ただ春が訪れるだけ 作者: haL. 掲載日:2018/03/29 蝋燭(ろうそく)の火が吹き消されるみたいに 日々燃える命が消えてくから 日々灯る命があることも知っているけど 消える命ばかりを見つめてしまうのは きっと人の性(さが)なのでしょう 例えば明日僕が生きていること それが当然だ と言い切れる人はどこにいますか 例えば今死んだ人の薄れゆく意識を 二度と取り戻すことはできない と言い切れやしますか 風が吹いて立ち上った 土煙 砂塵(さじん)みたいに 定まらぬ命 記憶が ただそれぞれに流転して 悲しさ 怒り 思い出その他 今までが灰になるから やがて燃やされて立ち上った煙が 涙 叫び声もみんな 風に乗って空を渡り 温かな日差しと共に ただ春が訪れるだけ ただ春が訪れるだけ