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冷たい雨の温度  作者: カキツバタ
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1. ヴィルフリード

こんにちは!

私の作品にご興味を抱いて下さり本当にありがとうございます。

お話によっては残酷表現が含まれるかと思いますがその場合はお話が始まる前にお知らせ致します。苦手な方はご注意下さい。

上手に書けないのでお恥ずかしい限りですが、それぞれの解釈にて少しでも希望を受け取って頂けると嬉しいです。


ご感想やブックマーク等々頂けると飛び上がって喜びます!三日三晩踊り続けます!

私は心がお豆腐のため、攻撃的、また、私自身や他の読者の皆様が心を痛める発言は静かに心に秘め、お控え下さい。

誤字脱字や言葉の間違いは腹心の友です。おめめに映ったらこっそりと優しくお教え下さいませ。



それでは、共に素敵な旅へと参りましょう!

 その日は、雨の気配の強い日だった。

 私は、その日―。



 とある小国にある、ごくごく平凡な町。

 人口はさほど多くなく、裕福ではない。けれども子供たちが一人残らず笑顔を忘れておらず、隣人同士も会話を交わす。

 そんな町の名は、レーゲンボーゲン。

 その町の本屋の次男として生を授けられた者が、一人。

 彼の両親はあまり表情の動かないタイプであるが、それを補って余りあるほどの深い愛情を持つ人たちだ。また、一家の長男のミランは思慮深く、長女であり第三子のアレッサは思いやりを大切にする子供たちである。


 「ヴィルフ、ヴィルフ、ヴィルフリード。起きて。この時期はお客さんが多いから、隣町までおつかいを頼まれてくれる?」



 さて、所も時も変わって、とある城下町の薬草処。

 路地裏にひっそりと佇むその店は、近寄りがたいが不思議と落ち着くような雰囲気を纏っていた。

 「ヴィルフ、ヴィルフ、ヴィルフリード。起きて。おつかい行ってきたよ。」

 「・・・・・。」

 「全っ然起きない! もういい!! ヴィルフの分までクッキー食べちゃおっと。」


 「おや、タブ。私の大好物を独り占めするだなんて。そんな子に育てた覚えはないのですけれど。困りましたね。」

 そう言って、およよと泣いている、長い黒髪を緩やかに束ねた長身のこの人、ヴィルフリード。何を隠そうこの人が僕の師匠だ。まあ実際、この人を師として仰いでいる事実なんて隠したいけど。何なら闇に葬り去りたい。

 泣いてるの、明らかに振りだし。泣き真似なんてして恥ずかしくないのだろうか、この人は。一見すると優しい紳士に見えるが、この人は変な奴だ。

 絶っっっっっ対に関わらない方が良いタイプの人間だ。

 師匠だけど。


 「私の愛するクッキーを食べちゃった犯人のタブ君。それ以外の比較的どうでもいいおつかいも済ませてきましたか?」

 「何なの!? 一言余計だよ。ヴィルフが声掛けても起きないのが悪いだろー。まあ良いけど!! いつもの光景だし!!」

 「まあまあ、そんなに怒らないで下さい。タブがおつかいをしてきてくれること、感謝しているんですよ。それに、私が起きなくても元気ならいっか、なんてことを思ってくれていることも知ってます。」


 何なんだ、こいつは。ニヤニヤしながら意味の分からないことを楽しそうに。


 「それで? タブはどうして悲しそうにしているんです?」

 「別に。いつも通りだよ。それよりヴィルフ。今回仕入れた薬草はもう棚に並べて良いの?」

 「良いですよ。ありがとう。今夜は赤飯ですね。」

 この国には、お祝い事の度に赤飯を食べる習慣があるが、絶対に違うと思う。10割方からかってる。

100%だ。


 「では、良い子のタブに店番を任せて、私は少し出掛けてきますね。」

「分かった。遅くならないようにしてくれよ。今夜は雨が降るみたいだから。」

 「ありがとう、タブ。夕時までには帰ってきますね。」

 「行ってらっしゃい。」

 「行ってきます。」



 まだ昼過ぎなのに空はどんよりと暗く、雨の気配を強く感じた。

 

今回登場した人物達の名前の意味です。


・「ヴィルフリード」  平和を強く望む

・「タブ」 光輝く

・「ミラン」 慈悲深い

・「アレッサ」 美しい魂

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