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呪われし転生者  作者: 青いヒヨコ
第一章
49/66

47 昔は……


「…………さんっ………アヤノさん!」


………ユテアかな?

そんなに必死になっちゃってどうしたの?

私、寝てただけだよ?


「あ、あの、周りに、兵隊さんがっ」


弟君?

そんな冗談なんか言っちゃってぇ。

笑えないんだけど?ふふ。



「あいっ、たたた………」


あー、体が固くなっちゃった。まぁ子供二人抱いたまま木に寄りかかって寝たらそうなるか。

寒いの?保温魔法掛けといた筈なんだけどなぁ。



………現実逃避はやめるか。


「んで、君ら何?」


お揃いの服着た兵隊さん。あの制服は…………帝国かな?


「ふあぁぁ………私今最高に気分悪いんだけど。…………何の御用でこの辺鄙な場所までお出でになられたのでしょうか?」


ユテアにつねられたぁ。痛くないけど痛い。分かったよ。丁寧に話せばいいんでしょう?


「決まっている!!爆発が起こり駆けつけてみれば貴様らのような怪しい者が居た!!捕らえようとしてみれば訳のわからんモノで弾かれる!!だからこうして囲っているのだ!!!」


うるさい。寝起きの頭に響くからやめて欲しい。

私の可愛い弟君達も耳塞いでいるじゃんか。


「ええと?私達が怪しい者だと。えー………どこにあったかな…………あ、此方をご覧下さい。私のギルドカードです。」


あったあった。首に掛けといたんだった。


「なっSランクだと!?大陸に数名しかいないSランクが何故此処に!!」


ざわざわー ざわざわー



…………あれ?ヴァイヤさんの遺体どこいった?


「あ、アヤノさん。さっき、あの方々がヴァイヤさんを袋に、いれてました。」



は?



「おい。此処にあった男性の遺体、何処にやった?」


「あ?そんなもの森に捨てやったわ。それよりもそのギルドカード、偽物だろう?ギルドカードのフェイクは違法だぞ?!縄に付け!!」



そうかそうか。帝国はまだ人間至上主義なんだなぁ?



「くふっ。まだ魔族を馬鹿にするものが居たとは驚いた。なぁルナ、起きているだろう?子供を連れてさっさと下がれ。」


起き上がったルナがむすっとしてる。


「……ほどほどにするんじゃぞ。焼け野原にはするなよ。」


「あははっ分かってるよ♡お仕置きするだけだ。」


どんな方法がいいかなぁ。あ、前に隊員達がやってたのが良いかなぁ♡


色々鬱憤貯まってるんだよね。ストレス発散の時間

だぁ。


「此処まで来てくれて魔族を差別してくれてありがとう♡なんの憂いもなくお前らを殺せるよ♡私はカード見せたからね?その上で罵倒してくるんだから覚悟してね♡」


まずは隊長格を潰そ。


取りあえずー……手ぇちぎるか。


「ぎゃあああああああぁああぁ!!!!!」


「あははっこんなんでくたばんの!!帝国兵って脆いねぇ!!昔はもっと凛々しかったのに!!」


弱い。弱い弱い弱い!!



………ああ、昔の帝国兵は強かった。


職務に忠実で、真実を見つけて、然るべき処分を下す。

今の私の腕を持っていける位強かった。

魔族が他の国と戦争してたって、差別をしなかった。


いつからだっけ?

ああ、王が差別を始めたんだ。

当初は認められなかった。魔族には優しいヒトが多いからって。

でも、少しずつ浸透していった。


魔族が金を払わず逃げた。

魔族が魔法で物を奪った。

魔族が突然民間人を殺した。


段々と醜い噂が増えていった。

全部冤罪だった。貴族がやった事が魔族に押し付けられた。


近くの村に住んでいた父は、守っていた人達からの突然の攻撃に、逃げるしかなかった。


父を攻撃した村は、後に滅んだ。父が村を魔物から守っていたのに、その重要性に気づかずに魔物に襲われて無くなった。


その村を滅ぼそうとした私を、父は諭した。


「彼らはね、私を追い出すしかなかったんだ。何年も、何十年もかけて刷り込まれた認識が、只、間違っていただけ。彼らは悪くないんだよ。」



………差別が始まってから、帝国兵は、極端に弱くなった。不要な動きをし、無意味な訓練を行い、協調性なんてこれっぽっちも無くなった。

次第に良い指導者は国から離れ、無能が帝国中枢にのさばるようになった。



「弱いなぁ………すぐに死んじゃった。」



帝国は実力主義の筈なのに………あー、賄賂か。


…………………つまらない。


「ねえ父さん。帝国、滅ぼしても良いかな?」




聞こえる訳がない独り言を、血が彩る死体の山の頂上で、ポツリと呟いた。


お読み頂きありがとうございます。

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