冬に届いた絵
掲載日:2026/02/13
椿の花に雪が積もっていた夜に
あの手に描かれた冬の金魚の絵がうかんだ
雪が描いてゆく
点々と落ちた紅い花弁に
ビオラの花壇に
あちこちに浮び泳ぐ冬の金魚
いろんな景色を見る度にあの絵を想い出していた
舞い落ちる雪にもあの花の絵を想い出して
あの声が真っ赤な心臓が
いつも歌へと導いてゆく
何故 互いに呼んでいる
わからないけど
君の手を離したくなかった
まだ艷やかな万両の実をひとつ摘んで
手のひらにのせて
真っ赤な 小さな万両実を
潰さないように大切に持ち帰る
机の棚 小石の隣にそっと置いた
雲間の月の裏側で
「春隣となりますように」 と
繊細な雨粒の囁きが聴こえた




