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第14話 勇者カイトは日本でも健在です

明日は本編お休みでトラ猫のお話です


リンゴーンカンコン リンゴーンカンコン 華やかに鳴り響く祝福の鐘の音があたり一帯に響き渡る。見送りに来ていたカイト信者が突然響き渡った鐘の音に興奮してまくしたてる。


「「「これは勇者様を祝福する旅立ちの鐘の音ですね!」」」



「あー、少し着信音量が高かったですね。はーい、こちら賢者ルディです、あっ、カイト無事に着いたようだね、すごい建物がたくさん見えるね?そこはどこなんだい?」


「おっ?見えるか?ここは新宿都心ビル群だな。しかしなんだ、こうやって画面上でもルディの顔を見ていると帰ってきた実感がわかねえな」



「「「・・・・・・着信音量???」」」


ルディ特性魔道携帯の着信音だと判明し、さらにその画面上に話している相手カイトが映っていると知った信者達や王族の面々が皆頭に?マークを浮かべ驚愕していた。



「いえいえ、確実にお戻りですよ。私の魔力がごっそり持っていかれましたから。それよりそちらに着いた時の様子と私の魔道携帯を使った時の状況を教えて下さい」


「ああ、エルオレラ王国から戻って来たのが信じられない位に10年前と同じ場所に立ってたな。時間も同時刻で間違いない。誰も俺に違和感を感じてないし普通だな。だがルディの魔道携帯がそっちと繋がったとたん時間が止まった、これはびっくりだぜ」


「ああやっぱりそうですか、梨里杏さんと話していた時も時間が止まっていましたからそうだろうと思っていました。次に気になるのが現在の梨里杏さんの状況ですね。梨里杏さんの時間が止まっているならかまいませんが、一人だけ状況が分からないままに時間に取り残されていたら混乱してしまいます」


「確かにそうだな、どんな原理で時間から切り離されるのか分からんが、一人だけ動けたら怖いな」


「そうです、ですから一旦切ります。ガチャ」


「プープープー…おいおい、突然切りやがった。ん?動き出した?と思ったら止まった。成程な、魔道携帯であっちとこっちが繋がっていると時間が止まるのか。でもなんで俺の魔道携帯が繋がってないのに俺の時間は止まらないんだ?」



それからカイトは3時間以上時が止まった世界で待たされることになるが、そこはカイトである。何食わぬ顔で社屋に戻り周りが人形のように動かない世界で10年前の書類の続きを始める豪胆さを発揮していた。さらに十年分の異世界での経験が今後思わぬ成功を呼び込むことになりるのはまだ少し先の話だった。



「脳筋カイト~脳筋カイト~・・・・おいっ!なんだよこの着信音、ありえねーはいっ!」


「カイト待たせましたね。やはり心配した通り周りの時間が止まっていましたが梨里杏さんはそんな異常事態にも慌てず集中して絵を描いていました。私の梨里杏さんは最高です」


「ああーはいはい、そうねー」


「むむっ、なんです?その投げやりなセリフは」


「あのよ、3時間も待たせて惚気るお前があきれるよ」


「・・・それは失礼。梨里杏さんのことになると我を忘れます」


そんなやり取りをしながら互いに情報をすり合わせ、魔道携帯の欠陥も分かり直ぐにルディが魔道携帯それぞれに個人認識が出来るように遠隔魔法で処理し、今後カイトと梨里杏の時間停止がシンクロする現象は回避された。さらに梨里杏とカイトが互いに通信出来るようにしたが、ルディは少し狭量な態度でカイトに梨里杏にあまり馴れ馴れしくしないことと念を押してカイトに爆笑されていた。


今後の予定は大魔法陣を閉じ込めた水晶を何処に設置して何時ルディの日本への召喚を行うかが課題だったが、カイトは魔法陣を展開出来る場所に心当たりがあるらしく直ぐに用意すると言ったが、10年ぶりの故郷なので時間のリハビリが必要だろうとのルディの配慮で日を改めることになる。


直ぐにでも梨里杏に会いたいだろうに、俺の親友はなかなかいい奴だとカイトは今更ながら嬉しくなっていた。やはり記憶を消されなくて良かったと心底思った。そしてルディの恋を全力で応援すると体育会のノリで暑苦しく語ったカイトをルディは引き気味に苦笑していた。今後、次元が違えど友情は続いていくと何故か信じられる二人だった。



◇◇◇◇◇



ルディとの通信が終わり時間が動き始めた世界でカイト、『海渡』は感慨深さを感じてしばらく周りを眺めていたが、その姿が疲れたオヤジに見えていたとは海渡は考えもしなかった。


「新界さん、書類終わってなければ俺が引き継ぎます。早く帰った方がいいですよ」


「あ?いや、終わってるよ。なんだ、お前優しいな、何か後ろ暗い事でも?ハハハ」


「冗談きついっす。新界さん、最近ずっと残業続きでお疲れ気味だって皆言ってますよ。今もボウッと周りを眺めてじゃないですか、あの姿はヤバいです!過労死まっしぐらの危険サインです!」


「おま、オーバーなこと言うなよ。でもありがとな!それじゃ帰るとするか」


「「「「「はい、お疲れ様です。部長!」」」」」


「・・・皐月、後は頼んだぞ。不都合があれば連絡をくれ」


「分かりました、それでは良い週末を~」


「ああ、皆も程ほどにな」



10年ぶりの日本、10年ぶりの役職呼びに一瞬戸惑った海渡だったが思った以上に自分の順応性の高さを実感していた。次は10年ぶりの我が家だなと感慨深く思い始めたら急激に嫁と子供の顔が見たくなった海渡は、異世界での転移魔法をうっかり思い浮かべ、魔法が使えると思っていなかった海渡は次の瞬間驚愕してしまう。会社のロビーから自室の書斎へ転移してしまっていた。


「うそぉ~~~!ヤバいヤバい!誰かに見られてないか?魔法が使える?ひょっとして勇者の能力そのまま消えずに帰還したか?これはルディに聞かないとダメだ、ほんとヤバい!」


大慌てでルディに連絡するが、何を当たり前のことをとあっさり言われ記憶を消していないのだから勇者の力も残っているが海渡の世界の魔力量は少ないので力としては今までの10分の1以下だと告げられる。それでも魔法が無い世界で魔法が唯一使える海渡は本物の能力者だろう。事実会社から自宅までの10キロ弱の転移が出来たのだ。これだけで超人だと嬉しがるより今後の自分を心配してしまう、らしくない海渡だったが、ルディと話しているうちに自分が何処にいても何をしていても変わることはないなといつの間にか落ち着いていてさらに二人で嫁自慢恋人自慢大会が小一時間開催されるのであった。


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