表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖人世界でもう一度  作者: 彩希
2/8

出会ったら、いい人

「は?えっ、ここ、どこ?」

いきなりのことに動揺を隠しきれなくて、落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせる。

周りを見渡してみると、木々の間から右側に道のようなものが見えた。

「他には、木しかないし...」

とりあえず、道まで出よう。

歩いてみると、地面がデコボコしていて、歩きづらい。

「こっちは、いつもコンクリートの上歩いてるような現代人なんですよ!」

歩いてると、落ち着いてきて、つい愚痴がこぼれる。

「でも、まあ誰にも聞かれないんだし、いいか。」

今まで本当はずっと望んでた。自分のことを誰一人知らないような場所で自由に生きたいって、

しばらく歩いて、道に出た。

「見えるような、見えないような...」

遠くの方に村のようなものが見える気がするのだが、視力には限界があるため、はっきりとはわからない。

「少し歩いてみるか」

腕時計をみると10分くらいたっていた。両側には、まだ森が続いている。

ガサガサ、

「何かいる?」

身を隠しながら音の聞こえる方へと近づいて行くと、人がいるのが見えた。

「嘘...金髪と赤髪」

赤も自然に出るとは思えないほど燃えるような赤色だ。

それに、何あの服、着物と...刀!?

次の瞬間、赤髪の男の人が向こう側にいる人に火の玉のようなものをとばす。そして、金髪の男の人が刀を持って斬りかかった。斬りかかられた人は黒いもやになって消えてしまった。

色々ありすぎて、もう何も驚かない。

どうしよう、話しかけたら斬られるかな、

「おい、璃央(りお)、見られてんぞ。」

「ん?」

バレてた。もう、死ぬんだ。短い自由だったなぁ、

「おーい、出てきてくれよ。」

私は、木の影から出て、姿を現した。

「女!?なんでこんな村はずれの森にいるんだ?まずいもん見せちまったな、璃央。」

「あー、大丈夫か?悪かった、嫌なもの見せちゃって」

謝られた、心配までされてるし、悪い人ではないのかな?

「大丈夫です。別に血も見てませんし、なんか気を使わせてしまってすいません。」

「えっ、平気なのか?」

金髪の人がもう一度聞いてくる。

「肝座ってんなぁ、お前。ん?お前今血を見てねぇって言ったか?」

「はい。なんか黒いもやもやになって...」

そのまま消えてしまったから、血なんて見えなかった。

「おぉ!なんだ、見えてるなら言ってくれよ。人斬りと思われたかと思っただろ。」

いや、あなたが斬りつけてたのにかわりはないから、人斬りでしょう。

「だから、あんまり怯えてなかったんだな。」

それは諦めてたからですよ。

「あ、名前言ってなかったな!俺は璃央(りお)だ。髪が赤いこいつは朱紅(しゅこう)だ。妖怪だぞ。お前は?」

やっと名前を聞けた。これで髪の色で呼ばなくてすむ。って、妖怪⁉見えるって、なんか勘違いが起こってる

「えっと、柚です。妖怪ってどういう事ですか?」

璃央さんが驚いた表情をする。

「えっ?知らないのか?」

「言葉の意味は知ってますけど、実在はしないでしょう?」

昔は妖怪が実在したとか言うけど...

璃央さんに確認すると、さっきまで静かだった朱紅さんが口を開いた。

「見える奴の教育を受けてないんじゃないのか?」

「ああ、場所によってはあるかもな。柚、お前どこの村の出身だ?」

璃央さんは納得して、質問してきた。

「えっ,」

どうしよう。異世界から来ました。なんて絶対信じてもらえないし、あっ、最近読んだ本にあった設定を使おう‼

「私の村は、村といえる程の人はいなくて、全員会わせても20人くらいで、特定の場所にはとどまらずに移動しながら暮らしてます。」

これで、場所の特定は無理なはず

「お前はその村からはぐれたのか?」

「あ、えっと、村は火事で燃えました。家は布などを木の枠組みに被せるようなもので、起こったのが夜だったので、なんで私が生きてるのかはわかりません。」

「そっか、なら知らないのかもな。よし、じゃあ俺が教えてやろう。妖怪と人間について」

悲しいことを吹き飛ばすような笑みで璃央さんは言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ