57 精神世界
白い世界───
最初に感じたのがそれだった。
「やあ主☆初めまして☆私は闇の精霊。そんでこっちが、」
「どうも。氷。私の魔力が貯まったから精神世界に連れてきた。」
「省きすぎだよ、氷の!主と夜様のピンチに気づいた自分が、氷のに魔力が貯まるまで渡して、起きた氷のが主を起こしたってワケ☆夜様もそろそろ来ると思うよ☆」
?? 何を言っているのです?
「おお、どこにもいないと思うたら此処に居たか、主。」
「、ルナさん……」
「どうした?妾はルナじゃが。……ああ、わけが分からぬのか。」
「ええー氷のよりは噛み砕いて説明したんだよ☆」
「そもそも氷のは口下手なんじゃから…氷のより詳しくとて幅がありすぎじゃ。主は子供。主の師位には上手い説明をして欲しいがな。」
「むぅー……主の師ってアヤノって方でしょう?あの方長生きしているから説明が上手いじゃん☆自分はまだ若輩者だからさ☆とゆーわけで夜様お願いします☆」
「…………」
コクコクと‘氷の’と呼ばれた精霊が首を振る。それを見てルナさんは、はぁ、とため息をつきながらも説明してくれた。
「此処は所謂、精神世界と言うやつじゃ。そこの氷の娘のな。精霊は皆自分の中にそれを持っておる。自らの地位……まぁ位置付けによって大きさは異なるが、自分の精神世界は自由に出来る。大きさは弄れぬが色や形、印象等を操作し、自らが許す者を中に入れる事が出来る。此処までは分かるか?」
首を縦に振る。
「精神世界は一定の魔力量が必要なのじゃ。まだ渡される魔力量は規定には達していなかったのだが……闇のが、主に渡された魔力を氷のに渡す事で規定量に達し、皆を連れてきたという事じゃ。妾のように高位の精霊は自由に出入り出来る。……とまぁ、此処までで良かろう。」
「……ありがとう」
氷の精霊さんがペコリと頭を下げる。
「……此処でなら、名前。」
「自分の精神世界に来れば主に名前をつけてもらえるって思ったんだよね☆あ、人化したほうが良いかなぁ……でも名前つけてもらった方が人化しやすいんだよね☆」
「名前……」
「なんなら妾が付けてやろうか?主からつけた方が成長しやすいのだがな。………はぁ…残念だ……折角の未来の同僚を妾が名付けることになろうとは……」
……大根だ
……………………ん?
「未来の同僚って?」
「そこの闇のと氷のは妾と同じ大精霊の弟子なのじゃ。分かりにくいか?精霊は上から大精霊、上位精霊、下位精霊と序列があっての。
精霊は皆長寿じゃが、それでも引退する事はある。だから自分の後継を育てる為に、若く聡明な精霊から弟子を選び、自分が引退する時にその弟子達の中から後継を選ぶのじゃ。」
「なるほど。上には上がいるって事ですね。」
「そゆこと☆でね、もっと強くなる為に名前が欲しいなーって………氷のどした?」
「…………時間」
「うわ、魔力切れる?……主が名前つけたら魔力少なくても色々出来るんだけどなぁー………」
「……………」
そんな期待した目で見ないで下さい……
「………ユウナ……ワカサ………」
「私はワカサ!」
キラーンって目が光った!人の目って光るんだ……
「よし☆私はユウナね。良い名前☆主ありがとう。所で、エルフの美青年が主の事呼んでるよ☆氷の……ワカサ、此処閉じてあげて☆」
「うん……名前ありがとう♪ちゃんと呼んでね。」
白い世界が黒く塗りつぶされていく。
白い“精神世界”から、闇に体が落ちる。その時何故か、並外れた美しさが垣間見える、一人の少年が見えた気がした。
ちょいと短いですね……
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