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 ストーリー上、親密度に関係なく、この別荘に来ることになるのか。それとも、クレストールのルートを狙って一定以上の親密度を上げていないと招待してもらえないのか。それとも、クレストールのルートを解放してないと招待してもらえないのか。

 今更の疑問なのだが、いずれによるものなのだろうかと、午前中の突発イベントに翻弄されたアルサルミンは確認を取りたくなっていた。

 ――クレストールのルート関連だと思っていたんだけどなぁ。

 これまで、クレストールと隠しキャラのアタラックス以外、一通りは落としてきたのだが、その間に、この別荘へ来ることはなかったのである。ストーリー上のものなら、誰を落とそうとしていようがそんなことに関係なく、ここへ連れて来られたと思うのだ。でも、そんなことは一度もなかったことで、アルサルミンは、これはクレストールのルート関連のものだと信じて疑っていなかったのである。

 この別荘へ来ること自体がクレストール用のイベントなのか、それともクレストール専用の親密度に連動したストーリー上の流れの一環としてこの別荘が出てくるのか、それともクレストールのルートに入っていないとこの別荘に連れてきてもらえないのか、など細かいことは別にして。

 でも、クレストールのルートの守備範囲内にて、他のキャラであるアレジオンが告白まがいのイベントを発生させるのは、完全に、アルサルミンにとって想定外のできごとであった。

 しかも、親密度が100%になるくらい、アルサルミンが積極的に接触してきたとかいうならまだしも、そんなことはなく。ほとんど無関係で無接触な。たまたまクレストールの知り合いで、クレストールに招待されてこの場へ訪れたというだけの相手なのだ。

 ヒロインでプレイしたときに、一度だけ落としたことがあるので、その記憶を頼りにどんな流れで、フラグを立て、回収し、いくつものイベントを起こさせ、その途中でルートを解放させ、関係を進展させつつアレジオン用のストーリーを進めていったのかを思い返す。

 ――なんとかこぎつけた告白イベントは、ストーリーも中盤を過ぎたころだったよね。

 ちなみに、このゲームのゴールは、クレストールを除き、卒業パーティで発生する最終イベントで申し込まれる結婚であり、それに承諾することで婚約者になることである。

 公式では、何度かのバージョンアップを繰り返した後、恋愛対象キャラを増やしつつ、卒業後のストーリーを足して結婚をゴールにする予定だったらしいが、そこへ辿り着く前に風雅は亡くなってしまったので、風雅のいた世界では、現状、キャラが本当に増やされているのか。そして、どこまで続編のストーリーが解放されていて、新しいイベントや分岐点やスチール画像が用意されているのか分からないのだが。

 その辺のことは置いておき。

 アレジオンの話に戻すのだが。風雅がプレイした場合と、色々と違いすぎていたのである。

 ――そもそも、告白イベントが起こったのはあんな場所じゃなかったもん。

 アレジオン狙いでストーリーを進めたとき、告白されたのは海辺などではなく学園内であった。ゲームでは、クレストールの別荘へ来たこともないのだから当たり前だが。

 ちなみに、台詞が違うのは、よく覚えていないこともあり、大目に見るとして。

 だとしても。

「これは、どういうことなんだろ?」

 昼食を済ませ、午後からは海辺で遊ぶ約束を交わし、準備のために二階のアルサルミンに与えられた部屋にて、アルサルミンは水着を手にしたまま固まったようにして、考え込んでいた。

「っていうか、サイレースの機嫌も直さないとだよね」

 また、以前のように冷たくされたら、受けるダメージが大きすぎる。

 アルサルミンは、風雅の影響をもろ受けてしまっていて、サイレースのことが本当に大好きなのだ。

 ――とにかく、どうすれば確認できるかな?

 現状が、どういう状況によるものなのか。

「やりたい。っていうかやらなくちゃならないことが多すぎて、パンクしそうだぁ」

 サイレースの機嫌取りは絶対として、別荘へ誘ってもらえた条件。そして、アルサルミン的にはクレストール関連と踏んでいるのだが、どのキャラ関連のストーリー上にアルサルミンは身を置いているのか。

 ――その辺のことは、最低限済ませたいよね。

 そんなことを考えていたら、ふとひとつのことを思い出した。そして、思い立ったが吉日のノリにて、ネーヴェの部屋へ続く扉をノックして、返事を待たずに扉を開けてしまう。

「きゃっ」

「あ、ごめん。着替え中だった」

「い、いえ……」

 恥ずかしそうに、タオルを手に取り前を隠すネーヴェに向けて、アルサルミンは扉を閉めて消えてあげるどころか、ずかずかと室内に入りながらひとつの疑問を口にしていた。

「あのさ、ネーヴェ」

「なんですか? アルサルミン」

「たしか、ネーヴェって水着持っていたよね」

「え? えぇ……」

 アルサルミンの突然の質問に、ネーヴェは戸惑いつつ頷き返してくる。

 瞬間、アルサルミンは『よっしゃー』と心の中でガッツポーズを決めていた。

「あのね、ネーヴェ。申し訳ないけど、今日はそっちの水着を着てみてくれないかな」

「え? 持ってきた方のですか?」

「うん。そう。たまには気分転換もいいと思うの。私も去年のやつだけど、今日はいつもと違う水着を着るからさ」

「アルサルミンがそういうのでしたら……」

 きっとネーヴェの頭の上にはクエスチョンマークが飛び散っていることだろう。けれども、そのことに気をかけている余裕のないアルサルミンは、約束を取り付けると、「それじゃあ、邪魔しちゃってごめんね」と告げ、扉の方へ戻って行き、扉を閉めて、室内の荷物棚にまっすぐ向かっていくと、服の入っているバックをあさり始めた。

「アルサルミン様、どうなされたのですか?」

「んー。ほら、去年着ていた水着、あるでしょ」

「ありますが。去年のものを今年も着るのですか?」

 驚いたように聞き返して来るリテラエに、アルサルミンは不思議そうに首をかしげる。

「だって、着ないともったいないじゃん」

「いえ。これまでのアルサルミン様は、毎年水着は変えていましたので。前の年の水着を着ようなどとは一切しませんでしたから」

「えー。でも、着たのって、一回くらいだよね? 学園の裏の泉で取り巻きの乙女たちと遊んだ時に着ただけで、他では着てなかったよね」

「それは、そうですが」

 躊躇うリテラエへ、アルサルミンは「ならいいじゃん。それにあのとき男子はいなかったから、新品も同様じゃん」とリテラエの肩を叩き、水着を一緒に探してくれるようにお願いする。

 すると、リテラエは迷うことなくひとつのバックを選び出すと、中から目的としていた水着を取り出した。

「本当に、よろしいので?」」

「だって、ずっと同じ水着着てきたんだから。去年の着たところで関係ないって」

 アルサルミンはそう言い切ると、さっさと水着に着替えだす。リテラエ限定ではあるが、裸を見られ慣れてしまったことで、これくらいの着替えなら朝飯前となってしまっていた。

 最初のころこそ、しみじみと「貴族って……」と恥ずかしさから嘆いていたのだが。慣れというのは恐ろしいものである。



 ネーヴェを誘い、2人で海岸へ出ていくと、既に男性陣は海に浸かって遊んでいた。

 上着を脱ぎ、サマーベッドの上にそれを乗せて、みんなの方へ向かって行くと、さっそく反応が返ってきた。

「あれ? 今日はいつもと違う水着ですね。似合ってますよ」

「本当だ。そんなの持っていたんだね。それもとてもいいですよ」

 最初に気づいたアタラックスとアレジオンが、口々に水着を褒めてくれる。

 アルサルミンの水着は、これまでよりも露出度は低いが、体のラインをはっきりさせる形の水着であった。対するネーヴェは、さすがはイベントの優勝賞品と言いたいくらい、ヒロイン用にデザインされただけあって、とても可愛らしい水着でネーヴェによく似合っていた。

 ――さぁ、クレストール。ネーヴェをよく見て!

 なにかがきっと起こるはず。と、アルサルミンは期待する。

 すると、想定外にサイレースがネーヴェの水着を褒めてきた。

「なんか、それ。いつものよりもネーヴェにとても似合ってんじゃん。可愛いぜ」

 午前中の仕返しなのか、それとも、水着の効果なのか。どちらなのだろうと思いながらも、微かにショックを受けてしまう。けれども今は、そんなことで落ち込んでいる暇はなかった。

 目的はクレストールである。

 なにか反応はないものかと思っていたのだが、特に反応はせず「2人とも、今日の水着もお似合いですよ」と言ったのみだった。

 ――やっぱ、ネーヴェでクレストールのストーリーを進めていないからダメなのかなぁ。

 フラグさえ立てることのできていない現状、クレストールのルートに突入する以前の問題である。

 ――それにしても。

 このネーヴェが着ている水着の効果は、クレストールとの親密度のアップ率を高める効果があったりするのか、単なるステータスアップか、隠しステータスの獲得か加算か、はたまた特別なスチール画像ゲット目的の特殊イベントを発生させるものなのか。

 いずれの効果があるのだろうかと、ネーヴェをじろじろ見ていたら、ネーヴェが恥ずかしそうにはにかみだした。

「アルサルミン、あまり見つめないでください」

「あ! ごめん。本当に似合ってて可愛いなって思っちゃって」

「それを言うなら、アルサルミンですよ。いつもの水着も素敵でしたけど、今日の水着もとても素敵です」

 ネーヴェに両手を握られ力説されて、確かに過剰な水着の称賛は恥ずかしいかもと、身をもって感じてしまう。

 ただ、高熱を出す前のアルサルミンは自分の体を本当の意味でちゃんと理解していたのだと、改めて納得せざるを得なかったのは、この水着がアルサルミンの体のラインをとても綺麗に見せているなと思ったからである。

「そ、それはそうと……」

 ネーヴェにまっすぐ見つめられ、ちょっぴり赤くなりながら、アルサルミンは視線をふよふよ彷徨わせる。すると、海岸をしばらく歩いた先にある岩場で、デルモベートが釣りをしている姿を発見した。

「ここって、釣りもできるんだ」

「そうみたいですね」

「行ってみようか? なにが釣れるか、聞いて来よう」

「はい」

 半月もいることで、色々と遊びつくしてしまっていたため、目新しいことをしているデルモベートに興味を引かれ、アルサルミンはネーヴェの手を取り、岩場の方へ向かって行く。

「危ないですから、足元に気を付けてくださいね。特に、アルサルミンは」

「失礼ね、クレストール。サンダル履いているから大丈夫よ」

 わざわざアルサルミンの名前を強調するクレストールに言い返しながら、アルサルミンは新しい遊びを目の前にしてワクワクとしていた。

「ネーヴェは、釣りってしたことある?」

「えぇ、少しだけですが。アルサルミンはないのですか?」

「うん。全然」

 前世も今世も、釣りとは無縁であった。

 そもそも現世では、水場というものに近づいたのは、学園の裏の泉くらいである。

 そうこうしている内に、岩場に到着し、デルモベートが釣りをしている場所の側へ到着した。

「デルモベート様、なにが釣れるんですか?」

「じつは、俺もよく分かっていないんだ」

 アルサルミンの声に反応するよう、こちらを見ると、デルモベートが笑みを深めた。

「水着を変えたんだ」

「はい。ちょっとした気分転換なんですが」

「2人ともよく似合っているよ」

 そう言いながら、岩に昇り始めていたネーヴェの手を取り、自分の脇に引っ張り上げる。

 場所的に広いところではなさそうなので、アルサルミンは昇るのを諦めて、下から2人を見上げることにする。

「ネーヴェも釣りをやってみるかい?」

「え? でも」

「せっかくだもん、やらせてもらっちゃいなよ」

「それでは……」

 アルサルミンの台詞が後押しとなり、ネーヴェはデルモベートから釣り具の扱い方を教わりながら、釣りを始めた。

 ――うーん。これはこれで、なかなかお似合いっていうか。良い感じだよね。

 デルモベートが対象キャラでないことが、残念に思えてしまう。仮に篭絡の対象キャラなら、アルサルミンとしては『ここはお若いふたりで……』とお見合い婆にでもなるところだが、残念ながらそうではないことで、どうしようかと思ってしまう。

 ネーヴェをデルモベートに任せて、みんなのところへ戻るのもありだが、ネーヴェの水着の効果を知りたいアルサルミンは、ネーヴェから目を離すことはできなかった。

 ――クレストールってば、なんでなんの反応もない訳?

 岩の上では、楽しそうな会話が交わされていて、一見すると恋人同士のようである。

 本来なら、デルモベートの役は、クレストールが行っているべきだと思うのだが。

 ――私が、クレストールのルートを開いちゃっているってことなのかなぁ。

 ただ、言動は積極的に見えるが、他の2人。否。今は3人か。いずれにしろ、告白もどきをしてきた3人みたいに、口説く的な文句は告げられていないと思うのだが。

 なんといっても、クレストールの決まり文句は『婚約者』なのである。そこに含まれる感情は、好意的なものだとは分かるのだが、それ以上は読み取れない。

 その辺のことを考えると。

 ――私に対しても、未だルートは開いていないような気もするんだよなぁ。

 ならば、今のネーヴェになんらかの反応があってもいいと思うのだけれども。

 ――なにも反応が無いってことは、ストーリーの進め方によっては、親密度やルートの進行状況に関係なく、クレストールがこの別荘に招待してくれるってことなのかな?

 でも、何度も何度もサイレースでプレイしてきたが、クレストールの別荘へ招待されたことは一度もなかった。

 ――それとも、どういう訳で友人になったのか知らないけれど、友人のアレジオンでプレイしまくっていれば、どこかの分岐点で別荘に招待してもらえたとか?

 しかし、キャラクターの紹介ページに、クレストールとアレジオンが、個別にわざわざ別荘に招待するほどの関係があるような類の表記は、どこにも記入されてはいなかった。

 全く分からない。そう思い、その場に腰を落として、近くにあった枝で砂場にクレストールの名前を書いてみる。そして、そこから図解へ展開しようとしたところで、アルサルミンの上に影が落ちてきた。

「僕の名前を書いてくれているなんて、嬉しいですね」

「あ?」

 いつの間にか間近に来ていたクレストールが、瞳を緩ませ笑みを零してくる。

「退屈なら、向こうへきませんか? アルサルミン」

「えっ。あっ! ごめんなさい、自分ばかり楽しんでしまっていて」

「あー。いいのいいの。ネーヴェはそのまま楽しんでいて」

 そのままデルモベートへ釣竿を突っ返しそうなネーヴェの様子に、アルサルミンは慌てて2人で釣りを続けていてくれと、ネーヴェに伝える。

 対象キャラじゃないとはいえ、邪魔するのが申し訳ないほど、2人の雰囲気がいいのだ。

 そう思い、ここは気を利かせて2人にさせてあげようと思ったのだが、ネーヴェがそうさせてはくれなかった。

「アルサルミンが戻るなら、私も戻ります」

「え?」

「ちょっと待っていてください、今、下りますので」

「危ないよ、ネーヴェ。崩れやすい岩場もあるから、道を案内してあげるから、手を貸して」

 デルモベートはそう告げると、ネーヴェの手を取り、ちょっと回り込む感じで、ネーヴェをアルサルミンの元へ案内してきた。

「今度は、もうちょっと広い場所を探して釣りをするから。アルサルミンも一緒に楽しもうね」

「その時はお願いします」

 にっこり笑って、次の約束を告げてくるデルモベートに、アルサルミンは笑顔で応える。

 興味があるのは本当なので、デルモベートからの誘いは嬉しいものだった。

 そして、その場でデルモベートと別れると、3人でみんなのところへ戻って行く。

 ――それにしても、最高学年だけあって、紳士だったよねぇ。

 それに比べて、三年であるアルサルミンの周りときたら。

「アルサルミン、釣りがしたいんでしたら、明日にでも僕が教えてあげますよ」

「え? いや。そこまでしたいかって言うと、そうでもないんだけど。目新しかったから、楽しそうでさ」

 なぜにここで、クレストールは、クレストール専用と思われる水着を着ているネーヴェにではなく、どうでもいいアルサルミンに話しかけてくるのだろうか。真面目に意味不明である。

 そのせいで、水着の効果はなんなのか、まったく分からなくなってきたと、アルサルミンは心の中で首をかしげる。

「ねぇ、クレストール。今日のネーヴェを見て、なんとも思わない訳?」

「なんともって。とても水着がお似合いですよ、とは思ってますよ」

「それだけ?」

 他になにも感じないのかと、念を押すようにクレストールに聞いたのだが、クレストールの方が答えに困ってしまったようである。

「それだけ、と聞かれましても。似合ってるものは、似合ってるとしか」

 言えるのはそれだけだと告げるよう、クレストールは戸惑いをみせてくる。

 ――もしかして、クレストール専用とかでなく、単なるステータスアップとか裏ステータスの効果の追加とか加算用なのかなぁ。

 どうやら、本日の検証は失敗に終わってしまったようである。

 ――あの、アレジオンの告白もどきイベントが、なんだったのか知りたかったんだけどなぁ。

 クレストールがネーヴェの水着に食いついたら、今回の別荘への招待は、ネーヴェの水着はクレストール対策用のものと断定できるので、クレストールのストーリー上で発生する事柄なのだろうと判断し、あの告白もどきはイレギュラーなものであったと解釈したのだが。こうもクレストールが無反応だと、もしかして、この別荘への招待は、アレジオンのストーリー上で、なにかの条件を満たすと、発生する特殊なものなのかとも思えてきてしまう。

 それ以前の問題で、アレジオンのストーリーを進めたつもりもルートを開いたつもりもまったくないのだが。

 とにかく何度でも言うが、サイレース以外は、ほとんど手つかずに近い状態だったのだ。だから、サイレース以外で得ている情報は、すべて攻略サイトによるものなのである。だから、やりにやりまくったサイレース以外のルートは、どんな脇道があるのかとか、ほとんど理解していないのである。

 しかも、プレイヤー全員参加のイベントの優勝者の賞品は、すべて風雅がゲットしまくったせいで、中には高額だが課金すれば買えるアイテムも含まれていたが、大半が一点もので、持ち主が風雅ひとりだったために検証できる人がおらず、公式主催のプレイヤー全員参加型イベントが行われる際に、優勝者に贈られる賞品に対する簡単な説明は毎度あったのだが、正確な効果は未知なものが大半であった。

 ――まぁ、いいか。

 これだけ検証したにもかかわらず、クレストールの反応はいまいちで、現状が誰のストーリーによるものなのか分からないのである。

 ならば、べつに『好き』と言われた訳ではないのだ。返事も急がないと言っていた。ならば、もう、悩むのを止めて放置してしまうのが一番精神的にいいように思え。

 ――先ずは、サイレースの機嫌取りからだよね。

 それが一番重要なことだと、アルサルミンは改めて思うと、みんなのところへ戻ると同時にサイレースの傍へと寄って行ったのであった。

誤字脱字多発中。少しずつ直していきます。すみません。

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