#18 通知音で目が覚めた朝、小説が生まれていた
(2026/2/10)
昨日、久しぶりに小説を書いた。
新作『その言葉たちは違わない』。全八話ほどの短い連作で、日常の中で無意識に使っている“便利な言葉”たちを題材にしている。
考え始めたきっかけは、その便利さの裏にある不便さだった。
深く考えずに使える言葉ほど、思考を止めてしまうことがある。そんな違和感から書き始めたのだけれど、物語は自分の想像を越えた場所に着地してくれた。書いていて楽しかった、というのが正直な感想だ。
まだ推敲は十分ではない。これから手を入れていく余地も、きっとある。
そして今日の朝。
LINEの通知音で目が覚めた。
一度なら無視していたと思うが、ピコン、ピコン、ピコンと立て続けに鳴り続ける。夢の中に戻ろうとしていた意識を引き戻され、重たいまぶたを無理やり開いた。
友人が、私の作品を一話、二話と読んでくれて、感想を送ってきてくれていた。
その瞬間、頭が一気に冴えた。
ありがたい、という言葉では足りない。読んでもらえるだけでも十分なのに、言葉を返してもらえることが、こんなにも心を温めるものだとは思っていなかった。
創作を始めてよかった、と心から思えた朝だった。
冷たい空気さえ、少し優しく感じられた。
そのままの勢いで、処女作『柔く毀れる道標』の再編集に取りかかった。
どうすれば怪しくなるのか。どうすれば、読む人に“体感”してもらえるのか。考え続けた末、内容はほとんど変えず、構成の順番だけを入れ替えた。
なぜそうしたのか、理屈では説明できない。
けれど、こちらのほうが確実に作品に合っている。そんな確信だけがあり、手は止まらなかった。
自画自賛になるけれど、いい仕上がりだと思う。
誰かに読んでもらえなければ、この子たちは日の目を見ない。
――私の小説たちは、誰かの日常に、ちゃんと届くのだろうか。




