#27 未来を前借りする戦士
(2026/02/15)
完全なる“ハイ”の状態だと確信した。
前の日記を書いたあとも、ずっと執筆か、そのための情報収集をしている。
頭の中が静まらない。
いつもBGMにしている「オモコロチャンネル」や「ドコムスチャンネル」は影を潜め、今日はロックが部屋を支配している。
完全なる臨戦態勢モードだ。
やるぜ。俺はやるぜ。
ギラついた目をした北海道のわんころのごとく、私は目の前の新作にかぶりついている。
今日はスターのような“時間制限つきの無敵感”ではない。
戦場へ赴く前、闘志を研ぎ澄ます戦士の気分だ。
ちなみに、いま書いている作品にバトルシーンは一切出てこない。
妙な話である。
昼に多めに作っておいた焼きそばを、レンジで温めて夕飯にする。
二食連続同じメニュー。
普段の私なら発狂案件だ。
私の人生において“食”は、揺るぎない玉座に君臨している。
それなのに今は、創作への欲望が奴隷の反乱のごとく暴れている。
革命の時だ。
カイジのEゲームなら、地下労働も辞さず真っ先に奴隷カードを出す勢い。
ここがエスポワール号でなくてよかった。
もっとも、私はカイジではない。
ビールの美味しさも分からないし、土壇場で剃刀のように冴える頭脳も持っていない。
だからこそ、本当は意識して休むべきなのだ。
頭では分かっている。
だが欲望に忠実な身体は、スマホを離してくれない。
ポモドーロタイマーはどうした。
……何? アプリごとアンインストールした?
これはもう、お手上げだ。
今の私よ。
欲に眩んで、未来の私を前借りしすぎるなよ。




