるだろ。とりあえずできることをするか)


 でも、こんなに可愛い女の子から後で“思ったよりも大したことがないな”と思われるのはちょっとツライな……


<アイラ視点>


「実は俺はロザラムの冒険者ギルドの職員なんだ。もし良ければ一緒に行──」


 その言葉を聞いた瞬間、私は思わず舞い上がってしまった。


(これで任務を果たせる……!)


 私は何としてでも立派に仕事をやり遂げなきゃいけない。じゃないと、私が生かされた意味がないもの……


(それにしても、強くて格好良くて、おまけに優しいなんて……レオさんってなんて完璧なんだろう)


 ギルド職員だったら精霊守である私を助けるのは当たり前かもしれない。でも、精霊はレオさんがそう言ったことじゃなく、私のことを心配して提案してくれているのだと教えてくれる。つまり……


(レオさんは純粋に私のためを思って助けようと言ってくれているんだ……)


 そんなふうに思って貰えるなんていつぶりだろう……


(……それにしてもレオさんは格好いいな)


 落ち着いた雰囲気に精悍さと優しさが入り混じった顔立ち。それに……


(あの星石のような鼻……)


 精霊守の間では伝説がある。“星石を体に宿すものこそ勇者”だと。レオさんの鼻はまさしくそれだ!


(すっごくモテるんだろうな……)


 安心したせいか、そんな浮ついたことを考えてしまう……ああ、駄目だ。もう少し落ちつかないと。


「悪いんだけど、地図とか持ってたりするかな?」


「は、はい!」


 はっ!  


「ありがとう。……なるほど。ここらは調査対象から外されてる地域か。こんなにロザラムに近い場所なのに何で……」


 持っていた地図について私にはよく分からなかったが、レオさんは理解出来るみたいだ。


「アイラの持っていた地図のおかげで何とかなりそうだ。ありがとう」


 そう言うとレオさんは爽やかな笑顔を浮かべて私に地図を返してくれた。やっぱり格好いい……


(はっ!)


 いけない、私ったらまた!


「こ、こちらこそありがとうございます!」


「そんな畏まらなくても……って畏まった方が良いのは俺の方かな?」


 えっ? 何でそうなるの?


“どうも本当にそう思ってるみたい。どうする?”


 私の一番の相棒の精霊、ハーディアはそう教えてくれる。彼が嘘をつくはずはないけど……何でだろ?


「そ、そんな! とんでもないです!」


「そうか? ならいいけど、まだ四、五日はかかるから楽にしてくれよ」


「は、はい!」


「とりあえず近くに昔使われていた野営地があるみたいだから行ってみようか」


 そう言って歩き始めたレオさん。確かに昼はかなり回ってるし、そろそろ暗くなってからのことを考えた方がいい。


(流石……私はそんなこと考えもしなかった)


 本当にレオさんは頼りになる。私も足を引っ張らないようにしなくちゃ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『追放したら評判が下がるからという理由で迷宮の最下層へと突き飛ばされるが、そこでたまたま見つけたアイテムでクラスチェンジ!一気にパワーアップして全てを掴む。あ、非道な元仲間は全てを失い没落したそうです。』

ノンストレスな王道追放モノ! バトルとヒロインの可愛さに自信アリなので是非ご一読下さいませ!




一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公って、ここまでせいぜい数時間で来てたんじゃ? なのに戻るのに4~5日って、どれだけ遠回りしないと戻れない場所に来てるの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ