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【エッセイ】こんな私でも、何とか人生送れてます  作者: SaiKa


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8/8

運動会 前半

運動会

私は苦い思い出がある。

もともと運動は得意ではないが、決してそれが理由ではない。

私としては思い出したくもないのだが、家にあるVHSにはそのときのものが残されているのだから、嫌でも思い出してしまう。


そう、それは幼稚園のとき。


私は背が低く、背の順は1番前だった。

だから、徒競走も1番目に走る。

また、数々の失態を犯し続けていた幼少期にあたっても、なぜか先生はマスゲームの先頭もそのまま私にしていた。


当時、記憶力には自信があった私はそれを受け入れ、先頭で練習に励んでいた。足は遅く、家で練習。だからといって、クラスには足が遅いのをバカにするような風潮はなく、友達とも練習は楽しく過ごしていたはず。


そして迎える本番。


私はたくさんの保護者が園庭を囲う様子にビビり散らかし、おそらく冷静な判断ができていなかった。


父と母の姿を見つけ出し、どこか安心したと同時に、恥ずかしいところは見せたくないという思いになった。


入場行進は可もなく不可もなく。元気に声を出して行った。このときはこのあとの惨状について、誰も知らなかったであろう。


そして、いよいよかけっこの時間。いわゆる徒競走だ。

20メートルを6人で駆け抜ける。

練習の成果をいかんなく発揮したい私はスタンディングの姿勢で、先生のよーいとう合図に、ぐっと力こぶしを握る。

そして、号砲がなった。


勢いよく、皆が飛び出した。


しかし、


何ということか、


私はスタートで出遅れてしまった。


あまりの音の大きさにびっくりしてしまったのだ。


体がビクッとなり、気づいた時には周りは5メートルは先に進んでいた。


とにかく、私は走り出した。


しかし、おそらく追いつけないだろう。


そう考えた私は


5メートル付近で、天を仰ぎ、立ち尽くしてしまった。


もう完走なんかどうでもいい。


私は負けたのだ。


これまで、少しでも勝てるように練習してきたが、音の大きさという、自分ではどうにもできない敵に負けたのだ。


こうなった以上、私を動かすのは並大抵のことではない。


焦る先生。


戸惑う観客。


そんななか、泣きもせず、ただ堂々と立ち尽くす私。


そんななか、私をそこからどける父。


次の種目からは出場しないと心に決め、ペア種目や団体競技にも出ないと訴える私。


最初は熱心に誘っていた先生も諦めたのだろう。


集団に戻り、代わりの選手等、運営に回っていた。



後半へ続く








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