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ブス家庭教師との恋  作者: ブス専かな
9/10

理由

この作品は全年齢向けなので、表現は、おさえます。

 5回目ぐらいのデートの帰りの時に聞かれる。


「ねぇ、前々から疑問だったんだけど、私のどこを好きになったの?」


「どこって、話してて、楽しいところだよ。」


「それだけで好きになる?

 こんな豚みたいな顔してる、凄いブスなのに。」


「いや、そんなことは。」



 ナツミさんがどんな答えを求めているのか、

 全然分からず、テンパっていた。


 いやいや、ブスすぎるのが愛おしいんだけど、

 と最近の本心を言ってみたくもなったが、

 さすがにそれはマズイしな。


「何? ブスじゃないって、本当?」


 と言い、バッグからファッション雑誌を取り出してくる。


「ここに載ってるモデルを見ても、私のことがブスじゃないって言えるの?」




 僕はますますわけが分からなくなっていた。

 ナツミさんは、何のために、僕にこんな質問をしてるんだろう。



 と思い、俯いていると、


「どうしたのよ。正直に言っていいのよ。」


 ますます混乱してきた。


「私は可愛いの? それともブス?」


 ここで可愛いなんて言ったら、

 また質問を繰り返されるんだろうと思い、

 僕は本心でもあるし、ついつい言ってしまった。


「ナツミさんは、ブスだよ。」


 その瞬間、ナツミさんの顔が一瞬こわばったようにも見えたが、

 気のせいか。


「そうなんだー。じゃあ何で付き合おうとしたの?

 ブスだって思ってるのに。」


 ここまで来たら言い逃れできないだろうから、

 本心も混ぜて言ってみた。


「いや、確かにナツミさんはブスだけどさ、

 話してて楽しいし癒されるんだよ。

 それにナツミさんと会う度に、

 ブスなナツミさんが愛おしくなってさ。

 今では、ナツミさんが他の誰よりもブスすぎるのが、

 とても嬉しくて、愛おしくなってるよ。」


 つい勢いで言ってしまった。


 後悔はしていない・・・・はず。


「あはは、レイトくんって面白いね。」

 ナツミさんは笑っていたが、目は笑っていなかった。


 気まずい雰囲気の中、いつもの場所で降ろしてもらい、

 そして家路につく。



 その後も、メッセージの交換は順調に続き、

 あの質問と会話は何でもなかったのかな?と思っているうちに、


 次のデートの誘いが来る。


「今度の土曜日、午前10時にホテル〇〇に行きましょう。」



 ホテル〇〇って・・・大人のムフフな、あのホテルですか!?


 ヤバイ、ドキドキが止まらない。


 そして当日、

 ホテルに着き、ナツミさんは5時間のロングコースで申し込む。


「そんなに、いるの?」


「お楽しみは長い方がいいじゃない。」


 ってなわけで、

 部屋に入り、

 ナツミさんが持ってきたジュースを、コップで飲む。


 ホテルの雰囲気にドキドキ、ムラムラしながら、

 10分ほどナツミさんと会話をしていると、


 僕は欠伸が出始めた。


「あれ、なんでだろ? しっかり寝たはずなのに。」


「きっと疲れてるんじゃない?

 先週の期末試験の疲れが今頃出てきたとか?」


 そんなことあるかなーと思いつつも、

 眠りそうになるが、何とかこらえる。

 せっかくナツミさんとムフフなホテルに来たのに、

 寝るわけにはいかない。


「いいわよ、眠っても。

 時間はたっぷりあるし。

 1時間ぐらい経ったら、起こしてあげるわ。」


 そうは言われても、こらえなきゃと思いながらも、

 強烈な睡魔が襲ってきたので、

 僕はナツミさんに寄りかかるようにして、眠りに入った。






 ふと、目を覚ますと、

 何か鼻の頭のあたりが重い、というか痛い。


 触ってみると、何か、ひものようなものが取り付けられて引っ張られているようだ。


 どういうことだ?と思いながら、

 右の方を向くと、


 鼻の穴が丸見えな豚面の少年がいた。


 誰なんだと思い、


「誰なの?」


 と口を動かすと、

 その豚面の少年も口を動かす。


 え? もしかして、鏡?


 ってことは、この豚面の少年って、僕?



 そうこうしてるうちに、


「どう、豚面になった気分は?」


 ナツミさんの声がした。


「ナツミさん、これは、どういうこと?」


「豚は黙ってなさい。この、ブサイクが!!」



 わけがわからない状況になっていたが、

 そんな時でも、

 怒った表情で物凄いブスなナツミさんを見ては、

 あぁ、愛おしいわー、

 僕っておかしいわーって思っていた。

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