表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われし転生者  作者: 青いヒヨコ
第一章
2/66

1 呪われている


「君、呪われているよね」


 ケタケタ笑いながら言われました。


「いやぁ久しぶりに見たよ。こんなに黒い子は。」


 まだ、笑っています。


 黒い子?呪われている?


 それを言うのなら、貴女こそ黒髪黒目ではないですか。


 そうも思いましたが、僕は何も言えずポカンとしていました。

 

 「呪われている」と、


 こんなにもはっきりと言われたのは、()()()()な気がするのです。

僕はまだ4歳なのに。ずっと家に引きこもっていたのに。



━━━━━


 僕は1歳の頃から言葉を話せました。

 なんとなく分かっていました。

 ドンドンと外国語を覚えました。

 魔法陣だって細部まで覚えました。

 

 ……そんな僕を周りは「てんさい」と呼び──




 ───恐れました。



 何故か、僕の周りは血を流すのです。

 捻挫は当たり前で骨折、欠損、時には死んでしまうのです。


 (おとし)められ、(けな)され、罵倒(ばとう)されました。両親からは「生まなければよかった」とまで言われました。


 もう誰も怪我をさせたくない、殺したくない。

 そう思って僕は引きこもりました。


 僕がいるから物が壊される。

 僕がいるから両親は傷つけられる。

 僕がいるから皆が傷付く。



……僕は生きてていいのかとすら思いました。



 

━━━━━



 僕が生まれてから一度も「呪われている」なんて言われたことは無いのです。

 だから、「ひさしぶり」などと思うはずがないのです。


 怖かったけど、聞きました。


「僕は……呪われているのですか?」


「うん」


 淡白です。

 でもこれではっきりしました。

 体質じゃない、呪いなんです。


「解けることはないけど、呪いを制御する方法を、教えてあげようか?解くことは()()()()のだけどね。」



 いいのでしょうか。

 ……でも、この人を呪ってしまうかもしれない。

 そう考えた僕はゆっくりと首を振りました。


「あれ?いいの?私を呪ってしまうかも、とは考えなくていいよ?今の君に私は()()()()。私が君を呪うことも無い。」


 本当に、いいのでしょうか。でも、この人なら本当に大丈夫な気がしました。


「おいで、少年。私が救ってあげよう。」


 ……手を、差しのべてくれました。初めてでした。


 この人なら、ついていっても良いかもしれないと感じました。






「………お願いします」


 そう言って僕は手を取りました。





 僕は旅に出ようと思います。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ