33 子供は憂鬱
二年程が経ちました。
え?いつから?
ああ、僕がヴァイヤさんに預けられた頃からです。僕は六歳、ユテアさんは十歳になりました。
名を付けてもいい歳まであと一年。
そんな、普通の子供達がウキウキするような頃ですが、僕は一つ、気掛かりな事がありました。
アヤノさんです。
僕とユテアさんをヴァイヤさんに預けてそれっきり会っていません。
ヴァイヤさんは「仕事が長引いているだけ。」と、取り合ってもくれません。
ユテアさんも初めの一年位は笑っていましたが、最近は心配そうな表情を見せることが多く、笑顔を見ることが減ってきました。
暗い、ですよね………自分でも分かっています。
顔くらい見せてくれたっていいのに………
あ、そういえば、ヴァイヤさんは鬼です。厳しいです。そして、強いです。僕とユテアさんが全力で掛かっても、すぐに地面が目の前にあります。
ヴァイヤさん曰く、「少なくともアヤノの弟子よりは強いよ。」だそうです。……ノアさんよりも強いんですか………
みっちり鍛えられました。そのお陰で、僕の二倍の背丈くらいの木は軽々持ち上げることが出来ました。
ユテアさんも棒術?(と言っていいのでしょうか)が強くなりました。足を引っ掻けたり、首を叩いて気絶させたりと………ユテアさん、王女様ですよね?
そういった肉体系の技術に加え、最近は魔法も教えてもらっています。
「魔力は誰にでもある。その源は心臓であり、全身に流れている。」だそうです。血液の様に全身に張り巡らされているようです。
ヴァイヤさんが魔力というものを自分達に流してくれて、コツが掴めました。
魔力は魔法を使う上で一番重要な存在で、あちこちにいる精霊達に魔力をあげて、初めて、魔法を使えるのだとか。
今日はその精霊を見て、出来れば契約まで持っていくそうです。
契約とは、あちこちにいる精霊のなかで、契約者を優遇?してくれる感じの。だそうです。
僕たちがよく分かっていなかったのでヴァイヤさんが丁寧に教えてくれました。
「普通の精霊は、魔力を必要としないけど、おいしいとは感じるらしい。だから、その美味しい魔力を貰えばもらうほど頑張れる、といった感じで、精霊が頑張る程イメージに近づく。」
「なるほど。魔力の量で頭の中のイメージに近付けるのを頑張るか決める感じですね。」
「ああ。契約した精霊は契約者を優遇する。近くにいるだけで漏れだす魔力が分け与えられるからね。普段も与えられる分、精霊達はやる気を出す。」
「な、なるほど……?よくは分かりませんが、大方理解しましたわ。」
………ユテアさん……………矛盾しています………。
「ちなみに、精霊は魔法と同じく属性があり、火、水、雷、土、風の大きく分けて五種類。その他にも色々あるけど、聞きたいかい?」
「あーっと!大丈夫ですわ!それよりも日が暮れてしまいます!早く精霊探しを行いましょう!」
見ると日が西側にあった。確かに日が暮れてしまいそうだ。
「分かった。そうだね。そろそろ多くなる時間だ。では二人とも。魔力を目に流してごらん。ゆっくりと。」
言われた通りに魔力を目に流す。ちょっと違和感があるけど慣れてきた。……あれ──────────
パチンッ
何?今の音?
右目が痛い。何で?
あれ?ヴァイヤさんとユテアさんが叫んでる
何だろう
僕、何かしましたか?
僕は、悪い子ですか?
二人とも、傷ついていませんよね?
大丈夫ですよね?
僕は─────悪い子じゃありませんよね?
僕は──────────
ふらりと景色が暗転し僕はなにも見えなくなった。
お読み頂きありがとうございます。
アヤノの方は少しお休みです。




