守り方
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「さぁ、今日は防御方法を教えようか。じいちゃんは用事があるらしいからいないけど、呼べばすぐに来るから安心してな。」
朝陽は軽く肩をすくめながら、目の前の夢月にそう告げた。
夢月の夢の世界での特訓は二日目に入っていた。昨夜の白衣の人物の一件もあり、孝晴は同行していないようだった。そのことが気にならないわけではなかったが、今は目の前の訓練に集中するしかない。
「さて、今日は身の守り方を教えるんだが、実はこの訓練、やってみると結構面白いんだ。応用すれば攻撃にも転用できるし、ゲームみたいにやりこみ要素もある。だから肩の力を抜いて楽しむ気持ちでやってみよう。」
朝陽の言葉に、夢月は無言で頷いた。その表情にはやる気が満ち溢れている。
「まずは基本の防御手段――『ドーム』を作ることから始めよう。これは自分の周囲に球体のシールドのような物を展開する技術だ。慣れれば色々応用できる。とりあえず見ててくれ。」
そう言うと、朝陽の周囲に淡く光る球体が浮かび上がった。それは透明な膜のようでありながら、確かに彼を包み込む壁のようにも見える。
「えっ、これって自分で作れるんだ!」
驚きの声を上げる夢月に、朝陽は頷いてみせた。
「まぁ、夢の世界では無意識に使ってるからな。夢月もイメージしやすいはずだ。」
そう言って、自身のドームを消した朝陽が夢月のほうを振り返ると――
「できた! できたよ朝陽! 見て!」
なんと、夢月の体はすでにドームに包まれていた。
「……い、一発かよ。俺でさえ半日かかったのに。」
思わず絶句する朝陽をよそに、夢月は満面の笑みで自らの作り上げたドームを誇らしげに見つめていた。
「すごいね、これ!」
その無邪気な喜びように、朝陽は思わず苦笑した。
「……気を取り直して説明するぞ。ドームの中で最も重要なのは、想像力で空間を埋め尽くすことだ。」
「想像力?」
「そう。夢の世界で物を生み出すのに必要なのが想像力だ。ゲームとかでいう魔力に似ているかな。このドームの中なら、自分の意識次第でどこからでも何でも生み出せるようにできるんだ。例えば、傷を回復させる薬を作ったり、武器を生み出して身を守ったりな。」
「へぇー、つまりドームの中は自分だけの空間ってこと?」
「そういうことだ。そして、面白いのはこの能力を応用すれば、敵の行動を制限することもできるってことさ。」
「え?」
「例えば、敵ごとドームの中に閉じ込めるとどうなると思う?」
「……一対一にできるとか?」
「まぁそれもそうだが。敵は想像力を体の外に出す手段を奪われる。つまり、夢の世界で戦う上で最も重要な“創造”ができなくなるんだ。」
「それってめっちゃ有利じゃない!?領〇展開みたいな感じじゃん!」
「そうさ。ただし、ドームはそこまで万能じゃない。直接攻撃されると壊れるし、作ったときの強度次第ではすぐに破られることもある。」
「なるほどね……。じゃあ、どうやってドーム内を想像力で埋めるの?」
「簡単に言うと、自分からオーラを放出するイメージだ。空気を生み出すみたいな感覚で試してみるといい。これは個人差があるから、試行錯誤が必要だな。」
「やってみる!」
夢月は意気込むと、朝陽をドームの中に入れるほどの大きさにまで広げた。
「お、おいおい……。こんなにでかいドームを一瞬で作れるやつ、普通いないぞ……。」
またもや驚愕する朝陽。
「ははっ、これならすぐに使いこなせそう!」
夢月は自身の力に満足げに笑った。
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