第三話 「真」
真の一言から戦闘が始まった。それと同時に真の手に炎が灯る。
突如、飛び掛った少女の髪が異常に伸びていた、それらはどんどん鋭くなり、針のようになった。そしてそれがすべて真を狙う。
――――刹那。
一瞬だった。針が真めがけて発射、が、真は、動じず(といっても動いたところでかわせそうになかったが)その手に灯る炎を針の雨に思いっきり投げていた。
投げられた炎が火の粉を飛ばし衝突。と思ったら、火の粉は幾本の包丁になり、針の雨を蹴散らす。
そのまま少女のほうへ。
少女は包丁に顔を切り裂かれるすんでのところでかわし、路地にあるビルの壁を蹴って素早く真の間合いに入ってくる。
が、真の方が反応が早く、少女は頭に回し蹴りを食らう。
しかし少女の髪が真の足に絡まり、真は体勢を崩す。
「くっ、」
真がこぼしたが、すぐに反撃に移る。手に炎を灯し、髪を焼き尽くそうとする。少女は、後ろに下がり距離をとろうと髪を真の足から解いてバックステップを踏んだ。
しかし少女が前を見た瞬間、目の前に真がいた。
少女がバックステップを踏むと同時に真も前に飛んだわけだ。
「ちぃ、」
少女は身をよじり、真の正面から外れる。
しかし真はその場から、炎弾を放ち、少女の動きを阻める。
「そろそろ諦めたらどうだ?」
真はまだまだ余裕、という感じで言った。
その言葉に反応したのか、少女は叫び声を張り上げる、と同時に髪を槍のように1つに束ね、またそれが鋭く尖っていく。
それがまっすぐ伸び、真を狙う。
「……甘いぞ?」
一直線に飛んでくるものだから、真が真上に飛ぶ。そのまま空中で反転―――
少女が気付いた時にはもう真が後ろにいた。
少女が後ろを振り向くと真は少女の額に指先を向けていた。
「印」
言うと、少女の額に烙印が押される。
漢字で何か書いてあったが読めなかった。
……。
「破裂」
少し間をおき、一言。
次の瞬間少女の頭が破裂していた。破裂した頭は紫色の煙となって消えた。体も同様に消えていった。
路地に夕日が差し込み、俺は寒さがほんの少し、和らいだ。
静けさ。
真……と名乗った自称俺の守護霊。
彼女が近づいてきた。
「あんたは誰だ?」
俺は反射的に聞く。
「私は貴方の守護霊だ。」
彼女の端正な顔が夕日に照らされ美しかった。
そして、うすく消えていった。




