49 プロローグ
私はフィーユ・ルミスク。
由緒正しいロッサ王国公爵家令嬢です。ただいま、私よりも四つ程年が離れた子が、絡まれております。あの子は………私も通っている学園の制服を着ております。
おそらくですが、あの子が先生の言っていた特待生でしょう。
そして彼に絡んでいるあの男。貴族ですね。
「んで、なんでお前のようなチビ憎が、王国一の学園の制服を着ているんだぁ?こんなチビを入れる位、学園は落ちたって事かぁ?あぁ、俺は入らなくてよかったぜぇ!ヒャハハハ!」
何ですって?
「そのお言葉、聞き逃すわけにはいきません。」
「んだとコラァ!俺様に逆らうのかぁ!?」
「……!申し訳ありません!ルミスク令嬢様!!」
「学園が落ちたですって?貴方がチビと呼ぶその方が魔法の資質があるだけの事。それに加え、貴方は貴族。学園に入るか入らないかは、私達ではなく、学園がお決めになる事です。そして、学園は今でも王国一の学舎。侮辱しないで頂きたい。」
「うっ………」
「主様、此処は退いた方がよろしいかと。令嬢と言えども、公爵家。主様には分が悪いかと。」
「ふ、ふん!お前のような女は、婚約者に従っていれば良いんだよ!!」
駆けて逃げました。
今の時代、男尊女卑の貴族は………伯爵家ですね。
「大丈夫でしょうか?」
「あ、はい。えっと、お名前を、伺っても?」
「ええ。私はフィーユ・ルミスク。国立ハドシューン学園の一年生です。」
「ああ、そう言えばあの学園、そんな、名前だった。」
知らなかったのですね………特待生さん。
「特待生さん、貴方のお名前を、教えて頂けませんか?」
「そうですね、僕の名前は■■■」
? 聞き取れない……?
「も、もう一度お願いできますか?」
「はい、ツムギです。ツムギ・■■■■」
「???」
「ああ、すいません。聞き取れないですよね……僕の、事はツムギ、と呼んで下さい。」
ツムギ。覚えておくとしましょう。
それにしてもあの聞き取れなかった言語はどこの物かしら?魔族の言語?でも目の前の子供はヒト族。エルフの言語にしても何故覚える必要があるの?もしや新たな言語?どう開発するの?声帯を弄ったのかしら?でもリスクが………
「あの、ルミスク、様?」
「…………でも………あれ?………」
「ルミスク様!」
「ひゃ………コホン。何でもありません。貴方は何も見ておりません。」
「はい!僕は何も見ていません。」
笑顔~
日々のストレスが癒されます~
「………コホンコホン。所で、ツムギさんは何故此処にいらしたのです?」
「お貴族様にさん付けで呼ばれる程偉くありませんからっ呼び捨てで、お願いしますっ」
ふふ、可愛い。
「分かりました、ツムギ。それで、貴方は何故こちらに?此処は冒険者街。私達学園生にはまだ早いですよ?」
おそらくあの伯爵家嫡男は依頼をしにいらしたのでしょう。
「えっと、日課でして………姉の様なヒトを探しているのです。冒険者で、結構有名なヒトでしたから、こっちに、居れば、情報も入ってくると………」
姉のような方……?大切な方でしょうか?
「その方の、お名前は……?」
ツムギは悲しみが混じった笑みを浮かべて言った。
「アヤノ。僕の探し人は、Sランク冒険者「指導者」の、アヤノです。」
お読み頂きありがとうございます。
少々短いですね。




