犬との暮らし 三
ポンに遊んでもらっていた。
秋のはじまりから、時は過ぎてゆき、秋まっさかり。
ショコラは生後3ヶ月程。
ポンは2才。
お母さんも「モミジの葉も紅葉してきたね」とか今朝言ってた
気がする。
僕の家の周りは少し都会のようで、そのさらに周りは山に囲まれている。
その山には、神社が三、四件程あって、今日はその中でもかなり
モミジが紅葉している、犬紅神社に行くことになった。
もちろんポンとショコラも連れて行く。
さっそく、お母さん、お父さん、姉、ポン、ショコラと車に
乗った。
ポンは何度も車に乗ったことがあるけど、ショコラは初めての車だからか、少し「オドオド」している。
エンジンをかけると、「キャンキャイン」と鳴き、お母さんが
抱えても、鳴き止まないので、「僕が抱えるよ」と言うと、
お母さんが僕に渡してきた。
僕が抱えると、ショコラは鳴き止んだ。
お母さんは、「一番最初に抱えたのがあんただからじゃない?」
と、笑いながら僕に言ってきた。
車のまどを開け、ショコラに車に乗る楽しさを教えた。
山の中の道に入ってしばらくすると、まどの外が緑色から、紅色に変わった。
「ショコラ見てこれ全部モミジだよ」僕はたまにそうやって、
ショコラに教えてあげたりした。
ポンは僕の隣でふせをしている。
車が止まると、僕は外に出た。
周り一面紅色だ。
この犬紅神社はなぜこのような名前をしているのか、神社の境内を掃除している巫女さんに聞いた。
「この神社はね、あるえらい犬の神様が祀られているの。その犬はね、江戸時代、人里の畑を荒らす猿を追い払ったり、その人里の周りの山にいる畑に害を及ぼす動物をその山から追い払ったりしていたの。だけど、あるとき狩人が山に出かけた時その犬が死んでしまっていたからそこにお墓をたてたそうよ。その墓のある場所が紅色のモミジで彩られていたからこの犬紅神社って名前になったの」そう詳しく説明してくれた。
ショコラは説明してくれている間に僕の腕の中で眠っていた。
ポンはお母さんの持っているリードにつながれて走り回ったりしていた。
さっそく、神社の賽銭箱に百円玉を入れてお願いをした。
心の中で「ポンとショコラが長生きしますように」と願った。
その後は、モミジを見たり、写真を撮ったりした。
車に乗ると、ショコラが起きた。
「ショコラ、もうモミジ見おわっちゃったよ」と、言ったら、
ショコラはなぜか、笑顔を僕に見せた。
車が動き出すと、まどをあけ、外の景色を楽しんだ。
家に帰ると、ポンとショコラを車から下ろし、家に入れた。
家の中に入っていく後ろ姿は、二匹共出会った時よりも
大きくなっていて、「成長したな」と思った。
家に入るとポンは眠っていて、ショコラはぼくのもとへボールを持ってきて、「遊ぼうよ」と言うように尻尾をぶんぶん振って
いた。
ショコラもボール遊びをした後また、すぐに寝てしまった。
次の日、「ポンとショコラがいない」かと思いきや、
庭で走り回ったり、ボールを取り合ったりしていた。
だけど、遊んでいる間にショコラが片足引きずっているように
見えた。
よく目を凝らしてみると、やっぱり引きずっている。
すぐにショコラを抱き上げて、お母さんに話して、車に乗った。
動物病院に着くと、少し人がいるだけで、すぐに診察してもらえそうだった。
やっと、名前が呼ばれた。
受付の人に事情を話し、診察室に入った。
「けがをしていますが、骨に異常はありません」
僕は安心した。
「ありがとうございました」そう言って、お母さんと診察室を
出た。
家に着くと、ショコラは寝てしまった。
どうでしたか?
今回は神社に行きました。
ショコラも初めての車に怖がっていましたが、
無事に連れて行くことができました。
この小説を読んでいただきありがとうございました。