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呪われし転生者  作者: 青いヒヨコ
第一章
22/66

21 みんなボロボロ


「ハアッ、ハアッ、ングッ、ハアッ」


「ハー、ハー、ハー、ケホッ」


山奥で二人の子供が過呼吸に陥っていた。

王女ユテアと呪われた子供である。


二人は今、絶賛かくれんぼ中である。二人は鬼の方だが。


どうしてこうなったのか。


少し時間を遡ろう。





ー朝ー


「はよー」


「おはよー姉さん。随分早いねぇ。」


「ノアの方が早いでしょ。何故に?」


「毎朝運動してるから。」


「へー。あの子らは?」


「柵立てて弱い魔物放り込んで戦わせてる。結界で倒すまで出てこれないけどもうすぐ出てくるっしょ。」


戸が開き、子共が倒れこんできた。


「た、ただいま戻りました……!あ……おはようございます、アヤノさん……。」


「お、おきたんですね、ねえさん。おはようございます。」


「おー、二人共ボロボロだねぇ。おはよー。」


アヤノは椅子に座って呑気に返事をした。


「おはよーさん。二人とも、朝食できたから座りなさい。」


二人が座ったのを見てノアはにっこりしながら皿を置き、二人の肩をポン、と叩いた。

するとあちこちにあった傷が癒え、子供二人は驚き、大人……?二人は当たり前かのように「いただきます」と声を揃えて言っていた。


「ちょ、ちょっと待って下さい二人共。え?今のって回復魔法ですか?何故ココに神官様が?何で弟君は落ち着いているのですか?」


「ユテア、二つ訂正。一つ、今のは回復魔法じゃない。二つ、ノアは神官じゃない。」


「ぼくがおちついているりゆうはねえさんがおちついているからです。」


「おーユテアちゃんって言うんだー。今のはねー、デューアにでも教えてもらいなー。姉さんの秘密は教えないだろうけどー。」


三人共ニコニコ笑いながら喋った。


ユテアが「そっか……常識人は私だけですか……」


「心外だねぇ。私は皆を助けているだけ。その方法や助けるヒトが違うだけで根本的な部分は変わらない。まぁ極め過ぎて常識がワケわかんなくなっているところは認めるよ?」


「姉さん強すぎるのに何でSランクになんないのだろうとか思ってるけどね。」


「指名依頼がこれ以上めんどくさくなるのが嫌。」


「え?確か冒険者に依頼するときの注意事項に『Sランクに無理矢理依頼を受けさせる事を禁ずる』とかありませんでした?父上様からもそこら辺は気を付けるよう言われてました。」


「え゛………えーと………ノア、マジで?」


「え?あぁハイ。そういえばSランクになってから指名が減ったなぁとか思ってましたね。」


「ええ~マジで~?…………分かった。じゃあSランク試験受けてくる。宿題を二人に言い渡します。ノアとかくれんぼをしなさい。私が戻って来る前に見つける事。それじゃ、頑張って~。」


そう言ってアヤノは出ていった。


「姉さん…………まぁいいか。いつものこと、いつものこと。……………よし!やりますか。じゃあ君たちで私を見つけられたら君たちの勝ち。君たちで倒せない魔物が出たら助けてあげる。朝に念の為に立てた柵を使おう。私は柵の外にでないよ。」


「「分かりました。」」


「じゃあ30秒数えたらスタート。ちゃんと見つけてね♪」


そう言って楽しそうに戸から出ていったノアを見送ると二人は作戦会議を始めた。


「ノアさんは「魔物が出たら助けてあげる」と言いました。つまり、私達をじっくり見れる位置にいると思うんです。」


「なるほど。じゃあはしりまわりましょう。ノアさんといえど、つかれておとをだすはずです。ぼくらもつかれますがね。」


「よし。その案で行きましょう。」


ピピピピピピピピ


「「うわぁ?!」」


『時間ダヨ時間ダヨ。ホラ、さっさと見つけにおいで。何時でも君達の傍にいル。』


((悪意がありすぎる。))


「じゃあ行きましょうか……。」


「ハイ………」


最初に戻る。

結局二人は「アヤノの教え子」を舐めすぎたのだ。


そこへ、


「グルルルルルルルルルルルルル…………」


Sランクの魔物がやって来た。


「ヤッバ。」


絶望していた二人に聞き覚えのある声がした。


「「ノ、ノアさん………」」


「まさか私もSランクの魔物が出るとは思わなかったよ……私は負けだね。」


そう言いながらノアは魔物を瞬殺した。

ニコニコ笑いながら。


「やった……!魔物さんありがとうございます……。」


「ん?いま「わたしは」っていいましたか?」


「うん。言ったよ?5分くらい前にねー。姉さんから念話が来てね?」



『めちゃくちゃ速く終わったから参加するよ。ノアを含めて三人で探してね。日が暮れる前までに見つけてね。ノアでも倒せない魔物は出るとは思えないけど、やばかったら固定してあげる。じゃ。』と、上手いのかよく分からない声真似で言った。


「あ。『柵の外には出ないよ』だって。まぁ無理だろうけど頑張るか。」


「「はーい………………」」


「姉さんはね、仲間の位置が特定できるから私のように見ている必要も無いんだよね。ヤバくても姉さんは遠くからでも援助出来るから………まぁ、近くには来るだろうけど。」


「それとね」と気が抜けた、絶望した様子で続けた。


「姉さんが本気だったら教え子全員で探しても見つからないのだよねぇ。」


「え、それはもうねえさんがほんきじゃないことをいのるだけじゃないですか。」


「そうなんだよ。ただ、姉さんは動くことはないからしらみ潰しに探せば良いんだけど………三人だとねぇ……………。」


「……………あ!探知魔法を使えば良いのでは?」


「…………姉さん、何故か探知魔法に引っ掛からないのだよ。怖い。」


「え………もううつてないじゃないですか。」


『まだ探しに来ないのー?』


つまらなくなったアヤノからの念話が来た。


『ねぇまだー?私寝るよー?』


「分かったよー行きますよぉ………見つけたら姉さん手作りの上級魔法教えてね。」


『分かりましたよー。はーやーくーねー。』



かくれんぼを開始したのだが、結局見つけることはできず、アヤノの親友に力を借りたのだった。

お読み頂きありがとうございます。


今更ですが気づきました。





名前に「ア」が多いですね。

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