あたためる
きみが、あたためてくれた。
かなしみをこらえきれずに、すわりこんだわたしを。
なにもいわずに、ただやさしく。
やさしく、だきしめてくれた。
そのしゅんかん、わたしは、きみにまもられているかんじがしたんだ。
そしたら、つらくてつらくてたまらないきもちが、なみだにかわって。
するすると、ふたつのひとみから、ながれおちた。
きみはおおきなてで、ふるえるわたしのせなかを、なんどもさすって。
ながいあいだ、おちつくまでまっていてくれた。
それからわたしのはなしに、じっとみみをかたむけてくれた。
おおきくて、やさしくて、あたたかいきみ。
そばにいると、こころがほぐれて、あんしんする。
きみがいるから、わたしは、がんばれる。
かなしくてもつらくても、たちあがれる。
こうして、いつもたすけてもらってばかりだけど。
きみがわたしをまもるように、わたしもきみをまもりたい。
だから、もしもくるしいことがあったなら、えんりょなくたよってね。
よわくてなきむしな、わたしだけど。
いとしいきみを、こんどはわたしがせいいっぱい、あたためるよ。
お読みくださりありがとうございました。