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第17話 真の姿は兄か悪魔か繁栄の代償

いったいどうしたことでしょう!恋愛を書くつもりが恋愛要素が薄いファンタジー小説になってますな。これはまずい、打開したいが無理っぽい。頭が恋愛脳にほど遠いと実感。

ルディはカイトに梨里杏のアトリエで見た兄と思しき人物が確かに人間とは思えない気配があったことと魔道携帯で発生する時の停止が梨里杏の兄には今後通じなくなる可能性が大きい事を告げる。


ルディの見立てでは、あの兄が目の前にいる時に時間を止めて梨里杏と会おうとすると間違いなく次元干渉の扉を簡単に開け、時の停止を飛び越えてルディに猛攻を仕掛けてくるだろうと予測した。


自分の世界にも妹や姉、もしくは兄や弟が可愛くて、好きすぎてどうしようもない輩は確かにいるのだが、その中でもあれは群を抜いているとルディは向けられるであろう敵意を本能的に敏感に察した。きっと梨里杏さんが私の絵を描いてくれているのが原因の一つなのでしょうね。面倒なことになりそうですが愛を手に入れるには試練が付きものですと自身を奮い起こす。


まずは、梨里杏と話す前に他の兄弟や久城一族を調べて見ることが一番いいかも知れないとカイトに告げ、正面からより、今回のように隠蔽魔法で探るのが一番だと作戦を考える。カイトはルディの為に有給休暇なる休みを取って協力体制を整えているらしくなんでも協力出来ると太鼓判をおしてくれた。脳筋気味だか変わらず頼もしい相棒だ。


師匠にも相談してみたが、正体がはっきりしない敵ならまずは素性を調べてからだと冷静に告げられ、ルディとカイトは久城建設本社ビルへまずは忍び込み、久城の名を持つ関係者を二手に分かれながら調べることにした。カイトにとっては生まれた時から知っている一族と言うことで少々複雑な思いがあるらしく、しかし子供の頃から抱いていた章時の人間離れした気配の正体を見極めたい、もしも邪悪な何かに取り憑かれているなら解放してやりたいと思っているようだった。


カイトには事前に聞いていた魔力量不足対策として日本に来る前にルディが魔力を充填していた魔力水晶を持たせることでエルオレラ王国で活躍していた勇者としての能力をほぼ出せるようになっていた。


初めの予定は魔道携帯を使って時を止めて多方面から調べるつもりだったが、初めに遭遇した『章時』が次元干渉を跳ね除け時の止まった世界で動くことが出来るようになった時の危険性を感じ、隠蔽魔法で探ることにした。


「カイト、そろそろ自宅へ戻った方がいいですよ、続きは明日で平気でしょう。」


「ああ、分かった。ルディはどうする?車で送るか ?」


「何を言っているのです。転移で戻りますよ。一人で大丈夫ですが、倉庫に戻る前に少し街をぶらつきたいと思います。」


「おお、そうか !色っぽい姉ちゃんに声をかけられんようにな !わははは」



カイトは深刻だった場を一瞬で明るい流れに変えると颯爽と目に痛い黄色のスポーツカータイプの車で自宅に帰って行った。一度カイトご自慢のお嫁さんにご挨拶したいものですね。フフッといつの間にか笑みを浮かべながら異世界の繁華街へ一人消えるルディ。そのルディの姿を偶然見かけ見つめる金色に輝く瞳の主がいた。嬉しそうにひと鳴きしてフサフサの尻尾を左右に揺らしながら闇に紛れるように消えて行った。




◇◇◇◇◇




章時はその異変に気が付いた。梨里杏以外、動きを止めた世界へ飲み込まれる寸前で意識を微かに保ちつつ必死で入り口で踏ん張り続けている感じが一番現状を表す表現としてはしっくりくるだろうか。


この現象を章時が始めて認識出来たのは1ケ月前のやはりここ梨里杏のアトリエでのことだった。キャンバスに向かう梨里杏の後姿を眺めながら報告書に目を通していた時、目の前にいた配下のメイドの動きが不自然に止まった。それと同じくして微かに届いていた街の喧噪までも鳴りを潜め、不思議に思いつつ体を動かそうとして動けないことに愕然とし、焦燥から意識を梨里杏に向ければ誰かと話しているような雰囲気で嬉しそうな様子が届く。


一体何が起きている ?意識を集中させ始めると微かに視線だけは動かせるようになり、梨里杏がまるで見えない携帯で誰かと話しているように見えた。しかし口パクで声は聞こえず溺愛する妹が何らかの目的か新たなる趣味でパントタイムでもしているのかと本気で考え込んでしまった。


梨里杏に危機が迫っている様子もなく動けないこともあり、しばらくその様子を眺めいていた章時は段々不愉快な気分に陥ってきていた。声は聞こえないが、どう見ても恋する乙女の姿に映り、兄の直感が相手は男、それも梨里杏に言わせれば夢の男で初めて男の人物画のモデルになった奴だと章時の感が告げていた。



この状況が間違いなく現実の世界で起きていると章時は気づき、半年も前から梨里杏に起きていると思われる異変が全てこの瞬間、この状況に直結しているのだと章時は理解する。その理屈は分からないが、章時は近い将来この現象の中でも自分は問題なく動けるようになり、最近感じる魂の奥深くに根付く力の存在を放出しこの現象を打開出来ると漠然と信じられた。



そして、今また始まった時が止まる現象。章時は精神を集中させ時の止まる次元から自身を隔離させるイメージでいつの間にか使えるようになった何かの力をそのイメージに込めると時の縛りから解放されたのをはっきり感じ取っていた。


しかし、前回と違うのは梨里杏はいつも通りキャンバスに向かい絵を描いているが、夢の人物と会話する素振りを見せなかったことだ。梨里杏の周りはいつもの通り穏やかな時間が流れ、今描かれているのは梨里杏が探している野良猫の姿だった。


それでも章時は何者かに見られている感じがして、当たりを見回すが目が会ったのは梨里杏のフクロウでそのフクロウは視線があったと同時に外へ飛んで行ってしまう。章時は梨里杏に害がなければこの奇妙な世界の中で二人っきりと言う状況は歓迎出来る状態であった。兄妹二人きり時間に取り残されるのも悪くないなと他人が聞けば腐っていると思われる思考に漂っていると突然時が動き出した。



一体全体なんの現象なんです、世界が滅亡する知らせでしょうか。もっともやすやすと梨里杏とこの世界を消される訳にはいかないですね、何度も奪われるのは許しがたい屈 辱………… ?これは誰の思考です?章時はこの時初めて自身の中に別の何かが存在していることに気が付くが、気が付いたと思ったとたん、()()()()を忘れていた。




この出来事が引き金で、章時の中に眠っていた何かが目を覚ますことになる。それは久城家の繁栄と引き換えにした黒い契約の代償が目を覚ますことを意味した。数世代ごとに行われてきた血の代償、それは次の世代で迎える悲劇だったが、ルディが現れた事が次元のズレを起こしていたのだ。


章時や梨里杏の両親は16年前に突然二人同時に車の事故で亡くなっていることになっていた。その死の真相も不明、遺体も不明だと知る者は、久城家でもほんの一部の人間しか知ることのない秘事であった。二世代ごとに取り行われる久城家繁栄の儀式はルディの世界で俗に悪魔召喚と呼ばれる儀式に酷似していた。




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