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#13 意欲の暴走と、置物になった私。

(2026/2/8)


「うつ期」の入り口をフラフラと彷徨っているこの期間、私の内側ではテンションの上がり下がりが極端に激しくなる。


 何かを書きたい。

 本も読みたいし、ギターも弾きたい。

 アニメも映画も網羅したいし、ゲームに没頭したい。

 勉強だって、筋トレだって、溜まった家事だって片付けたい。


 頭の中には、やりたいことのリストが無限に膨れ上がっていく。脳内だけは、世界を救えるほどのエネルギーに満ち溢れているのだ。


 けれど、その巨大な意欲とは裏腹に、身体は鉛のように重い。

 正確には、実行に伴うエネルギーの消費量を、脳が過剰に見積もって怯えているのかもしれない。一歩踏み出すためのコストが、今の私には高すぎるのだ。


 試しに、本を開いてみる。

 数ページなら読めるはずだという算段は、数行で打ち砕かれる。文字の上を目が滑り、内容が一切入ってこない。それは知性の宿った「文章」ではなく、ただの無機質な「模様の羅列」に見えてしまう。

 ならばと漫画を手に取っても、前のコマの内容が脳からこぼれ落ち、同じページを何度も往復する羽目になる。


 「やってもできない」という事実が突きつけられるたび、行動はさらに鈍っていく。


 「今日こそは違うかもしれない」という淡い希望が、無慈悲に崩される瞬間には、もう飽き飽きなのだ。期待するだけ無駄、という学習が私を置物に変えていく。


 どうやら今日は、「やらない」という選択をすることにすら、膨大な体力を要する日らしい。


 何もできない自分に絶望するのにも疲れた。

 今はただ、膨れ上がったやりたいことの死骸に囲まれながら、重力に従って静かに横たわっている。

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