勇者パーティーから追放されたから魅力スキルでおっさんチーレムすることにした
俺は45歳現役で勇者パーティーで荷物持ちをしていた。
…そう、していたのだ。
だが勇者がアイテムボックスなるスキルを持つケモ耳奴隷を買い、追放された。
無職 45歳 元荷物持ち兼肉壁
おっさんは嫌だ。
そんな下らない理由で追放された俺の気持ちがわかるか!
勇者が俺を肉壁にするものだから身体中には深い傷跡が残り、痛みに耐え、荷物の重さに耐え、耐え、耐え続けたせいで顔もカタギとは思えないほどの悪人顔に変貌した。
筋肉ムキムキで傷だらけで顔も怖い男が普通に仕事出来るか!
しぶしぶ故郷に帰った俺は、門兵に止められ盗賊と間違えられ、投獄され、冤罪だとわかりようやく街に入れば通報され、嫌になって街の外で農家をやれば、死体を埋めていると勘違いされ、海で漁師をしてみれば、『あいつは殺した奴を餌にしている』と言われる始末
そして3年の時を経て、俺は冒険者になった。
〜フランツ 48歳 冒険者になる〜
ボロボロの木の戸を押し開けてギルドに踏み入れる。
痛てぇ、木のささくれが刺さった…
冒険者になるためにギルドに踏み入れた主人公が注目されながら受付に行き、チンピラに絡まれてパパッと蹴散らして飛び級するという王都で流行った小説物的
な展開をイメージしていたのだが…
何故、皆、眼を背けるのか?
少々気になった俺は近くにいたチンピラらしき男に近づいた。
早歩きで近く俺に気がついたそいつは、急に腹がいてぇとか言ってトイレに駆け込んで行った。
間が悪かったみたいだ。
と隣にいた奴に視線を移すと『腹が...』と言って走って行った。
二人揃ってなんかアタったのかな?
「お大事に…」
そう言って手を合わせると、周りの奴らが青い顔をして震えていた。
よくわからないが面倒臭いのでとりあえず、受付で登録を済ませてしまうことにした。
「おい、登録出来るか?」
「は、はい、」
受付は声を震わせ顔を赤くしながら俺をじっと見つめてくる
もしかして俺に惚れたのか?
「どうやればいい」
「こ、こちらにお書き下さい」
渡された紙にサラサラと書いていく
ーー
フランツ
男
48歳
スキル 魅了
ーーー
書き終わった紙を無言で見つめた受付は、そのまま機械に通しカードを手渡してくれた。
「おい、受付さんよ、この後、食事に行かないか?」
「え……い、嫌です」
はい、スキル発動"魅力'.
その瞬間辺り一面にハートのエフェクトが舞う。
そして受付の男はクネクネしながら俺に抱きついた。
かわいい、なんてかわいいんだ。
ポテッとしたお腹、そしてこのチャーミングな丸々とした顔、彼は最高だ!
「わ、たしは、あな、たをあい、して、いま、す」
スキル魅力の効果は相手を無理矢理自分に惚れさせる能力だ。
「ふっ、俺に惚れたようだ」
そう決め台詞を吐きギルドから出た
◇◆
ギルドを出て俺たちはすぐ奴隷商へ向かった。
「いらっしゃいませー、どのような奴……ひぃ!?」
俺とレオン(仮)がいちゃついている姿に、嫉妬したのか奴隷商のおっさんはへんな声を上げて後退りした。
檻に入れられた獣人の奴隷が化け物を見るかのような顔をしてこちらを見ているのに不快感を覚えた。
「お、お客様?どのような奴隷をお望みで?」
「うーむ。そうだな」
「う、うちにはかわいい子がたくさんいますよ!」
(獣人の女の子とかエルフとか!)
「ほう……」
(かわいい子か…鼻にピアスとかしててモヒカンの子とかいないかなぁ?)
そして連れてこられたのは犯罪奴隷が集められている檻
犯罪奴隷とは、どんな扱いをしてもよく最悪殺しても罪に問われない奴隷のことである。
「ぉ…おお!あ、あいつは?あの鼻ピアスした子」
「ああ、あれは元盗賊です」
(ん?今、こいつ子とか言ったか?)
「あの子にする、いくらだ!」
「えーと、お客様は、どう言った用途で?」
「は?」
「わざわざ聞くまでもありませんでしたね」
(そりゃあ、そうか、荷物持ちとかに使うんだろうな)
「そりゃあ、嫁にするんだよ」
「は?」
惚けている商人を他所に無理矢理、元盗賊を引き寄せ抱きしめる。
「ひ、ひひぃぃいぃ!助けて!助けてぇ!神様ぁ!ぁぁぁあぁぁ!あ!!」
その日、町では男の悲痛な叫び声が響き渡ったという。
おっさん(たちで)ハーレムはいかがでしたか?
流行を全て取り入れてみました。
ん?違う?知らないよ