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ブス家庭教師との恋  作者: ブス専かな
3/10

相談

「告白したら、もっと素敵な人がいると思うよって言われるのはどんな時?」


「いきなりな質問だね。さては告白してきたのかな?」


「うん、そんな感じ。」


 前日のナツミさんへの告白。

 ナツミさんの反応も気になったが、

 僕はある種の達成感と共に、テンション高かった。

 そんな時に、クラスメイトの、

 ユズルに相談する。


 ユズルは学校ではモテており、

 恋愛への良いアドバイスが聞けると思い、ウキウキして答えを待った。


「たぶんだけど、ショック受けるなよ?」


「何がさ。」


「うんとね、たぶんだけど、お前振られたんだわ。」


「え?」


 その瞬間、僕の心にずしーんと、きた。


「ショック受けるなって言ったのに、受けてるな。」

「その反応だと、今の今まで振られてないと思ってたのか、めでたいやっちゃ。」


 僕はわけが分からなかった。


「な、なんで振られたって思うんだよ!」


「だって、もっと素敵な人がいると思うよってのは、

 体のいい、振るときのテンプレみたいなもんだからさ。」


「持ってるスマホで、 恋愛 振り方 とかで検索してみ?」


 そして検索して、

 項垂れる僕がいた。


 傷つけないように、そういった言い方をすることが多いとも書いてある。


「レイトが告った相手の感性が普通と違っていたら、なくはないだろうけど、

 ま、十中八九、振られたと考えた方がいいよ。」


「傷ついても仕方ない。縁なかったと思って、次の恋いこーや。」


 こういうフットワークの軽い考え方がユズルのモテる要因なんだろうなと、

 思いはしたけど、悲しさが消えることはなかった。



 見かねたユズルが聞いてくる。

「ちなみに、何回目のデートで告ったん?」


「デートは、まだしてないよ。」


「え~~~~~~~!?

 おいおいおい!

 でも、それならまだチャンスありかもなー。」


「どういうことよ?」


「どういうことよって言いたいのは、こっちの方だけどな。

 デートもしないで告るとか、そりゃあ振られるわ。」


「なんで?」


「おいおい、いくら恋愛経験少なくてもそれぐらい分かれよ。

 2人きりで遊んで、なおかつ相手の良さが分かってからってのが普通だよ。」


 そんなことはないはずだ、中学生の時の彼女とか、

 文化祭の準備に熱中する中で親密になり、

 文化祭終了後に告って、付き合ってからデートしたはず。


 それをユズルに言うと、

「いやいや、それは既に作業を通して信頼関係ができてるっていう例外っしょ。」


「普通の告白は、デートして良いムードになってからだよ。」


 知らなかった・・・僕はいろいろと勘違いをしていたようだ。

 あぁぁ、早まった告白をしてしまったー。


 僕は再び項垂れた。


「大丈夫。たぶんチャンスあるよ!」


「何でそんな無責任なこと言えるんだよ!」


「無責任じゃないさ。

 いやいや、普通にデートして告ってみて、もっと素敵な人がって言われたんなら、

 ほぼ無理だけど、その状況の告り方なら、

 相手も戸惑って、そういう風に言った可能性が高い。」


「うんうん、相手に意識させるために告白したとも考えられるか。

 レイトは無意識だろうけど、なかなかの高等戦術だよ、これは。」


 ユズルは一人でうんうんと頷いていた。


 状況がつかめてないが、ユズルの表情を見るに、

 悪い状態というわけではないらしいな。



「それで、その相手とは頻繁に会えるの?」


「週1ぐらいかな。」


「週1かぁ。それならますます大丈夫かもな。

 すぐに会うんじゃあ、告白した後のきまずさは消えないだろうけど、

 1週間あるならね。多少は気まずいだろうけど、大したことはない。」


「ユズルがそう言うなら、何か希望が湧いてきたよ。」


「うんうん、いい表情だね。もうちょっと頑張ってみ。」


「しかし、恋愛には奥手そうなレイトが他の高校の子を好きになるなんて、

 どんな接点あったん?」


「え? 他の高校じゃないよ。」


「え? じゃあ週1だけど、うちの高校?」


「いや、高校じゃないわ。」


「てゆーことは、地元の中学の後輩とかか。

 それはダメだぜ。後輩の女の子を困らせる告白とかは。」



 そこで大学生だよと言ってもよかった気もするが、

 聞かれないので、あえては言わないこととした。


「せっかく相談に乗ったんだから、

 見事付き合えたら、可愛い彼女の写メ見せてね。」



 可愛くないんだけどなぁ。

 正直、豚みたいな顔してるし。


 僕にとっては、可愛いけど、他人に見せられるかどうかは分からない。




「うん、わかったよ。相談のってくれてありがとう。」


「いつでも、いいよん。」


 そして僕は、次にナツミさんと会った時にどうすべきか考えることとした。

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