37 精霊に愛された少年と精霊
「リ、ミント……?」
ベッドに横たわる少年はそう呟いた。
『お、お主……!』
「だ、れ…?」
突如聞こえてきた声に少年は耳を傾けた。
『わ、妾は夜の精霊じゃ。そ、それよりも!リミントと言ったなお主!なぜお主があの小僧の名を知っている!』
「え…?あな、たが、はやくもどってこい、て言った、じゃない」
『ひょわっ!?』
少年はたどたどしくも、冷静に返事をした。[夜の精霊]と名乗ったのはふわふわと浮いている紫色の物体だった。
変な声を上げつつも、精霊と名乗るモノは次の質問をした。
『お、お主は妾の思考を読み取れるのか?』
「い、や、頭に、響いてきた、声が、そう言、っていた、だけ」
『ふ、ふむ。なるほど……ちなみにどこから響いてきた?』
「………………『ああ、可哀想だ』の、ところ、で最後の、方は聞こ、えなかった。」
『ふ、ふむ!と、ところで!お主はなぜそんな禍々しいモノをつけている……?』
「禍々し、い?」
おもいっきり話を変えた。すごく分かりやすい。
『うむ!生来のモノか、それより前のモノか、妾にだけ見えるのか?』
「多分、アヤノさ、んが言って、いた、呪い、だと思、う。」
『…………アヤノが……そうか…』
「?貴女は、見える、の?」
『うむ、妾は高位の精霊じゃからな!そういった感情には鋭いのじゃ!』
「なる、ほど?」
子供は首をかしげながら質問をした。
「僕からも、質問。さっき、ヴァイヤさん、っていうヒトの、思考が僕に、響いてき、たの。なんで?」
『それはじゃな、妾がお主を気に入り、力を渡したが故に、妾の力がお主に移ったのじゃ。極一部じゃがな。』
「力が、移った?」
『うむ。分かりにくいかの?妾はな、闇に属する夜の精霊である。感情に敏感な夜の精霊は思考を読むことに長けておるのじゃ。』
「なるほど、夜の精霊は、思考を、読むこ、とに、長けている。あ」
『そうじゃな、そこの娘!入ってくるがよい!精霊について妾が教鞭を取ってやろう!』
こそこそと(言い方は悪いが……)していた蒼い髪の持ち主はビクリとし、ツインテールが揺れている。
「ユ、テアさんも、精霊、が見え、るんだ?」
「え、ええ、見えますわ。それより、弟さんは大丈夫ですの?」
『問題はない。少々妾達の気に押されただけじゃ。動きに支障は無いが、言語に関しては……すまぬな。』
「そう、ですの……………。あ、弟さん、ヴァイヤさんは「アヤノを呼ぶ」と言って家を出ました。すぐに戻ってくる、と仰いましたが……アヤノさんでも一時間程掛かりますのに……」
『大丈夫なのじゃ!………あ。お、おそらくは、じゃがな。』
「? まあ、いいや」
「そうですわね。ヴァイヤさんですし。あ!精霊様!教鞭を取って頂けるとの事ですが!」
『うむ!よいぞ!……じゃが、まぁ……ヒト型にするか……』
そう言った直後、ふわふわと点滅したり左右に揺れたりで感情を表していた光のあった場所に煙が出てきた。
そして煙が消えたあと、そこにはなぜか、ゴスロリメイド服を着た目付きの鋭い女性が立っていた。
「「なんで………?」」
「? いや、妾の前の契約者の周りにはこのような格好をした者が多かったからのぅ。少々色を変えて着てみたのじゃ。どうじゃ?良かろう?」
「いや、まぁ……可愛いとは思いますわ…………あれ?ということはその前の契約者さんは貴族だったのですか?」
「あー…………うむ、そんなもんじゃ。妾はここ最近契約者を作らなかったからのぅ。知らぬ名だと思うぞ。」
「そう、それで、授業を、してもら、っても、いい?」
「うむ、では精霊の種類から始めるとするか。」
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