壱
少ないですが、よろしくお願いします。
いや、おかしい。ここはどこなんだ。何で僕はこんな部屋のなかにいるんだ。というかここはどこなんだ。何だよこの部屋。というか
「ここはどこなんだ!」
いつからいるのか、いつまでいるのかは、そもそも出られるかは分からない。僕はこんなへんぴな所にいる場合じゃないんだ。
といあえず、状況をまとめよう。僕がいるのは古い列車の車両中だ。それも先頭の。しかも、連結しておらず、この車両しかない。ドアは空いていないし、開く様子もない。ただ、運転する部屋(なんて言うかは忘れたが)の扉はあいていた。
地面には錆び付いたナイフと、少し大きめな熊のぬいぐるみが転がってる。
電車は「胆条駅」という、聞いたこともない地名だが、田舎にありそうな、2~3個の改札と乗り場しかないような古い駅?に止まっている。いや、止まっていることには止まっているのだが、その、駅と線路が浮いているというべきか、駅と、列車の前にゆるやかに蛇行しながら続く線路しかないのだ。その他は、色々な紫色が混ざったようなマーブル模様の空間が続いている。
そして、これが一番おかしいのだが、列車の進行方向を「前」としたとき、車両の「右」の手すりに紐で手をくくりつけられている女性?、やつれていてよくわからないが、がいるのだが、その体が、まるで重力が「右」から「左」に向かっているかのように、左に向かって垂れ下がっているのだ。気づいたときはびびったもんだ。
いや、ほんとに、
「ここはどこなんだ...」
取りあえずここから出て、そして...まあそれはいいか。とりあえずで出られるような場所じゃないだろうし、そもそも....
「あれ...?私はゲームに負けたはずでは....?」
「?!?!」
気が付くと、地面に転がっていたぬいぐるみが、まるで朝、目が覚めるようにうごきだしたのだ。
仕掛けに関してはたいしてこったものではありません。