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夢幻  作者: 小枝の小指
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夢の世界

今回は世界観の説明となっております。矛盾点があった場合訂正を行います。長文となっておりますがよろしくお願いします。

「よし、ここならいいだろう。」

 朝陽は人気のない校舎裏のベンチに腰を下ろし、夢月にも座るよう促した。


「じゃあ、お願いします。」

 夢月はベンチに座りながら、少し緊張した面持ちで朝陽を見つめ、話に耳を傾ける。


「まず、今いる世界を現実世界、あっちの世界を夢の世界とする。生き物のほとんどには精神体と肉体の二つが存在しているんだ。現実世界では、肉体に精神体が宿ることで活動が可能になるけど、夢の世界では精神体だけが活動できる。そして、この二つを繋げているのが脳だ。」

 朝陽は自分の頭を軽く叩きながら説明を続ける。


「要するに、肉体と精神体を繋げてるのが脳。脳が大事ってことが分かればいい。それで、肉体を休ませるための行為が睡眠で、精神体は肉体を離れ、夢の世界に行く。通常の睡眠では夢の世界にドームと呼ばれるものを作るんだ。それは小さなかまくらみたいなもので、その中で夢を見てるってわけ。精神体の記憶や感情、願いなんかがそのドームの中で形を作るんだよ。」


 夢月は少し驚いた顔で聞いているが、まだなんとか理解している様子だ。


「で、このドームは夢の世界の中にランダムに作られる。だから、時々ドーム同士が重なり合うことがあるんだ。そうなると、不安定になって夢が崩壊しやすくなる。崩壊直前の夢ってのは、悪夢になりがちなんだよな。悪夢には他にも原因があってな――」


 朝陽は指を三本立てて続けた。


「一つ目が、さっき言ったドームの重なりによる不安定さ。二つ目が、自分の感情が不安定で、嫌なものをドーム内に作り出しちゃうこと。これもよくある。最後の三つ目は、外的な影響によるもの。ドームの外から何かしらの力が加わると、不安定になって悪夢になることがあるんだ。」

「三つ目って……この間のやつ?」

「そうだ。この間の獏のせいで起きた悪夢がそれだよ。」


 夢月は先日の出来事を思い出し、真剣な目つきになっていた。


「ドームが崩壊すると、精神体は現実世界に引き戻されて目が覚める。それが普通だ。でも、大事なのは俺たちの存在についてだ。」


 朝陽は少し間を置き、夢月に視線を向けた。


「俺たちの特徴は、夢の世界でドームを作らずに自由に動けることだ。詳しい仕組みは後で話すけど、大事なのは何をしているかだ。俺たちは夢の世界で精神体を守る仕事をしてる。さっき言った悪夢ってのは、精神体に大きなダメージを与えるんだ。特に、外的要因での悪夢は精神体を破壊する危険性が高い。だから、夢の世界でドームを襲う生き物がいないか見張っている。他にも仕事はあるけど、それはまた後でいいだろう。」


「ふーん……」

 夢月は頷きながらも、ふと一つの疑問を思い出した。


「夢の世界にいる生き物って、どんなのがいるの?」

 この問いに、朝陽は少し困った表情を浮かべた。


「うーん、それがな……全部を確認したわけじゃないから、正直なんとも言えない。ただ、妖怪とかドラゴンとか、いわゆる架空の生き物が多いのは確かだ。昔話や伝説に出てくるものは、昔は夢の世界と現実世界の境界が曖昧だったから残ったんじゃないかとも言われてるけど、詳細はじいちゃんに聞いてみるといい。」


 興味深そうに朝陽の話を聞いていた夢月だったが、別の重要な質問を思い出した。


「そうだ!夢の世界で死ぬことってあるの?」

「あるよ。」


 朝陽の即答に、夢月は息を呑んだ。


「精神体は想像力で構成されているんだけど、想像力を完全に失うと消えてしまう。他にも、現実世界で事故なんかが起きて脳との繋がりを失うと、夢の世界に閉じ込められてしまう。そして、繋がりが切れると想像力が補給されないから、最終的に消えるんだ。」


 朝陽は一呼吸おいて続けた。


「ただ、普通は精神体が大きなダメージを受けると脳に引き戻されて目が覚める。だから、よっぽどのことがなければ死ぬことはない。ただし、大きな傷を受けすぎると精神が不安定になって、現実でも思考がまともにできなくなることもある。だから気をつけろよ。」


 夢月は話を聞き終え、少し肩を震わせたが、深く息を吸って覚悟を決めたようだった。


「……分かった。怖いけど、ちゃんと受け止めるよ。」

 彼女の言葉に、朝陽は安心したように頷いた。


 「じゃあ、そろそろ教室戻るか。」

 朝陽が立ち上がると、夢月も慌てて席を立った。


「あ、うん。……ていうか、ご飯食べ忘れてた!」

 夢月は鞄からお弁当を取り出すと、焦った様子で急いで蓋を開け、中身を口に詰め込み始めた。


「そんなに急ぐと喉詰まらせるぞ。」

 朝陽は苦笑いを浮かべながら夢月を一瞥し、そのまま教室へと向かって歩き出した。


「あふぁふぃ、まってー……!」

 夢月の言葉は食べ物でくぐもって聞き取りづらいが、追いかける気配もないため、朝陽は肩をすくめた。


 校舎裏に一人残り、昼休みをわずかでも有効活用しようとする夢月の姿を背に、朝陽は静かに教室へ戻っていった。

今回の「夢の世界」「想像力」は別の言葉に変わる可能性があります。良い案があったら教えていただけるとありがたいです

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