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00_設定資料(注意:ネタバレ有り)

【 概要 】

今の生活が実はバーチャルリアリティで、ある日突然オンラインゲームのように「ログアウト」してしまったら? さらに、ログアウトした先がモンスターの徘徊する荒廃した未来だったら? そんな設定の近未来SF小説です。



【 あらすじ 】

高校生でオタクの滝川カズトは、思いがけずこの世界から「ログアウト」してしまう。そして本当の現実である「モンスターが徘徊する荒廃した25年後の世界」に戻った。実は、彼が今まで生活していた平成の世の中は、未来で開発されたVRゲームによって作り出されたバーチャルリアリティだったのだ。


ただ、そのゲームのバグにより現実の記憶をも完全に失ってしまっていた彼は、その事実がどうしても理解できずに悩む。「これは本当に現実なのか?」答えを出せぬまま、彼の新たな「元の生活」が始まった。


現実である2043年の世界では、人類が滅びの危機に瀕していた。その原因は4年前に起こった次元規模の大事故「コウトシンの悪夢」である。この事故により、異空間に繋がる裂け目(ポータル)が地球上のいたるところに生成され、そこから大量に現れた異界の生物(ヘルハウンド)の攻撃により文明が崩壊してしまったのだ。人々はわずかに残った火気類と、パワードスーツによって身体能力をアップさせた上での剣や弓などの使用により、何とか滅びを免れているという状態だった。


そんな世界で、滝川カズトは抜群の運動神経と的確な判断力により、対ヘルハウンド戦のエースとして活躍していた。のだが、しかし、VRゲームによって平成時代のオタクになってしまった彼は、いきなり突きつけられたあまりに悲劇的な現実に苦悩しつつ生きていくことになる。



【 世界設定 】

物語の舞台は2018年12月末の秋葉原。ただ、これは主人公が10分程度プレイしたVRゲームの設定で、本当は近未来の2043年9月の秋葉原である。もちろん、日本もヘルハウンドによって破壊し尽くされており、世界遺産の軍艦島のような様相を呈している。

主人公とその仲間達はバリケードによって要塞化された上野恩賜公園(上野要塞)を本拠地とし、部隊を編成してヘルハウンドから住民達を守る任務に就いていた。



【 登場人物 】

◆ 滝川カズト

17歳男性。上野遊撃隊第五分隊所属。本物語の主人公。日本刀「菊一文字」とハイスペックのパワードスーツを装備。抜群の運動神経と的確な判断力により、対ヘルハウンド戦のエースとして活躍していたが、VRゲームをプレーしたことで現実の記憶を忘れてしまい、パニックに陥る。本来の彼はアクティブでポジティブ、しかし現在はパッシブでどちらかといえばネガティブ、と性格まで変化。これにより最初のうちは部隊のお荷物的な存在になるが、体に染み付いた戦闘能力により、徐々に本領を発揮し始める。ただ、物語を通し「この世界は現実か?」に悩み続ける。


◆ 姫野サクラ

17歳女性。上野遊撃隊第五分隊所属。コンパウンドボウを装備。本物語のヒロイン。どちらかといえば華奢な体。元々はカズトと恋人同士であったが、カズトの記憶喪失により微妙な関係に。カズトの性格も以前は「俺について来い」といったタイプだったため、急に謙虚になってしまった彼に戸惑うが、それでも、好意は持ち続ける。


◆ 福山ダイチ

20歳男性。上野遊撃隊第五分隊所属。ラウンドシールドを装備。がっちりした体格で、戦闘では主に部隊の盾役を担う。カズトの信頼の置ける同僚であり、友人。カズトが記憶を失った後も、色々と世話を焼いてくれる。物語の説明役。


◆ 倉本カオル

22歳女性。上野遊撃隊第五分隊隊長。日本刀を装備。アスリートのような体型。元々は第一分隊のエースアタッカーだったが、昇格して第五分隊隊長となる。要塞外ではとても厳しいが、普段は温和な性格である。



【 その他(用語解説など) 】

◆ コウトシンの悪夢

2039年、アジアの大国がその威信をかけて建造した超巨大円形加速器(建設地の地名からコウトシン円形加速器と呼ばれる)がテスト稼働中に暴走・大爆発を起こし、それが原因で空間に歪みが生じ、異空間へと通じる裂け目(ポータル)が地球上のいたる所に生成されてしまう。そこから現れたのはラミアー等の異界の生物(ヘルハウンドと総称されている)。それらが大量に出現し、人間を襲い始めた。各国の軍隊はこれらの撃滅を図ったが、あまりの数の多さに補給が追いつかず次々に壊滅。結果、世界はヘルハウンドに蹂躙され、人類の文明は崩壊した。


◆ Nゴーグル

現実拡張ゴーグル。正式には『NARゴーグルV10』。2035年に米国で開発され、自衛隊にも採用された最新の現実拡張ゴーグルで、2039年以降は対ヘルハウンド用に改良された。視界に写る物をコンピュータで解析し、その情報をゴーグルのモニタに投影することができる。指示や地図、仲間の位置なども表示可能。特に生物は生命力、攻撃力、防御力、敏捷性などが数値化されて表示される。視野の中心に対象を合わせると、対象のちょっとした動きなどでマイクロコンピュータが推定値を即座に算出し、表示する仕組み。あくまで推定値、異なる場合もある。今までに蓄積されたデータも入っており、情報として表示される。登録されている人間やヘルハウンドは名前も表示される。動く物に反応し、縁取りをして場所や形状をユーザーに知らせる。特に危険と判断される場合は音でも注意を促す。他のユーザーと通信も可能。


◆ MIGUパワードスーツ

2030年に日本の企業(㈱MIGU)によって開発されたパワードスーツ。人間の身体能力(力や素早さ)を3~5倍程度上昇させることができる優れものだが、扱うのが難しいため、熟練度によりタイプが別れている。本体を人の背面に取り付けるタイプで、かつ、スマートな設計のため、正面からだと装備しているかわかりづらい。元々は自衛隊員用に開発されたものだが、その後スポーツにも応用され、例えば、サッカーのフィールドを使い、5メートル上空に設置されたゴールを目指すMIGUバスケットボールなどが考案された。カズト達が使用しているのは2036年に一般向けに発売された最終モデル。


◆ 近未来のVRゲーム

平成時代の末期に一般にも普及し始めたVRゲームは、その後、急速な発展を遂げる。VRゲームの各メーカーは「よりリアルなものを」を目標に競って技術を開発、特に2031年に発売されたVRゲームでは「デジタルデータを生体電気信号に変換する技術」を使って、人間の五感を完全再現することに成功した。この技術はハードの形をも激変させ、例えばゲーム画面なども脳内に直接出力する形となる(脳内モニタ)。さらに技術革新は続き、2038年、ついに記憶を操作するVRゲームまでもが誕生することとなった。


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