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第05話 別れは突然に ーSide梨里杏ー

すみません、非常に短いです。

 ルディと梨里杏は運命に導かれるように出会いから別れまでほんの数時間を共にしたとは思えないくらい心の繋がりを感じていた。


 もっともその繋がりで満足しているのは実のところ梨里杏がメインであり、ルディの場合はもう少し時間があれば別のところで繋がりたいと男のサガとでも言うか別世界に来たことである意味危険な種族的本能が刺激されたとでも言うか、下世話な思いが湧き出たことは仕方ない現象だった。


 ましてや、異世界に来たら思春期真っ青の10代である、いくら頭は常識の詰まった大人、まして賢者だとしても、初めての恋である、心に身体が引きずられるのも無理はないことだった。


 しかしルディは自身に冷却の魔法を使ってまで(何処に使ったかは察して欲しい)紳士な態度を貫いたのだ。


 そして、別れは唐突にやって来る、パックリと無限の黒い空洞を彷彿とさせる次元の裂け目がこの世界に入り込んだ異物を排除するように空間を歪ませながらルディを引きずり込み始める。



「梨里杏さんっ! しばしの別れです、満月の時に必ず鏡を手元に置いて下さいっ! 梨…… 」


「ルディさん!! ルディさん! 」



 世界の歪みを正すように神がいるならばきっとこんな力だろうと言う現象を目の前に、ルディを連れ去った空虚を見つめていた梨里杏はその時止まっていた音や気配が戻って来たことを肌で感じると同時に急に寒くなり自身を抱きしめしばらくその場所から動く事が出来なかった。



 ルディが現れてからまるで気を利かせてくれたみたいなポポとトラ猫が何処からともなく現れ、ポポは梨里杏の肩にそっと降り立ち、名無しのトラ猫は足元に寄り添いまるで1羽と一匹に慰められているみたいで、

 梨里杏はフッと笑みを浮かべほんの少し心が温かくなる。


「アニマルセラピーって本当にあるのね、ふふっ、さぁ屋敷に戻りましょうね。お礼に何かお夜食でも用意しますね」



 1羽と一匹を撫でながら笑顔を取り戻した梨里杏は満月が何時なのか調べるのが先ねと呟くと、それを聞きとがめた1羽と一匹が苦情の鳴き声を発し、それを聞いた梨里杏は今度は本当に笑い出していた。




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