26 アヤノは黒だ!
「姉です。」
「はい?」
「だから姉です。」
アヤノはニッコリとしながらキッパリ言った。
「あ、姉ですか………?で、ですが王の御家族ならば継承権問題が付きもの………!なのに何故貴女の名前は出てこないのですか………?!」
「ああ。私は百年程前の王を手助けをしたもので………代々の王を裏から助け、デューアに出会い、姉として接しているだけです。ちなみに真偽は先代に確認して下さいな。」
「そ、そうですか………」
もちろん先代といえど王に確認出来るわけがない。それも「アヤノという者が王を手伝っていたというのは本当ですか」なんて。
「それで?カーバンよ。言いたいことは言えたのか?もう無いのなら私からは何も言わぬ。」
「そ、それは………!………………………いえ、何でもありません。話をお続け下さい。」
「うむ。えー……………どこまでだったか…………」
「デューアが付いてったらジークの休暇じゃなくなる。」
「ああ、そうだったそうだった。ゴホン。ジーク、些細なことで良い。休暇中に見て今までと違った点があれば報告せよ。そして姉………アヤノよ。御苦労だった。」
「「はっ」」
アヤノとジークの声が重なる。
そしてデューアは退室し、他の貴族達も退室していった。
カーバンはアヤノを睨んで出ていき、ターテはアヤノに一礼して出ていった。
ジークはアヤノに近付いてきて、
「仕事の依頼です。後程、お話を。」
アヤノはニッコリとしていた顔を無にして頷いた。
―――――――――――――――――――――――――
「私はまだお話があるから走って森に戻っててね。引率お願い、ノア。」
「………分かった~」
アヤノがニッコリとしながら言うからノアもニッコリとして答えた。
「ん?嫌なら子供だけ転移させるけど。」
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ………三人で走って帰ります。」
「よろしい。」
ノアは それだけは勘弁、といった風に拒否し、「ほら、帰るよ」と急いで子供を抱え、立ち去った。
ピュー(‘ー‘)/~~
といった感じで。
アヤノはニッコーリしていた顔を無に変え、パチン、と指を鳴らした。
するとそれまで楽なパーカーだった服が全身黒の服にローブ(黒)という真っ黒な格好へと変わった。
そして街の方向へ空を跳んで向かった。
街上では黒ずくめの服装は目立ちそうだが、誰も気にしない。時々上を見る者もいるのだが、アヤノには気付かない。
誰にも気付かれぬまま、城へとたどり着いたアヤノは、口論になった(?)兵を素通りし、迷い無い足取りで宰相が居る執務室へ向かった。
そこは閉め切られ、ジークの前に黒ずくめの者がいる。黒ずくめの者らの前でアヤノは発言した。
「暗影部隊筆頭アヤノ、馳せ参じました。何なりと御命令を。」
お読み頂きありがとうございます。
感想お願いします。




