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#35 タイトルを変えた夜

(2026/02/19)


長い眠りから覚めたあと、私は魂を売った。


カクヨムに公開している作品のタイトルを変えたのだ。


朝と昼を合わせて十四時間の睡眠。

目覚めた私の耳元で、悪魔がささやく。


――だから読まれないんだよ。


作品にいちばん似合うと思って、頭を抱えて唸りながら付けたタイトルだった。

それでも、内容がどうこう以前に、クリックされない。


クリックされなければ、読まれない。


それはいちばん、可哀想じゃないか。

我が子が。


泣きそうになりながら、タイトルを変更した。

せめてもの抵抗として、あらすじの冒頭に元のタイトルは残した。


ここは譲れなかった。


読まれてくれ。


これは承認欲求なのだろうか。

自分が認められたいからなのだろうか。


いや、違う。

違うと言い張りたい。


せっかく生まれてきたのに、読まれないのが可哀想なのだ。


それは承認欲求ではなく、同情だ。


……と、言いながら。


誰か。

誰か読んでくれ。


そして♡や☆で、読んだことを教えてくれ。


それだけで、私は報われる。

気がする。


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