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「お姉ちゃーん!起きて起きて!もう9時だよー!」
「んー。わかってるよぉー。今行くからカフェオレ作っといてくれる?」
「うん!早くね!」
ふわぁ。あー。よく寝た。一回七時に起きたのに二度寝しちゃった。とりあえず顔洗わなきゃー。歯も磨かなきゃー。
「お姉ちゃん!カフェオレ出来たー!えらい?えらい?」
リビングに行くと柚がカフェオレを作って待っていてくれた。うん、美味しい。
「いつもどーり、美味しい!ありがとねー。」
「えへへー。なでなでしてー!」
「もう!かわいいぞぉー!このこのぉー!」
はぁ。なんてかわいいのぉ!んー。相変わらずサラサラの髪だなー。かわいいなぁ。
「じゃあちょっと待っててね。ご飯作っちゃうから。」
食パンあったよねー。卵と牛乳あるし。うん、フレンチトーストにしよう。
フライパンにバターを入れてー。バターじゃなくてマーガリンだった。まぁ、似たようなもんさ。マーガリン入れてー、焼くだけー。簡単フレンチトーストの出来上がりー。
「はいどーぞ!完成でーす!」
「やったぁ!フレンチトーストだ!お姉ちゃんチョコレートソースかけて!」
柚はチョコレートソース。私は蜂蜜をかけてー。いやぁ、美味しいわぁー。うんなかなかうまく出来ましたな。
柚より早く食べ終わり、昼食と夜ご飯を作る。夜は一緒にいられないからなぁ。今日は一緒に寝れないかぁ。
「よし。出来たーっと。柚食べ終わったー?」
「うんー!ごちそーさま!おいしかったぁ!」
「はい。お粗末様でした。ほらテレビの方行ってて。昨日録画したの一緒に見よう。」
柚は、はぁーいと言ってテレビに向かう。さっさと洗い物して柚とテレビ見よーっと。
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「柚。ちゃんと鍵閉めて。誰が来ても開けちゃダメだからね。ご飯は冷蔵庫中だからレンジで温めて食べて。じゃあ行ってきます。早く寝るのよ。」
「うん。お姉ちゃんもお外暗いから気をつけてね。いってらっしゃい。」
「うん。いってきます。」
もう、四月だけどまだ夜はちょっと寒いなー。外に出てあらかじめ呼んでいたタクシーに乗る。行き先は繁華街。
タクシーから降りて繁華街の奥へ向かう。そこは日本でたった一つしかない会員制カジノ。ちゃんとした格好じゃないと入らない。
私だって青いミニドレスを着てる。いつもの私と雰囲気を変えるため右目に泣きぼくろをつける。これだけでも結構変わるんだよ。
カジノのドア開けて受付へ向かう。
ここでちょっと説明するね。
このカジノは一般人向けとその他の二つあるの。一般人向けは賭け金の少ない初心者向きのゲームが出来る。ほとんどの人がこっちの表カジノしか知らない。
その他は一般人以外の人達向き。金持ちとか極道さんみたいな人向きの裏カジノ。
表カジノのよりは人は少ないけど賭け金は段違い。勝てば金持ち。負けても、楽しかったーって思う人もいるし、そこで人生が終わっちゃう人もいる。
受付の人にカードを見せる。VIP会員のカードだ。するとVIP会員担当の案内人が来て個室に案内される。そこで合言葉を言うと裏カジノに入れる仕組みになってる。
「ようこそ。チェシャ猫様。お待ちしておりました。」
「うん。今日もよろしくね。とりあえず30万で。」
裏カジノでは本名を呼んではいけない。みんな偽名だ。裏カジノでの私の名前はチェシャ猫。自分で考えたわけじゃないからね!
「チェシャ猫様。こちら30万のチップでございます。」
「ありがとねー。じゃあ最初はブラックジャックでもやろーかな。」
裏カジノでは一人につき一人、お店の人が付くことになっている。現金をチップに変えたり、飲み物を持って来てくれたりね。みんなプロだから、喉が乾く前に飲み物を持って来てくれる。すごいよねー。