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妖人世界でもう一度  作者: 彩希
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出発準備

朱紅さんは、主力が火の妖怪だから同じ火、相性の良い風の妖怪から力を借りやすいらしく、その下級妖怪


たちに聞いて、川のある場所などを聞いた。


下級妖怪たちは両手のひらにのるくらいの小ささだ。かわいいなぁ...しばらく見ていると、下級妖怪たちの


姿がだんだん薄くなっていく。あれ?目をこすってもう一度見るとハッキリとした姿に戻っていた。


何だったんだろう?気のせいかな?


「柚、食料と水は、俺と朱紅が調達してくるからここで待っててくれ。」


「あ、はい。」


「よし、朱紅、障壁を頼む。」


「ああ。」


璃央さんにそうこたえた朱紅さんは私に言った。


「お前に怪我はさせねぇから、驚いて逃げたりするなよ。」


ん?どういうこと?


「いくぞ。」


そういうと、朱紅さんは片手を私に向けた。


えっ、私、全く了承してないんですけど..


「ちょっと待っ、」


ボオオ、言い終わる前に私に向けられた朱紅さんの手のひらから、炎が吹き出した。


えっ、怪我するでしょ、これ。反応ができず呆然と立ち尽くしていると、だんだん炎が私に向かってくる。


そして、私の周りをドーム状に避け、広がったと思うと、消えた。


「へ?」


何とも間抜けな声を出してしまった。


「朱紅、もう少し説明したら?」


「そういうことはお前がしろ、俺はそういうのは苦手だ。」


「はぁ、分かったよ。柚、驚かせてごめんね。今のは、障壁といって柚を守るために、朱紅の妖力、炎で柚


を守ってくれるんだ。見えなくなったけど、ちゃんとあるから安心して。」


バリアみたいなものか、面白いなぁ。


「ありがとうございます。じゃあここで待ってますね。」


「ああ、行ってくる。」


そういうと、璃央さんと朱紅さんは木々で道もない中に進んでいった。足、速いな。


二人が戻ってくるまで暇なので、障壁というヤツを触ってみた。すると、カチッ、という音とともに触れた


手が弾かれた。中からも出れないんだ。触れた部分からは炎が少し出ていたが、手は熱くなかった。


怖いというよりきれいだな。この炎


『きみ、障壁は初めて?』


足元から声がして、見てみると炎の下級妖怪だった。火の玉みたいな見た目でかわいらしい。


「うん。」


『そう...肩にのってもいい?ずっと浮かんでるのは大変だから。』


「良いよ。」


『ありがとう。』


肩にのってきた下級妖怪はふんわりと暖かかった。


無言でぼーっとしていると、木々が揺れた。


その直後、バリーンッとけたたましいガラスの割れるような音が響いた。

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