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 勉強方法の違いなのか、それともなにかあるのか。

 席の座り方は、マイスリーとハルシオンが隣に座り。そこから少し離れたところに1人でラミクタールが、さらに少し離れたところにアレジオンが、さらに少し離れてレクサブロが座っていた。

 どうやら、ここ数日一緒に勉強時間を過ごしてきた割に、この5人はまだ打ち解け合っていないようだ。

 セチロを見ると、1日目はセチロの目もあり、みんなまとまっていたらしい。セチロが軽く首を傾げてみせたので、言葉はなくてもそのことが伝わって来た。

 そして、3人が戻ってきたことで、雰囲気が急に変わる。

「ご用事はもういいのですか?」

 早速という感じで、陽気な口調でマイスリーが3人に向けて語り掛けてくる。

 その後ろに隠れるようにして、ハルシオンが3人に向け軽く頭を下げてくる。

 けれども、セチロの話しを聞いた後だからだろうか、2人の瞳が笑っていないどころか、嫌悪の色を帯びているように見えてしまう。

 ――いかん、いかん。毒されちゃダメ。自分の瞳で見なくちゃ。

 そう思い、再び2人に視線を戻すと、2人はすでに勉強に戻ってしまっていた。

 ――今のイメージって、気のせいだよね?

 そんなに貴族が嫌いなら、なんで生徒会になんかに入って来たのだろう。公約を浸透させたいという生徒会の趣旨に同意できたからということらしいが、これまで静かに暮らしてきたのだろうから、これまで通り静かに過ごしていた方が、良かったのではないかと思ってしまう。

 そんなことを思いつつ、アルサルミンとネーヴェは、ラミクタールを挟むようにして席に着くと、まだしばらく時間があることで、勉強を開始しる。

 そして、セチロも同じ考えに至ったのだろう、レクサブロとアレジオンの間あたりの席に着くと、勉強を開始した。

 その間、ほぼ無音であった。時々小声でハルシオンとマイスリーが話していることがあったが、それは本当に時々で、食堂はとても静かであった。聞こえてくるのはペンを走らせる音か、教科書や教材などを捲る音くらいである。

 ――うわー。なに、この空気。

 協調性なさそう。と、アルサルミンは思ってしまう。

 ――でも、まぁ。アレジオンもレクサブロも固まるタイプじゃないか。組も違うし。

 ちょっとだけ納得しつつも、だとして、この微妙な席の距離感に、アルサルミンは現在抱えている生徒会内での問題を目の当たりにした気がした。

 生徒会室は狭いし、ワイワイしている雰囲気があるが、実際はそうではないのかもしれない。

 だからこそ、セチロは異常に気付いたのだろう。

 セチロが座っているのは、みんなとは違う席で、みんなを一望できる場所なのだ。アルサルミンが見ている景色とは全然違う景色が見えていたとして、不思議はないと思った。

 そして、ラミクタールのことを、組や寮だけでなく、生徒会でも孤独させてしまっていることに、心の中でアルサルミンは謝罪する。

 ――あと少し。イオンの件が落ち着くまで、待っていてね。そうしたら、生徒会の中だけでも一緒にいるようにするから。

 寮は違うし、組内で接触をすると、下位爵位用の寮生の目に留まり、ラミクタールが寮へ戻ってから嫌な思いをしなければならない可能性を思うと、気軽には一緒に居られないのである。

 ――人間関係っていうのか。難しいなぁ。

 ラミクタールは、とても素敵な女性なのに。なんでみんなそれを分からないのだろう。

 そう思いつつ、アルサルミン自体、思うように動けないでいることに、申し訳なさを感じてしまった。



 微妙な空気の中、勉強会は終了し、中央玄関前で男子と女子に別れ、更に女子寮が並ぶところで、寮の違うラミクタールと別れ、アルサルミンとネーヴェは上位爵位用の寮の自室のある2階へ向かって行く。

 夕食まで未だ少し時間があったので、ネーヴェをお茶にでも誘おうかという気持ちが芽生えはしたが、実行することはなく、アルサルミンはネーヴェに見守られる形で部屋へ入って行った。

 ――しかし、まさかイオンの件が保留になるとはなぁ。

 危険性が思っていたよりも低いことが分かったことで、早急に対策を練らなければならない必要性が減ったということらしいのだが。クレストール的には、なにか起これば最終手段を取るだけのことだと思っている節があるように思えてしまう。

 でも、これまでの話し合いから、イオンはそれなりの縛りの中で命令を使っていることが分かり、危険度が低いことが判明してきたのである。けれども半面、条件さえ揃えば、かなり大きな事件も起こせることも分かってきてしまったことで、学園に残す場合の絶対条件はいずれ『力を消失させること』というものに限定されてしまうことだろう。

 現状では、セチロが生徒会で監視することに決めたようだが。それも時間を少しだけ先延ばしにされたというだけのことだと、さすがのアルサルミンにも感じられていた。だけでなく、アルサルミンもイオンの特殊技能はできる限り消失させたいと思っている。

 ――その前に、イオンとちゃんと話してみたいなぁ。

 少しでも、アルサルミンがイオンの特殊技能がなんなのか判明させる時間を生み出すためにも、今後は力を使わずにいてくれるように頼めないものかと、思ってしまう。

 ――でも、無理だよねぇ。

 自分の持てる力を使ってなにが悪い。という考え方をしていたイオンである、アルサルミンが頼んだところで、『是』とは返ってこないだろう。

 ――やばいよ、新ヒロインが退場しちゃうじゃん。私まだなにもしてないのに。

 アルサルミンの手の届かないところに行かれてしまったら、応援のしようもない。ついでに、恋愛対象となる男子たちとの接点もなくなっちゃうのだ。

 それは、ゲームの崩壊である。

 ――まぁ、現実の世界だから、イオンは公爵令嬢だし、学園を退学させられたら、誰かと婚約させられて結婚するんだろうけど。でも、学園を退学させられたことがイオンの傷となり、公爵令嬢でありながら、足元見られて、まともな婚約話は来ないだろう。

 ――新ヒロインなのに、哀れすぎる。これじゃバッドエンドだよ。

 アルサルミンは、1人でワタワタしていたら、リテラエがお茶を出してくれた。お茶菓子はミークの手作りであるカップケーキが皿の上に2つ置かれていた。

「このカップケーキ。先にいただいてしまったのですが、とても美味しかったです。私もなにか作れたらいいのでしょうが……」

「だったら、ミークにお願いして教わったら? そして、私に作ってよ」

「そうですね。せっかくお隣の部屋なのですし。学園が始まったら日中は時間ができますから、厨房でも借りて教えてもらうのもいいですよね」

 嬉しそうに微笑み、アルサルミンの提案に、リテラエはその気になったようである。

 この調子なら、明日にでも、アルサルミンが不在の日中にお願いに行きそうだと思ってしまう。

 ――リテラエとミークが仲良くなって、さり気にイオンの話しを聞いてくるとか。

 さすがに隠しステータスの特殊技能の話しは持ち出さないだろうが、仲良くなれば、主の話しをし合うくらいはすると思うのだ。

 それに、リテラエは、おそらく先日ネーヴェとこの部屋で話した事柄を聞いていただろうから、イオンが不思議な力を使うことを知っているはずである。そして、アルサルミンたちが、その力に振り回されていることを、悟ったはずだと思うのだ。

 気の利くリテラエのことである、さり気になにか聞き出すくらいしてくれる、かもしれない。期待は薄めにしておくが。

 ――でも、お菓子作りって待ち時間も多いし、単調な作業も多いし、なにか話をするにはいい環境だよね。

 よし。ここはリテラエに頑張ってもらって、お隣のミークとなかよくなってもらおう。と、アルサルミンは企みを抱く。

 そして、イオンの力に関しては、資料を捲っても捲っても新しい情報は入ってこないし、当てはまるっぽい特殊技能も見当たらないし、アルサルミンとしてもお手上げ状態で、今はもうなにもできないところまで追いつめられていた。

 ――だからって、男子寮には手が出せないから、マイスリーやハルシオンに関しては現状なにもできないしね。

 貴族が嫌いらしい2人に関しては、男子陣が情報を持って来てくれるのを、待つしかない状態なのだ。

「あぁ、やっぱり美味しいなぁ。このカップケーキ」

 アルサルミンはしみじみと、お隣からもらったカップケーキを食べながら、お茶を飲む。

「リテラエが作れるようになったら、すごく幸せだろうなぁ」

「分かりました。明日にでも早速、お願いに行ってまいります」

「わーい」

 邪心交じりの呟きに、リテラエは溜め息まじりに応じてくれて、アルサルミンは素直に喜ぶ。

 ――これで、ミークは抑えた。

 自分がとても悪いことをしている気分になりつつ、悪役ライバルキャラとして、新ヒロインの退場。つまりはバッドエンドを避けるための努力をすることに、してみることにする。

 ちなみに、クレストールとヒロインのハッピーエンドの際は、アルサルミンが断罪されて他国へ追いやられるが、他のエンドではアルサルミンはいずれも関わってくることはしていない。

 学園を舞台にした乙女ゲーム『Eterrnal Love』は本当に平穏な世界なのである。

 悪役ライバルキャラのアルサルミンが取り巻きの乙女を引き連れたり、単独だったり、その時々で出現状況は変わるが、やることは学園生活でありがちなヒロインに不利な噂を流したり、ヒロインに対して悪口をいってみたり、乙女ゲームらしく特殊技能を使ってみたりすることもあるが、悪役ライバルキャラのやることは、あくまでもヒロインの恋愛を邪魔するだけである。だから、暴力を振るったり、過剰にヒロインを貶めるための画策をしたりする訳ではないのだ。

 さらには、その中にはフラグを立てるのに必要な行為が含まれていることもあり、選択肢などでヒロインがわざわざ悪役ライバルが意地悪してくれるよう誘導することもあるくらいなのである。

 そんな感じなため、ヒロインとクレストールのハッピーエンド以外では、ハッピーエンドだろうとバッドエンドだろうと、基本としてアルサルミンは脇役に徹しているのだ。

 そしてバッドエンドのヒロインは失恋するだけである。

 それに際して、同時進行で悪役ライバルキャラに、なにかが起こるわけではない。単に本当にそれだけなのである。

 主人公はあくまでヒロインで。『Eterrnal Love』はヒロインの恋愛ゲームなのだ。そして、アルサルミンは悪役ライバルキャラという脇役でしかないのである。

 だから、バッドエンドを迎えるからといって怖がる必要はどこにもない。冷たく突き放すなら、アルサルミンには関係ないことだと言えた。だけど、それではあまりにアルサルミン的に気分がすこぶるよろしくないという理由から、自己満足のために悪あがきをしようと試みているだけである。

 それは、アルサルミンが一番よく分かっているのだ。しかし、ネジが一本外れたせいか、過去のアルサルミンにも前世の風雅にも存在しなかった、人一倍お節介という厄介な性格が生まれ出てきてしまったのだから仕方がないではないか。

 つまり、イオンを放っておけないのだ。

 ――あとは、リテラエが持って帰って来る情報を待つだけだ。

 本当はイオンと1対1で話し合いたいところである。なのだが、現状でそれを提案したところで、誰もが認めてくれないだろう。だからと、勝手に行動なんてしようものなら、今度は本当にネーヴェから嫌われかねないくらい、現在のネーヴェは本気でアルサルミンのことを心配してくれているのだ。だから、無許可の対面は、本気で避けるつもりでいた。

 ――ネーヴェがいなくなったら、私……。

 そんな世界は、もうアルサルミンには考えられなかった。

 なので、現状で出来ることのみを仕込んだことで、アルサルミンは満足することにして。カップケーキを食べ終え、お茶を飲み終えると「美味しかったぁ。ごちそうさま」と告げてソファーから立ち上がると、夕食の時間になるまで机に向かって勉強をすることにしたのだった。



 翌朝、リテラエの手を借りて朝の準備を終えると、ネーヴェとイオンを誘って朝食を済ませる。そして、部屋の前へ戻ると、そこで解散となる。その後、アルサルミンとネーヴェは準備を済ませて、学園の生徒会室へ向かう。

 ノックをして「おはようございます」と2人で声を合わせて入って行くと、セチロがいつもの場所に座って「おはようございます。アルサルミンにネーヴェ。今日もよろしくお願いしますね」と告げられると、セチロのテーブルを挟んで、セチロと角隣りとなる場所へ、アルサルミンとネーヴェが向き合う形で席に着く。

 その後、ラミクタールが到着し、時間をおかずにマイスリーとハルシオンが一緒に入って来る。そして、その後少し置いて、クレストールとアタラックスが同時に入って来ると、その後を追うようにサイレースが駆け込んでくる。その後すぐにレクサブロが入って来ると、ここで一度生徒会室内が落ち着く。

 人数が増えたことで、3人掛けのテーブルを増やし、セチロの席を少し窓際に寄せて、アルサルミンやネーヴェの座る3人掛けのテーブルの端に、横に橋渡しをするように席を当たらに設置して、長テーブルに9人分の席を用意した。

 そして、去年どこからかしらないが持ち込んできた、教室の端に壁に向き合うよう設置されている机2つは助っ人用の机として使い、役員は3人掛けの机に座ることにした。

 生徒会長の机を中心に、両脇に並ぶ席に、副会長、書記、会計の順に二手に分かれてそれぞれ座り、2つの机を挟んでセチロと向き合う形で置かれた責に、体育部部長と文化部部長が座ることになった。

 アルサルミン側には、隣にサイレース。その隣がクレストール。ネーヴェ側には、隣にアタラックスが。その隣がハルシオン。そして、もうつの机に、ネーヴェ側にレクサブロ。アルサルミン側にラミクタールが座るよう決められた。

 ネーヴェ側の空いている壁に向き合い座るのは、窓側がアレジオン、その隣がマイスリーとされ、みんなに背を向けて座っている。けれども振り返れば、斜め後ろにハルシオンがいるので、良く2人で会話している姿を目にしていた。

 そして、朝の恒例であるお茶とお茶菓子を、ラミクタールが配り終えるころになると、アレジオンが姿を現し、美味しそうにお茶とお茶菓子を食べ始めるのだ。それを見ながら、アルサルミンたちも、お茶とお茶菓子をいただきつつ、資料の用意を始め、作業に入る直前に、ラミクタールがみんなのお茶とお茶菓子が乗っていた皿を回収して、洗ってくれるのである。

 これまで気にしたことがなかったが、みんながお茶を飲みまったり会話をしている間、マイスリーとハルシオンも話に花を咲かせていたので、これまで気づかずにいたが、意識して見ていると、他の生徒会役員との接触は一切せず、お茶やお茶菓子にも一切手を付けることなく、済ませていることが確認できた。

 ただ、マイスリーの方が性格が丸いのか、仕事が始まると、積極的に周囲と交流しつつ仕事を円滑に行っていた。そして、ハルシオンはなにかに困るとマイスリーを先ず頼り、その後マイスリーが動いてそれの答えを見つけ出し、ハルシオンに教えているというパターンが多いように見受けられる。

 ハルシオンが他の生徒会役員と直に会話するのは、本当に必要最低限に抑えていることが良く分かる。

 ――これは、ちょっと問題だな。

 今まで気づかなかったことに、アルサルミンは反省しつつ、資料まとめに勤しみながらも、ハルシオンとマイスリーに時折目を向け、様子を見守る。

 そんな中、文化部部長のラミクタールに足りない資料ができたことで、生徒会長のセチロと副会長のアルサルミンが同行することにして、先ずは職員室により事情を説明し部室の鍵を借りて、3人で目的の部室へ向かう。

 その帰りの出来事であった。

 廊下の向こう側からイオンと取り巻きの乙女の5人が、こちらへ向かってくるのが見えた。そのことで、嬉しそうに微笑みながら、資料を両手で抱えた状態のラミクタールが、6人が間近に迫ってきたことで挨拶し、それを受けてイオンたちも挨拶を返し、先頭を歩くイオンが先に脇を通り抜けていった後、残った5人とラミクタールがすれ違った際、ラミクタールがなにかに躓き、それに気づいたセチロが慌てて抱きとめる。

「大丈夫かい? 足を捻ったりとかしてないかい?」

「あ、はい。セチロ、ありがとうございます。私がドジしてしまって」

 ラミクタールが受け止めてくれたセチロにお礼を述べていると、5人組の1人が口を開いた。

「あ、ごめんなさい。今のは私が悪かったの。足がちょっとずれちゃって」

「いえ、こちらこそ資料で前が見にくくて。すみませんでした。足、痛めませんでしたか?」

「うん。平気、平気。っていうより、引っ掛けてしまったの私の方だし。本当にごめんなさい」

 5人の内の1人が、心の底から詫びるように謝罪すると、ラミクタールはとんでもないとばかりに、セチロの腕から抜け出して、こっちの方が悪かったのだと反対に必死に謝る。

 そして最後は『お互い様でしょ』という風に5人組の誰かが口にして、その場にケリを付けると、「それじゃあ、寮で」と通り過ぎていく。

 その際、イオンの瞳は、セチロに釘付けであった。当然、ラミクタールがセチロの腕に収まった瞬間も、捕らえてしまったことだろう。

 ――今のは完全に、あの5人組が意図して仕組んだことだよね。

 能天気なアルサルミンにだって、それくらいは見抜けるのだ。けれども、それをラミクタールに知らせることは躊躇われる。

 イオンやあの5人組を信じ切っているのだ。

 ――そうするように仕掛けたのは、イオンなんだけど。イオンには悪気なんてないからなあ。

 選んだ5人が悪かったとしか言いようがない。

 イオンとしては手っ取り早く下位爵位用の寮生を捕まえて、ラミクタールへのいじめをなくそうとしただけのようだが。なぜにあの5人を選出しちゃったのだろうかと、アルサルミンは思ってしまう。

 今のだって、イオンに気づかれないように発する言葉に気を付けつつ、意地悪したのだ。

 イオンの見ていないところで、なにをやらかしているか分かったものではないと、アルサルミンは思ってしまう。

 しかも、根っから善良にできているラミクタールは、イオンもその取り巻きの乙女の5人も、なぜ優しく接してくれているのかということなんて考えることはせず、目の前の事実をあるがままに受け止め、5人のことを微塵も疑うことをしていないようなのだ。

 ――こっちはこっちで、ひと騒動起きそうだよねぇ。

 元より、あの5人組はひとに親切にすることに興味が無いよう見えるのだ。それよりもいじめたくてうずうずしているように見えていた。

 ――理由を付けて、ラミクタールに絡んだりしないといいんだけど。

 アルサルミンは心配しつつ、先ほどのことをまったく疑うことなく単なる事故として受け止めているラミクタールの後ろを、ゆっくりと歩き。生徒会室へ戻って行ったのであった。

誤字脱字多発中。少しずつ直していきます。すみません。

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