9 見た目だけじゃ分からない優しい人
「あれが、水の都と呼ばれる都市、『フォタルム
』だよ。」
時速50キロ程で早歩き(アヤノさんだけ)してきた僕たちは近くの山から都市を見下ろした。
「ッ。アヤノさんっ、あれ、前、街って、言ってました、よねっ。」
「あー、うん。別に変わんないよね?」
結構変わりますよ規模が。想像してたよりもでかい。
「アヤノさん僕、基本的なこと、全然知らないです。どうしましょう。」
「あー……知らなくていいよ。この国の普通の4歳児は外出ないから。」
「なるほど。出入りのなんか証明書とか持ってないんですけど。」
「大丈夫。私のがあるから。」
········僕、役に立たない……
っていうかいつの間に列に並んだんだろう。
「おいオネーチャンよお。何でこんなガキと並んでんだぁ?」
アヤノさん!柄の悪そうな人たちに声かけられましたよ!何故そんなにも平然としているんですかっ!
「オネーチャンみたいな綺麗な人とこんな小さなガキでいたらアブねーじゃねーかよぉ。大丈夫かぁ?」
いい人だった!!物凄くいい人だった!!
ごめんなさいっ!見た目だけで判断して!
「ん~?ありがとね、心配してくれて。大丈夫だよ?これでも高ランクの冒険者だからね。」
「おう。そうかぁ。じゃあ大丈夫かぁ。頑張れよぉ。」
「うん。ありがとね。そちらこそ、魔物狩り頑張ってね。」
そう言うとアヤノさんは男の人の手のひらに星を書いた。
「なんだ?これ。」
「ああ。私の一族に伝わるおまじない。心配してくれた優しい人にはしなさい、って母が言ってたからね。気を付けなよ。」
「おお、ありがとよ。じゃあな。」
そう言うやり取りをして男の人達は去って行って、順番が回ってきた。
「何か自分の証明になるものを出してくれ。」
「はい、これ。」
そう言ってアヤノさんは金色のカードを出した。門番の人は目を見開いた後、
「どうぞ、お通り下さい。」
態度を変えて言ってきた。あれは何なのだろう。
「待って下さい。その子供は?」
「ああ、拾った子だよ。私の手で育てようかと思ってね。」
「そうですか。では、ようこそ水の都フォタルムへ。」
何故か門番さんに気の毒そうな目を向けられながら水の都に入ることが出来たのだった。
何故だろう。
お読み頂きありがとうございます。
ちょっとテンションがおかしかった主人公君でしたww
次がアヤノ視点でいきたいと思います。




