42 僕が悪いから
大きな爆発があった。
山を何度か越さなければならない程遠い場所からでも見えた。
頭で考えるより先に体が動いた。
爆発の方向へ走っている時に分かった。
そうか。
あの方向は、アヤノから預かった子供が居る、私の家か。
◆◆◆◆
side ルナ
アヤノは賢い。だから、爆発の前兆にもすぐに気づいた。
妾は気づかなかったというのに。
爆発は大きかった。
前兆に気づき、妾が子供二人を抱えてすぐにその場を離れても、その爆風は木を薙ぎ倒し、逃げる妾達にまで届いた。
離れていてもあの子は持ち前の頭脳で爆発や妾達の行動を分析するだろう。
そして、気づくだろう。
妾が子供を盾にするような愚行をせず、子供らに覆い被さるようにしていることで気絶し、その後は守ってやれないということを───
◆◆◆◆
side 主
アヤノさんが珍しく取り乱していた。
外へ出ろと言われたけど、僕は動けなかった。アヤノさんの叫びへの驚きと、恐怖。
何故?
ずっとそれしか考えられなかった。
何故そんなにも叫ぶのです?
何故そんなにも焦っているのです?
何故そんなにも苦しそうなのです?
何故そんなにも驚いているのです?
何故、何故、
何故───
───ああ、そうか。
僕が悪いんだ。
僕が弱いから叫ぶんだ
僕が弱いから焦るんだ
僕が弱いから苦しそうなんだ
僕が弱いから──
ルナさんが血を流しているんだ。
「ルナさん!?ルナさん!!」
隣で誰かが叫んでいる。
僕はそれを見ていることしか出来ない。弱いから。
だから、目の前に仮面を被ったヒトがいても、驚いても、怖くても、何も言えない。
何も、感じ取れない。
唯、心が警報を鳴らしているだけ。
僕は、何も出来ない。
短くてすいません。
お読み頂きありがとうございます。




