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呪われし転生者  作者: 青いヒヨコ
第一章
45/66

43 何も分からない僕だけど


目の前に仮面を被ったヒトがいる。


僕は座り込んでいるから見上げる形になっていて、そのヒトの行動がすぐに分かる。


冒険者の人達が身に付けていた剣というものとは少し違う、刀身が反っているモノを鞘から抜いている。


分かった。

このヒトは僕と隣にいるヒトを殺す気なんだ。


でも、その事を僕は隣のヒトに伝えることが出来なかった。


震えていたんだ。


どうやっても止まることのない震え。


ああ、これは恐怖を感じているんだ。


剣のようなモノが振り下ろされるのが遅く見えた。



その時、僕の体は倒れた。

誰かに押された。隣のヒトか。


隣のヒトは僕を押して、僕が居た場所に座り込んで笑った。


「良かった、これでアヤノさんに褒めてもらえる。」


隣のヒトはそう言っていた。


僕は隣のヒトを殺そうとしている仮面のヒトを見た。────笑っていた。

仮面で口元が見えないけど、笑っていた。


コイツは、隣のヒトが僕を庇うと分かっていて僕を狙ったのか。


目の前が熱くなった。体が叫んでいた。


これは怒りか。


手を出した。隣のヒトに振り下ろされる刃を受け止めた。


手のひらが熱かった。熱い部分から赤い液体が出てきた。


痛い。



もちろん、仮面のヒトが僕みたいな子供の小さな妨害で止まるハズもなく、僕の手ごと隣のヒトを切ろうとした。


片方の手を出した。


隣のヒトの様な華奢な女の子が僕を守ってくれたんだ。両手ぐらい、どうにでもなれ!



刃が止まった。


僕の妨害がうるさく感じたのか、僕に狙いを定めてきた。


そう、それでいい。


僕は武器も何も持っていない。

けれど身を挺してヒトを守る位はできる。



刃が僕に振り下ろされる。

さっき僕を守ってくれたヒトは仮面のヒトの後ろ。だから僕を押して庇う事は出来ない。



これでいいんだ。


こうやって時間を稼げば誰か来てくれる。


彼女が言っていたアヤノさんというヒトも、ルナさんも、来てくれる。


けれど、もう一人。


今すぐにでも来てほしかったな。


目の前に迫った刃が、もっと近づいてくる。


ぎゅっと目を閉じて少女の今後の幸せを願った。


………僕らしくもないな。






ガキィィィン─────







金属がもっと固いものに擦れるような音がした。


仮面のヒトの刃が来なかった。


僕はおそるおそる目を開けた。

するとそこには─────────




「ユテア君を守ったね。よくやった、少年。」



白髪の、綺麗な男性がいたんだ。


やっぱ短いですよね。次は比較的長めにしますんでどうか御容赦を(((^_^;)


お読み頂きありがとうございます。

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