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「もう、吐く。え、なにあの可愛い子。見た?舞台に出てきた柚の格好!蝶ネクタイしてた!もう可愛いすぎでしょ!あーもうやばい。始まるときのあのペコッて!ペコッてした!お辞儀!もうパーフェクト!ねえ、見た?その時こっち向いてニコッて!鼻血出るかと思った!ピアノのも上手だったし!あーどうしよう!ここにいる人達みーんな柚のこと見てたよね!ストーカーとかになったらどうしよう。もちろん叩きのめすけどさ。私の可愛い柚にストーカーなんて、死んでも許されない罪だよね!とりあえずストーカーになりそうな奴の目をえぐってくるね!あ、写真あとでちょーだいね。」
「はいはい、ちょっと落ち着け。あんたが弟君のこと話してる間に入学式終わったから。先生めっちゃこっち見てたから!」
「はっ!いつの間に!みんなクラス行っちゃった?早く目をえぐらなきゃ!」
「大丈夫だから!みんな他の人を見てたから!お願いだから殺人はやめて。」
え、柚の可愛いさに気づかなかった?嘘でしょ柚の可愛いさに気づかないとか眼科行った方がいいよ。重症だよ。まぁ、変質者が増えないからいいけど。
「柚より可愛い子はいなかったと思うけど?誰を見てたのー?」
柚より可愛いとしても柚には可愛いさだけではなく優しさも滲み出てるの!柚に勝てるわけないわー!!!
「神宮楓よ。あんたの幼馴染。」
「なんだ。楓か。そりゃみんな見るよね。だってめっちゃイケメンだし。」
神宮楓は幼稚園から一緒の幼馴染?腐れ縁?みたいな感じ。そういえば今日新入生代表で本日はお日柄もよく〜なんちゃらこんちゃら読むっていってたなー。その時なんか頼まれてたはず。なんだっけー?まぁ、あとでいっか。
「ほら、クラス行きましょ。あんた、何組?」
「えーと、たしかB組だった気がする。咲は?」
「Aよ。離れたわね。」
「あー、やっぱりー?A組って超金持ちしか入れないもんね。まぁ、頑張れ。」
「えぇ。お昼はそっちに行くから。じゃあね」
星響高校にはAからDまでクラスがありA組は金持ちB組からD組までは成績順。つまりBは優秀Cは普通Dはバカ。うん。わかりやすいね。学年10位以内に入る成績優秀者には学費免除の特典がついてる。お金は無限じゃないからね。少しでも節約しないとね。
私の家も金はあるんだけどねー。事情もあるのですよ。
とりあえず早く教室行って柚の写真見よーっと。