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んんー。五回中二回もバーストしちゃったー。ちょっと攻めすぎたかな。まぁ三回勝てたからいっか。次は何しよう。もうちょい稼ぎたいんだけどなー。あれ?なんかあっちに人が集まってる?あっちてバカラがある方だよね?誰かめっちゃ稼いでるのかなー?



人だかりの中にいたのは高級そうなスーツを着てニコニコ微笑んでるいる男。私に気づいてゲームをやめ、近づいてくる。


「おや、チェシャ猫さん来てたんですか。」


「こんばんは、白うさぎさん。今日も沢山稼いでらっしゃるようで。」



「賭け金を高くしないと楽しめないのでね。負けるかもというスリルがあるからゲームは楽しいのですよ。チェシャ猫さんも稼いでいるようでなによりです。」



この人は白うさぎさん。本名は知らない。この裏カジノで会って私にチェシャ猫という名前をつけてくれた人。年は二十代前半らしい。背も高いし顔もイケメンだからモテそう。うん、モテるよね。



「私にスリルはいらないので。もうちょっと稼ごうと思いましたが今日はもう帰ります。白うさぎさんはまだ遊んで行くんですか?」



「そうですねぇ。僕も帰ります。近くまで送りましょう。」



白うさぎさんは、よく私を送ってくれる。さすがに家は教えてないけどね。白うさぎさんは紳士っていう言葉が一番あてはまる。


「ありがとうございます。では、行きましょう。」



白うさぎさんにエスコートされカジノを出る。最初にエスコートされた時は恥ずかしかったけど今はもう慣れた。慣れって怖い。



裏カジノに出入りしてるだけあって白うさぎさんは金持ちだ。迎えにくる車も高級車。乗り心地は最高。ふかふかだよ。ふっかふか。


あ、そーいえば。



「今日、帽子屋さんに会わなかったんですけど。白うさぎさんは会いました?」


裏カジノで仲良くしてるのは白うさぎさんと帽子屋さんの2人。帽子屋さんも白うさぎさんと同じぐらいの歳だと思う。うん、イケメンさんです。


「今日は仕事が忙しいそうですよ。」



「そーですか。私も忙しくなるのであまり来れないから会っときたかったんですけどねー。」


これから学校だし土日しか来れない。平日に行けるのは夏休みぐらいだなー。まだまだ先だけど。今日いっぱい稼げたしお金に不自由はしないけど、2人に会えないのはさみしーな。



「そうなんですか。それは寂しいですね。では、カジノに来る時はこのアドレスにメールしてください。帽子屋のも渡しときます。」



「え、いいんですか。いや、ダメでしょ。危険です。危ないです。ほら携帯しまってください!」



普通、本名も知らない人に個人情報を渡すか?普通の人は渡さない。カジノで仲良くしてるだけだよ?他に何の繋がりもないのに。個人情報の流出は良くない。



「大丈夫です。帽子屋も良いって言ってましたし安心してください。この携帯はプライベート専用なので気軽にメールしてくださいね。」



「いやいやいや。どこも安心出来ませんて。プライベート用はダメでしょ。完璧、個人情報流出ですよ。白うさぎさん達って絶対どこかの偉い人でしょ?やばいって!」



気軽にーって絶対無理!え、もう、何なの。落ち着いて。はい、深呼吸。はあー。


「僕って結構、見る目あるんです。だから大丈夫です。あっ、ほら着きましたよ。ではまた。ちゃんとメールしてくださいよー!」



ええー。言葉を返す暇もなく車は行ってしまった。降ろされたのはいつもの公園ではなく家の前。あの人、私の家を調べたな。ってことは名前も知られている。ちくしょう。一応チェシャ猫=森川留美って事は隠してたのに。今度会ったらとっちめてやる。



もう、今日はふて寝だ!

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