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ブス家庭教師との恋  作者: ブス専かな
7/10

デート

 デート当日、僕は電車に30分乗り、

 待ち合わせ場所である、

 隣の県の◇駅の出口でナツミさんの車が到着するのを待っていた。


 こんな風に、遠くで待ち合わせなんて、お忍びデートみたいで、いいね。


 数分後。

「レイトくん、おはよー。」


 声の方を振り向くと、

 ナツミさんが近づいてくるのが見えた。


 ナツミさんは、

 普段よりもメイクをし、髪も整えて、

 なおかつサングラスをしていた。


 いつもよりも可愛いナツミさん(それでも一般的にはブスだが)を見て、

 嬉しくなる反面、

 ナツミさんは、すっぴんで、凄いブスの方がいいのになーとも思っていた。


 そう思いながら、やっぱり僕はダメだ、おかしい。

 ブスしか愛せなくなってしまったのかなーって思う。



 運転し出すと、ナツミさんはサングラスをはずし、

 いつもの、細すぎる目を見せる。


「外で、人と会う時はこのサングラスをしてるんだよね。

 他人にブス顔を晒したくないから。」


 そんなことないよ、

 ナツミさんの顔はブスすぎて愛おしいよ。




 運転に集中するナツミさんは、凄く真面目な豚顔だった。


「運転にまだ慣れてないから、余裕ないんだよねー。

 運転中の会話もできないけど、ごめんね。

 その分、音楽流すから。」


 ということで運転中は無言で無表情なナツミさんだった。


 無表情だと、メイクの意味もほとんどなく、

 いつものブスな顔が飛び込んでくる。


 僕はその横顔を見ては、ムラムラを止められなかった。



 デートでは

 アウトレット、水族館、映画館などいろいろなところを回った。


 どこに行ってもナツミさんはサングラスを付けていたため、

 ブス顔は見れなかったが、


 擦れ違う女性の全員がナツミさんよりは可愛かったので、


 僕は誰にも負けないブスな女性とデートできてるんだと思えて、嬉しくなった。


 そんなこんなで1回目のデートが終了した。


 そして2回目のデートの時に、

 ムードも高まっていたので、

 夕方のとある公園で、


「ナツミさんのことが好きです。付き合って下さい。」


 と告白する僕。


「いいよ。というか、もう付き合ってるみたいなもんだしね。」


 その瞬間、僕は喜びにつつまれ、


「ナツミさん、キスしてもいい?」


「もう早いなー・・・いいよ。」


 てなわけで、

 僕達のファーストキスは、夕方の公園だった。


 夕陽に照らされたナツミさんの顔は、

 本当に養豚場にいそうな豚みたいなブスで、

 とても可愛かった。


 僕は、こんなにもブスな女性とキスできて幸せだった。

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