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ここって部活でしたよね?~怪異にスローライフを粉砕されたんですが~  作者: ゆうみん
第弐章 山と電子の乙女と学園と傭兵たち~side:I chapter1
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第拾漆話 はっちゃけ創作ガールと愉快な学生生活

 

 えー、現場からお送りいたします。


「ってめえああああああ!! もし拡散されてたらどーすっべゴルァぁぁぁぁぁ!!!!」

 藍原くん、掴んだー!!??


「何回止めたと思ってるんだバカヤロぉぉぉぉぉ!!!!」

 ひ、膝蹴りー!!??


「即売会に出す同人誌のネタをゴシップ誌の記者みたいな方法でつかむなああああああ!!!!」

 投げたぁぁぁ!!!!!!


 ……待て待て、女の子にしていい仕打ちじゃないよこれ!?


「……ごふう……なかなか、いいコンボを決めるじゃあないの……」

 ……待って、ここまでされて爽やかな笑顔って……

 まさか、僕と同類(ドМ)か!!??


「こいつはお前とは違って、へんちくりんな体質が原因なんだよなあ……

 あ、こいつの名前は九重三喜(ここのえみき)っていう。変わってるが、運もいいし、なんていうか……とんでもねえラッキーガール、ってとこかな」


「よろしくねん! ……んで、私の体質は、自分の身に危険が迫るとふわふわのどっかーんってなって危険を回避できるんだ!! 半分不死身なんじゃないかな!? ……なんてね!!! どう、かっこよくない!?」


 わあ……九重さん、しゃべりながら近づいてきて、今僕の顔と3mmぐらいしか離れてないんですが。

 近い、近い。


 ……ん、なんか今とんでもないことを言ってなかった???


「……と、自分のことになると語彙力がないが、こいつは身に危険が迫るとなんか煙に化ける」

「レイジも語彙力ないじゃん! 人の事ばっかりばかにしおって!! ひどいやひどいや! ふざけうな! ぶーーー!!!!」

 ……なんだ、このコントは。話してる内容が全然頭に入ってこない。


「……えーと、夫婦喧嘩はよそでやってください」

「「夫婦じゃないから!」」

 わー、ナイスツッコミ。キレッキレだよ。


「……あー、えっと、どこまで話したっけ?私みたいな美少女が体をイジられて半分人外ってあたりまで話したっけ?」

 いや、そんな話聞いてないから。


「おい、お前それこいつに言っちゃう?人外なんて言ったって」

 ……あ、そっか。そういえば2人は僕が何に所属してるのか知らないのか。


「いや、そりゃ、信じられるんだけど」

「「んええ!?」」

 そんなに驚かなくてもいいんじゃあないの?


「わたしねー、人間と白狐を混ぜられてるの!あ、白狐って善狐の一種だから殺さないでね!?

 ……ってか疑似ハーフなんてつくって、安倍晴明みたいな人でも作ろうと思った?残念、私に陰陽師とかは務まりませぬ!私は日本一の同人作家になる女だからね!!」


 あぁ、なんて気合だろう。頭にあんまり入ってこない。情報量がおかしい。


 ……とりあえず、九重さんが白狐って妖怪と混ぜものな半分人外の人ってことは……


 ・・・ん??


「……はあ、とまあ、とある地域の伝説では安倍晴明の母親とされているという、伝説の狐の葛の葉と同類の、『白狐』って妖怪が人間に混ざっているらしいが、白狐と人間の子供ってわけでもないらしい」


 ……えっ。


「え、そうだとしたら……九重さんは」

「んー、『これは裏組織の陰謀!』……的なやつかな?……なんて、ね!混ぜ物ライフを楽しんでる部分はあるから!何せ私、存在してるだけで周りの人に幸運と福を招くからね!狐だけど!猫じゃないよ!」


 ……あー、秘密を打ち明けてる人のテンションが高くて胃が……胃が……メンタルが……!


「……正直、俺もなんかの混ぜ物っぽい」

「……お前も!?」

 まって、まって、目が回る。


「うっそお、能力らしい能力とか発動したことないから一般人かと!……んー、びっくりだあ。」

「……まあ、正直わからないんだ。それっぽい何かが発動したような、ってことはあったが……まあ、発動しないに越したことはないんだがな。」


 あー、もうこの2人止まらないなあ。どうしよう……。


「……とにかく、びっくりさせてごめんなさい。私の所為で、ご迷惑をおかけしました!」

「うん。」

 ……ようやく謝られた。果たして、お詫びはあるんだろうか?まあ、なくてもいいけどさ。別に。


「お詫びに、学校近くの山のふもとに秘密基地があるから、そこを好きに使う権利をやろうぞ!

 学生寮では持ち込み禁止だった据え置き型のゲームも複数台あるし、そこでちょっと過ごしたところで、数分歩けば図書館があるから見られても、ゲームの存在さえ隠せば言い訳ができる!どうだい!すごいだろう!!友達には内緒だぞ!!」


 なんで毎回マシンガントークするかな、この子!?止まれないの!!??

 でもゲームできるのは嬉しい。ありがたすぎる。某乱闘とかをレイジたちとやれたら楽しいだろうし。


 とか思っていたら、次の情報の波が襲ってきた。


「……俺の買ったゲームは某乱闘と、某桃玉と、お、ゲームのリストを持ってるんだっけ……これだ、えーと、これと、これと、それと……」

「私のは、これとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれと……」


「は、はあ。」

 ……僕はたじたじになってしまった。


 ……二人のゲームのジャンルをざっくりまとめると……


 レイジは基本的にアクションゲームとシューティングゲーム、それからいくらかのRPG。

 九重さんは基本的にアドベンチャーゲームと大量のRPG、あといくらかのホラーゲーム。


 まあほぼ全部僕が知っているタイトルだったので、皆で遊ぶのが楽しみだ。


 曰く、二人の買うゲームがかぶらないように話し合って買っているらしい。

 ……校則で禁止されてるバイトを勝手にやって、お金を稼いでいるそうだ。

 ついでに資金の9割が九重さんの同人誌の売上金だというから脱力してしまった。


 僕の放課後の予定が決まるまであと0.5秒……。


「おい、ここで何やってる!?屋上は立ち入り禁止だぞ!!」

 突然、屋上の出入り口から大声が聞こえたのでそちらを見ると、そこにいたのは担任だった。


「「「あっ」」」

 僕ら三人が先生に怒られるまで、あと0秒。


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