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NEXTIA  作者: 紅生太
3/3

3話最強の剣士

夏と言えばスイカ!スイカ、美味しいですよね!

皆さんはスイカに塩をつけて食べる派てますか?食べない派ですか?



それでは、第3話スタート。

ギルドにて~


「ねぇねぇ!どれが良いかな?」


「クエストなんかなんでもいいだろ?適当に選べよ」


「うーん、じゃあこれ!」


(しかし、自分は何者なんだろうか、ジヒドって奴も信用出来ないし何も思い出せない、一体この世界で何が起こっているんだ)


「んふふ、何ぼーっとしてるの?早く行くよ!」


「お、おう」






森の中~

「なあセレナ、今どこに向かってるんだ?木しかないぞ?」


「森の奥よ!」


そんな事はわかっている。


「何のクエストを選んだんだよ」


神速蜂しんそくばちの討伐!」


神速蜂しんそくばちってなんだよ!もっと簡単なやつにしろよ!目が合っただけで即死しそうな名前じゃねーか!」


「大丈夫よ!私がついてる...」


その時、1m程の太陽の光を反射して輝く黄金の蜂が一瞬で現れ、セレナが沢山の血を流して吹き飛ばされた。


「シシシシシシシシシ!キシシシシシシシ!」


「セレナ!大丈夫か?!」


神速蜂しんそくばちってのはお前か?生憎、お前をぶっ飛ばさないとこちとら明日の飯が手に入らないんだよ!」


神速蜂しんそくばちの体を全力で殴る、が、傷一つ付かなかった。


「キシャアアアアアアアアア!!」


矛の様な毒針に刺されてその場で倒れてしまった。


痛い、痛い、痛い、大量の血が体から溢れてくる。


「キシシシシシシシシシシシシ!!!」


神速蜂しんそくばちの鳴き声が、何故か笑っているように聴こえた。


「...まったく若いのう」


後ろから低い声が聴こえる


「まだ毒は完全に回ってないんじゃろ?自分達が遊ぶための金が欲しくてそいつに喧嘩を売ったなら、それはお主らのセンスが足りないって事じゃ、若い癖に情けないのう。」


「キシャアアアアアアアアア!!!」


「おお、悪かった悪かった、勝手に割り込んでおいて説教をしてしまって。」


「お詫びに美しい剣術を魅せてやろう、拍手の準備をしな」


「爺さん...危ないから逃げて.....」


言う頃には既に、神速蜂しんそくばちは老人を毒針で刺す準備をしていた。


「シャアアアアアアアアアアッ!!!」


そんな、関係ない人まで巻き込むなんて、すまない、すまない、すまない


げつ、月見で一杯。」


その時、音も無く神速蜂しんそくばちの体が真っ二つに斬られてしまった。


「わっはっは!見事な切り口!!!梅酒のツマミにもってこいじゃな!!!ああ!あっぱれあっぱれ!!!!!」


「わはは、いやあお主、大丈夫かのう?」


その頃にはもう俺の意識は無かった。


「年長者が話しておると言うのにまったく失礼な、どれどれ、診てやるか.....」


気が付くと俺は厠で寝ていた。


「気が付いたか?」


「ここは何処ですか?」


「儂の家じゃ、ひとまず名乗っておく、儂の名前は朧月ろうげつじゃ」


「セレナはどうなりましたか?」


「...悪いな、良いとは言えん」


「何故ですか?」


神速蜂しんそくばちの突進を食らったんじゃ、解毒剤は効かん」


「そんな」


「儂の知り合いに手術をしてもらうつもりじゃ、代金は儂が用意する」


「いいんですか、」


「あの時は酒を呑んでおってな、こんなに傷付いておるというのに酷い事を言ってしまった、このくらいはさせてくれ」


「...」


「どうした?大丈夫か?」


「ここを出たら沢山の魔物が居るんですよね」


「そうじゃな」


「剣術を教えて頂くことは出来ませんか?」


「いいのか?」


「はい、弟子入りさせて下さい、仲間を守りたいです」


「わかった、過酷だが耐えられるな?」


「はい」


「よし、それじゃあまずはお前に名前を与える、新月流は月に関連する名前を付けるのが伝統じゃ」


「承知しました」


「お前の名は今日から弦月げんげつじゃ」


「はい、ありがとうございます」


「それじゃあついてこい」


朧月は行った先の襖をゆっくり開けた、部屋の中には6歳位の子供が布団で寝ている。


「こやつがお前の道場仲間、十三夜月じゅうさんやづきじゃ、あだ名は栗助、お前より歳がかなり下だ、儂が忙しい時は見守ってやってくれ」


「はい、わかりました」


「そんでもってこいつが臥月がつき栗助の一個上じゃ」


「承知しました」


「隣の部屋にも居る。」


「名前は望月もちづきお前の一個下じゃ」


「はい、承知しました」


「お前の部屋は更に奥にする、今日はもう寝なさい」


「はい」


布団の中にはいる、1日ぶりだ


「あと、お前の看病をしたのは望月じゃよ、望月が寝た後に儂が隣で酒を飲んでただけじゃ。」


「そうなんですか」


後でお礼を言わないとな。


「儂はお前の刀を用意する、また明日。」


行ってしまった、あんなにわくわくしていたのに今日は散々だったな。


気絶していたから眠れないと思っていたがすぐに眠ってしまった。


「起きろ弦月、もう朝だぞ」


俺は飛び起きた


「朝食は皆食べておる、焼きししゃもと白米と味噌汁だ」


「おかしい、俺の2500Gがない。」


後で探すとして、朝食を食べに皆の所へ向かった。


ちびっ子2人は寝顔を見たから誰かわかる、だが横の綺麗な人は知らない。


「ああ、望月ちゃんだっけ」


思い出して自分の手をポンと叩いた


自分も座布団の上に座る。


「ふふふ、えへへ、んふふふふ」


なるほど、たぶん栗助が犯人か、だがまだまだ証拠が足りない。


「うわー!美味しそうだなぁ!いただきまーす!ん、ちょっと待って、あれ?俺の2500Gが無いぞ!?」


咄嗟に思いついた演技をすると、望月がくすくすと笑った。


「おれしらないよ!!!!!」


栗助が大声で言った、まあそうだろう。


「誰がそんな微妙な金額盗むんだよ笑」


臥月は栗助ほど怪しくない、が、許さない。


「よし!じゃあ皆が今欲しい物を言ってくれ!」

望月が刀の砥石

臥月が昆虫図鑑

栗助がうさぎのぬいぐるみ

が、欲しいらしい


まず砥石はだいたい5000Gくらいする、悔しいがこれでは金額が足りない。


臥月が昆虫図鑑、どの昆虫図鑑かわからないが、たぶん辞書くらい分厚いやつだろう、だとしたら4000G弱位はするはずだ、悔しい!だけどこれも足りない!


そして栗助がうさぎのぬいぐるみ、これはそこまで高くは無いはずだが出来栄えの良い奴なら2000G位するだろう、ビンゴだ。


そしてこの名推理を皆に話した


「なるほどなぁ〜」


全員がそう言った、朧月さんも含めて。


「栗助、街のチンピラみたいで凄く嫌なやり方だが1回立って3回位跳ねてくれ」


「いいよ!」


そう言うとピョンピョンピョンと飛び跳ねる


「チャリン、チャリン、チャリン」


朧月さんが咳をして言う


「栗助、稽古の時に話がある」


「」


栗助はその場で固まってしまった。


「ご馳走様でした」


いよいよ稽古の時間だ


「3人にはもう教えたが、剣術の流派は4つある、はなとりかぜつき、」


「それでは順番に技を1つづつ見せる、まずは1つ目」


朧月さんは腰を低くして、1本の丸太に向かって刀を構える。


、花見で一杯。」


上から刀を振り下ろし、丸太からピシッと音がする。


「パァァァァン!!!!!」


次の瞬間、丸太は粉々になってしまった


「次だ」


朧月さんは2本目の丸太を置いて、距離をとって刀を構える。


ちょう、軍鶏突き」


丸太の前まで走り、勢い良く丸太を突く。


「ドスッ」


すると、刀が入っていなくても丸太に穴が空いた


「次」


朧月さんは3つ目の丸太を置き、刀を構える


ふう、落ち葉舞」


今度は下から刀を切り上げると砂ぼこりが舞い、生きているかのようにズバズバと音を立てて丸太を傷付けまくる


「最後だ」


4つ目の丸太を前に置き、刀を構える


げつ、月見で一杯」


これは昨日見た技だ、次は意識がはっきりしている中、じっくり見つめる


同じ様に丸太を横に真っ二つにしたが、音が聴こえ無かった、切り口を見るとのこぎりで切ってやすりをかけた様に綺麗だった


「...あっぱれあっぱれ。」


刀を鞘にしまうと栗助の方を向く


「栗助、こっちに来なさい」


「」


子犬の様に目をキラキラさせていた栗助が固まってしまった


「いいから来なさい」


栗助の手を引いて道場の裏に行こうとする


「あ、そうだ、みんなは一旦素振りをするか、他の人に許可を得て一緒に木刀で手加減しながら戦ってみて下さい」


真剣に早口で言う、やはり昨日は酔っていたのだ。


すると固まった栗助を担いで行ってしまった。


「ちぇ、栗助が泥棒したせいで素振りかよ」


「臥月、そんな事言わないの、素振りしましょう」


望月の言う通りに俺も素振りを始めた。




次回へ続く

今回登場した魔物

神速蜂

硬くて速い、猛毒の使い手、まさに完璧な蜂である


今回登場した魔法、技

月見で一杯

日本刀で漢字の一を書くように斬る、月の剣術

熟練の剣士ならば大木を斬り倒してしまうシンプルだが強力な技。

新月流では大木の切り口が綺麗に切れているかどうかで、技の熟練度を見極める。

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