27 筆頭さん
「暗影部隊筆頭アヤノ、馳せ参じました。何なりと御命令を。」
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「ノアさん………アヤノさんは何のお話をされているのでしょう。」
ユテアがノアの腕の中で発言する。
ノアは止まり、
「休憩にしようか。」
ノア達は休憩をしている。木の上で。
「ああ、姉さんが何の話をしているのか、だったね。………………………仕事だよ………………。」
「仕事………ですか?アヤノさんが?」
「うん………姉さんにしか出来ない………私達も止めたさ。それでも………姉さんは………………!」
ノアは悲痛な顔をしながら子供達に配慮してあまり大声を出さなかった。唇を噛み締め、何かに耐えている。
「姉さんは………『約束』だと言っていた…………姉さんは…………!!……………何で………………私達に…………何も相談してくれないの……………………?」
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「用件は、貴族の抹殺だ。」
「承りました。対象はカーバン·マークトスで宜しいでしょうか。」
「ああ。それと…………ある冒険者。」
「承りました。対象はギイヤ·ナーマルで宜しいでしょうか。」
アヤノは淡々と話す。
その黒い瞳に映っているのは何なのか…………
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アタシはアリス。
暗影部隊の一員よ。
暗影部隊は法では裁けない者を処分する。
その名の通り影の部隊。
アタシは十年以上この仕事を続けているわ。
今何歳か、って? そうね………二十五歳位かしらね。
アタシをこの部隊に拾ってくれたのが筆頭だわ。
筆頭は謎が多い人物。女性だということと、長命種同士のハーフなのは分かっているわ。それ以外が何も分からない、不思議なヒト。
前に仕事終わりに飲みに誘ったことがあったわ。
だいぶ渋っていたけど、部下全員で頼み込んで、ようやく了承を得て、飲みに来てくれたわ。
お酒一杯飲ませて、酔っぱらわせた所で質問攻めをしたわ。
何年続けているのか、普段は何をしているのか、筆頭になる前は何をしていたのか、どう鍛えているのか、何歳なのか、恋人はいるのか、とか。
いろいろあったけど最後のはおかしいわよね?
丁寧に答えてくれたわ。
暗影部隊をかれこれ五十年は続けている、普段は孤児の面倒を見ている、筆頭になる前は色々研究していた、孤児の面倒を見ている内に自然と鍛えられている、何歳かって聞いた奴は後でボコられていたわ。
あれ?結構筆頭のことを知っているわね。
一番印象に残ったのは恋人はいるのか、の質問ね。
筆頭はこう答えたわ。
「私に愛は必要ない。どうせ傷つけて返してしまう。けど、貴方達が困っているなら相談に乗るよ。」って。
筆頭は悲しそうだったわ。
過去に何かあったのでしょうね。
微妙な雰囲気になっちゃったけど、筆頭が二杯目飲んでぶっ倒れて、てんやわんやでその時は忘れてしまっていたわ。
…………質問の答えが本当かは分からない。
けど、必ず暗影部隊の心には刻まれたでしょうね。
そんな筆頭は今、淡々と対象の確認をしている。
一人は私達に回ってくる。筆頭は必ずそうする。
対象が二人いたら簡単なのは隊員に回して、自分は新人を連れて難しい方へ行く。けど……
「全員アリスについていけ。冒険者は私がやる。今まで任せた中でも難しい方だ。自分が未熟だと感じている奴はアリスから技術を奪え。失敗は許されん。以上だ。」
初めてだったわ。
全員を任されることなんて無かった。
最低でも二人は連れていっていた。
怖かった。それだけ危険なのか。
任される嬉しさよりも筆頭が遠くへ行ってしまうのかと思った。
それは当たった。
筆頭はその仕事を受けた後、姿を消した。
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