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第一組『複雑諭吉』

第一組は『複雑諭吉』の登場です。

複雑諭吉

加賀 ボケ 

広崎 ツッコミ


広崎)「はいどうも複雑諭吉で~す。よろしくお願いしま~す」

加賀)「いきなりですけども」

広崎)「はいはい」

加賀)「ボク巨大イカに入隊しようかなと思っていましてね」 

広崎)「いきなりだな!何だよ巨大イカってのは」

加賀)「知らないんですか?イカが突然大きくなったタイプ」 

広崎)「知るか!そんで入隊してどうしたいワケ?」

加賀)「愚問だな。巨大イカの体内でイカ墨を盗んで書道をやるんだよ」

広崎)「師範代でも目指すのか!入隊していきなり風紀乱してんじゃねえぞ」

加賀)「書の心を極めたいんだよ…」 

広崎)「自分勝手だな!でもお前がどんだけ意気込んだ所で巨大イカの体内は手加減なしだからな!死にたくなければやめておけ」

加賀)「いやだ、書の道を諦めることは出来ない」 

広崎)「それをいうならフツーに書道な。別にわざわざイカの体内でやんなくたっていいだろ、言っとくけど危険地帯だぞ」

加賀)「だから毎晩サバイバル能力を鍛えてんだよ」 

広崎)「知らねえし!並大抵のやり方じゃ追いつかねえっつーの。やるなら晩以外にもやらんかい」

加賀)「今腕立て伏せを100回出来るようになったぜ」 

広崎)「初歩的だな!お前などイカの胃袋にパクパクされろ」

加賀)「おかげで見てくれよ、この力こぶを」 

広崎)「そういうのは露出した格好で言え。思いっきり長袖だぞお前」

加賀)「だって漫才グランプリだからな」 

広崎)「正装を言い訳にすんな!そういうのを常識の奴隷っていうんだよ」

加賀)「ああ膨らんできた」 

広崎)「必死だな」

加賀)「あ、ダメだ、もうすぐ破裂する」 

広崎)「こっち来んな!」

加賀)「ヤバイ、限界だ」 

広崎)「あっち行けったら」

加賀)「バン!痛って~筋肉断裂だ」 

広崎)「耳キーンなっちゃったじゃねえか!お前はアスリートに土下座しろ」

加賀)「もう痛いからこりごりだ」 

広崎)「結局中途半端だったな」

加賀)「武器を持って行こう」 

広崎)「別の策を用意してんじゃねえよ」

加賀)「強力な武器がいるな」 

広崎)「サバイバルナイフでも持っていくのか?」

加賀)「相手はイカだぞ。もちろん刺身包丁だ」 

広崎)「巨大イカナメてんじゃねーぞ!」

加賀)「確実にイカソーメンにしてやっからな」 

広崎)「ミンチにされるのはお前だよ」

加賀)「ていうかイカ臭せえ」 

広崎)「今更かよ」

加賀)「吐き気するよ」 

広崎)「酔い止めでも飲んでろ」

加賀)「一晩でひと瓶飲んだんだがな、効かねえ」 

広崎)「別の副作用だ」

加賀)「息も出来ないよ」 

広崎)「呼吸困難で死ぬかもな」

加賀)「死ぬ前に書かねば」 

広崎)「一筆に命込めやがれ」

加賀)「むん!」 

広崎)「何て書いたんだ?」

加賀)「初日の出」 

広崎)「小学生か!小学四年生じゃねえのか?」

加賀)「間違えて初日しょにちの出って書いちゃった」 

広崎)「安心しろ。黙ってりゃ誰も気づかん」

加賀)「本当か?」 

広崎)「そりゃそうだろ、字面は同じだし」

加賀)「いや、心配だから鑑賞してくれた人たち一人ひとりに弁明するよ」 

広崎)「どういうことだよ、何を弁明するんだ」

加賀)「だからさ、一人ひとりにしょにちの出じゃなく、ちゃんとはつひの出って書けましたよって」 

広崎)「悪いけど逆効果だぞ」

加賀)「どうだ?」 

広崎)「何がだよ」

加賀)「ボクの魂を込めた書の出来栄えは」 

広崎)「びっくりだよ…そのフレーズを選んだセンスのなさに」

加賀)「勇気を出せばヒトは何にでもなれるんだ」 

広崎)「その勇気、真似たくねえな」

加賀)「これで心おきなく死ねるな」 

広崎)「価値観が共有出来ん」

加賀)「ああ、なんてスッキリした境地だ」 

広崎)「スマンが一般人の俺には理解不能だぜ」

加賀)「ちょっと英会話教室行ってくらあ」 

広崎)「支離滅裂だ、とうとう遠い人になっちまったよ」

加賀)「これはバナナではありません」 

広崎)「…で?」

加賀)「バナナではなく洞窟です」 

広崎)「間違えるか!」

加賀)「洞窟は増えません」 

広崎)「知ってるよ!」

加賀)「増えずに減って行きます」 

広崎)「何なんださっきから。お前英会話の日本語のパートだけ覚えて来てんだろ?」

加賀)「これでボクもついにバイリンガルだ」 

広崎)「バイどころかユニでもねえよ」

加賀)「後は巨大イカの体内に入隊するだけだな」 

広崎)「どういうことだよ、お前にとっての巨大イカのステータス具合が掴めん」

加賀)「しかしその前にイカ語をマスターしなければな」

広崎)「それはやんなきゃいかんことなのか?」

加賀)「イカの心を知らなければイカには入隊出来ん」 

広崎)「言い切ってやがる。だけどイカの心を知る必要はないと思うぞ」

加賀)「イカになりきって初めてイカにイルことが出来るんだよ」 

広崎)「イカを奥義みたいに言ってんじゃねえ」

加賀)「イカにイレば宇宙の神秘に辿り着けるぞ」 

広崎)「さっきからイカにイルってどういう状態だよ!」

加賀)「イカにイル、イコール宇宙の誕生だからな」 

広崎)「自信を持って言うが、それだけは絶対に、無い!」

加賀)「見える…生れゆく星々…」 

広崎)「イカにイッてんじゃねえ!もはやお前はこの世で一人ぼっちだ!」

加賀)「見える…触手のようなものから無数の吸盤が現れた!」 

広崎)「ただのイカの肢じゃねえか!お前はイカにイルことは出来ないみたいだな、代われ!」

加賀)「やはりイカにイルことは至難の業だった」 

広崎)「う、うあああ!」

加賀)「どうやらもがいているようだ、命を賭した戦い、それがイカ道…」

広崎)「あ、あしが~」

加賀)「どうした!」 

広崎)「ブラックホールの中から~~」

加賀)「ついに現れたか!」 

広崎)「うっ…」

加賀)「大丈夫か!」 

広崎)「ついに…ついに辿り着いた」

加賀)「イカにイル事が出来たのか?」 

広崎)「アタリメ~~」

加賀)「臭っせ~、コイツ失敗しやがった!」 

広崎)「しゅしゅ臭~~~~~~」

加賀)「おげえ、吐きそう…」 

広崎)「しゅしゅしゅ…」

加賀)「おい!」 

広崎)「?」

加賀)「お前イカ臭秀治だろう?」 

広崎)「どうしてわかった?」

加賀)「どうしても何もイカ臭せえからだよ!」 

広崎)「ぶしゃ~~」

加賀)「イカ墨の無駄遣いをしてんじゃねえ!」 

広崎)「お前鈴本雅之だろ?」

加賀)「ちげーよ!テメエのせいで黒塗りになっただけだよ!」 

広崎)「違うのか?」

加賀)「まだ疑ってんのか、しつこいよ」 

広崎)「証拠はあんのか?」

加賀)「ほら!墨だ…しかも生臭せえんだこれが」 

広崎)「お前嘘ついてんじゃないだろーな」

加賀)「猜疑心の塊か!テメエにはカウンセリングを勧める」 

広崎)「書いてみろよ」

加賀)「何がだよ!」 

広崎)「だから書いてみろよ」

加賀)「わかったよ、ほれ」 

広崎)「ん?読めんな…」

加賀)「イカ語で書いたからな」 

広崎)「テメエ、いつ習得した?」

加賀)「お前がイカ臭秀治に転生した瞬間だよ」 

広崎)「訳せ!」

加賀)「はっ?」 

広崎)「だから…日本語に訳せって」

加賀)「訳せば、努力を続ける者のみが増年多糖類に救われる、ってテメエイカにイッてねえだろ!」 

広崎)「何故だ、何故わかった!」

加賀)「テメエがイカ語を読めないからだろが!もういいよ」 

広崎)「ありがとうございました~」

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