65旅―冒険者(アルセルフ国)45
城への招待
虹光の誓約が終わった翌朝、神殿に泊まった僕達に王城から使者が来た。
「陛下より、スワロ公爵家の御子息とその仲間を城へお招きしたいとのことです。」
メデルは目を丸くし、ブランデットが肩をすくめる。
「……城?僕たちが?」
フーマが銀毛を揺らしながら低く笑った。
「まぁ、誓約の立役者だ。断る理由はないな。」
その時、広間の隅で小さな光銀竜が尾をぱたぱたさせていた。
『……僕も……行く……。』
メデルが振り返り、驚いた顔をする。
「えっ、光銀竜様も?」
『……だって……寂しい……。(〃ノωノ)』
ロカが翼をぱたぱたさせて笑う。
『かわいい!竜なのに寂しがり屋!』
ルククが炎を揺らしながら、いたずらっぽく言った。
「でもさ、光銀竜様……城の扉、通れる?ロカくらい小さくなれる?」
光銀竜は一瞬固まり、尾をゆっくり揺らした。
『……が、頑張る……。昨日より……もっと小さく……。(〃ノωノ)』
ブランデットが吹き出す。
「竜の威厳、どこ行ったんですか(笑)!」
フーマがため息をつき、剣を肩に担いだ。
「……まぁ、連れて行くなら、目立たない方がいいな。」
メデルが笑顔で銀竜に手を差し伸べる。
「じゃあ、一緒に行こう。僕たち、みんなで城に行こう!」
光銀竜は小さな声で呟いた。
『……うん……でも……お腹すいた……。(〃ノωノ)』
ロカとルククが同時に叫ぶ。
「また!?」
『じゃあ、道中でおやつだね!』
広間に笑いが広がり、虹光が柔らかく揺れた。
王城への道は、砂漠の朝風が吹き抜ける静かな街道だった。
メデルは光銀竜の小さな背を見ながら笑った。
「……本当に来るんだね、光銀竜様。」
『……だって……寂しい……。(〃ノωノ)』
ロカが翼をぱたぱたさせて飛びながら、いたずらっぽく言う。
『でも、もっと小さくなれる?ロカくらい?』
光銀竜は一瞬固まり、尾を揺らした。
『……が、頑張る……でも……お腹すいた……。(〃ノωノ)』
その時、外壁の外遠くの砂丘の影が動いた。
「……外壁があるから大丈夫か?…大丈夫じゃない!!来るぞ!」
マルコが叫ぶ
「滅多に飛び越えないって司教様言ってたじゃん!!何故来る!!」
フーマが剣を抜き、銀毛を逆立てる。
塀を飛び越えて現れたのは巨大な魔獣砂蠍。
黒い甲殻が月光を反射し、毒針が砂を突き刺す音が響く。
「でかっ!」
ブランデットが目を丸くし、メデルが呟く。
「……お腹すいてるって言ったばかりだよね……。」
光銀竜の瞳がきらりと光った。
『……食べる……。』
次の瞬間、銀光が砂を裂き、砂蠍の甲殻が砕けた。
フーマが剣で止めを刺し、ルククが炎で毒を焼き切る。
ロカが風で砂を払い、ケルビスが土魔法で即席の調理台を作った。
「……竜の朝食、第二幕だね。」ブランデットが苦笑する。
ルククが炎で砂蠍の肉を炙り、香ばしい匂いが夜風に広がった。
光銀竜は小さな体で、もぐもぐと肉を食べながら呟く。
『……おいしい……もっと……。(〃ノωノ)』
メデルが笑顔で言う。
「じゃあ、これで元気になって……城に行こう!」
王城の門が開き、黄金の光が広間を満たした。
アルセルフ国王ラディウスが立ち、王太子アルディスが隣に並ぶ。
幼いミルフェン王子は、メデルを見て目を輝かせた。
「わぁ……本当に来たんだ!」
だが、その視線の先…光銀竜がいた。
ロカサイズで、よちよち歩きながら尾をぱたぱた。
『……小さくなりすぎた……。(〃ノωノ)』
ブランデットが吹き出す。
「おい、威厳どこ行ったの!?」
ロカが笑いながら飛び回る。
『かわいい!竜なのに僕と同じサイズ!』
王太子が思わず苦笑し、王が低く呟く。
「……これが、世界を揺るがした竜か。」
フーマが肩をすくめる。
「理は揺れたが、竜の威厳も揺れたな。」
光銀竜は恥ずかしそうに尾を揺らしながら、ぽつり。
『……でも……お腹は満たされた……。(〃ノωノ)寂しかったの…。』
広間に笑いが広がり、虹光が柔らかく揺れた。
広間に虹光が柔らかく揺れ、笑い声が響いていた。
その奥、静かに歩み寄る女性の姿があった。
王太子妃、若く、凛とした気配を纏い、腹部には新しい命の温もりが宿っている。
アルディスが彼女の手を取り、誇らしげにメデルたちへ紹介した。
「……彼女が、私の妻だ。もうすぐ子が生まれる。」
メデルは目を輝かせ、ブランデットが微笑む。
「おめでとうございます!」
王太子妃は優しく微笑み、メデルの小さな手を取った。
「あなた方が誓約を果たしてくれたおかげで、この子は平和な世界に生まれます。」
その時、光銀竜がよちよち歩きながら、ぱたぱた尾を揺らして近づいた。
『……赤ちゃん……?』
アルディスが笑みを浮かべる。
「そうだ。私の子だ。」
光銀竜の瞳がきらりと輝き、声が弾んだ。
『……黒魔法の気配……ある……!すごい……!産まれたら……一緒に遊ぶ……!(∩´∀`)∩』
広間が一瞬静まり、次に笑いが爆ぜた。
ブランデットが吹き出し、ロカが空でくるくる回る。
『竜がベビーシッター!?かわいすぎる!』
ルククが炎を揺らしながら笑う。
「いや、竜と赤ちゃんが遊ぶって……どんな未来だよ!」
王太子妃は頬を染めながらも、優しく光銀竜を見つめた。
「……なら、この子を守ってくださいね。」
光銀竜は胸を張り…いや、よちよちしながら尾をぱたぱた。
『……約束する……!』
虹光が広間を満たし、未来への希望が静かに芽吹いた。
王城の広間。
その片隅で――小さな騒ぎが始まっていた。
ミルフェンが胸を張り、ブランデットとケルビスを見回す。
「僕たち、同じ歳だね!じゃあ、誰が一番強いか競争しよう!」
ブランデットが即座に笑う。
「強さなら僕だよ。魔法も剣も練習してるし!」
ケルビスが負けじと腕を組む。
「いや、僕だ!黄魔法なら負けない!」
その横で、メデルが小さな声で言った。
「僕も……」
すると、ミルフェンがぴょこんと振り向き、目を丸くした。
「えっ、女の子なのに『僕』って言ったらダメ!」
メデルがきょとんとする。
「え……僕、男の子だよ?」
ミルフェンはさらに驚いて、頬を赤くした。
「えぇぇ!?だって、可愛いから女の子だと思った!」
そのやり取りを見ていたルククが、炎を揺らしながら爆笑した。
「ぎゃははは!メデル、女の子に間違われてる!最高!」
ロカが空でくるくる回りながら笑う。
『かわいいから仕方ないよ!』
メデルは頬を膨らませて、必死に言い返す。
「僕は男の子だもん!」
ミルフェンは首をかしげて、いたずらっぽく微笑んだ。
「じゃあ、証拠見せて?」
メデルが真っ赤になって「えぇぇ!?」と叫ぶと、ルククはさらに爆笑。
「やめろやめろ!メデルが溶ける!」
広間に笑いが広がり、王族も思わず微笑んだ。
光銀竜はよちよち歩きながら尾をぱたぱたさせ、ぽつり。
『……みんな……楽しそう……僕も……遊ぶ……。(∩´∀`)∩』
ミルフェンはブランデットの背中をじっと見つめていた。
そこには、しっかりと結ばれた袋、城に入る為の検査でも、決して離さなかったもの。
「ねぇ、それ……何が入ってるの?」
ミルフェンが首をかしげ、無邪気な声で尋ねる。
ブランデットは一瞬、肩を強張らせた。
「……これは……」
言葉を探して視線を落とす。
その時、翠龍の声が静かに響いた。
『……言ってもいい。もう、隠す理由はない。』
ブランデットの胸に、緊張と安堵が同時に走る。
メデルがそっと兄の袖を引き、瞳を輝かせた。
「お兄様……話すの?」
ブランデットは深く息を吸い、ミルフェンを見つめた。
「……これは、精霊の森に返さなきゃいけない聖獣のたまごなんだ。」
ミルフェンが目を丸くする。
ブランデットが「聖獣の卵」と口にした瞬間、ミルフェンの瞳がきらりと輝いた。
「卵!? どんな卵!? ……食べられる!?」
広間が一瞬静まり、次の瞬間――光銀竜がよちよち歩きながら、尾をぱたぱたさせて叫んだ。
『た、食べちゃダメぇぇぇぇぇ!!Σ( ̄□ ̄|||)』
その声が広間に響き渡り、王族も侍女も目を丸くする。
メデルが慌てて両手を振った。
「食べる卵じゃないよ!聖獣の卵だよ!」
ミルフェンは首をかしげ、さらに無邪気な質問を重ねる。
「じゃあ、どんな卵?大きい?丸い?……美味しそう?」
光銀竜は顔を真っ赤にして(竜なのに)、必死に尾を振った。
『美味しくない!ぜんっぜん美味しくない!世界で一番食べちゃダメな卵なの!』
ルククが炎を揺らしながら爆笑した。
「ぎゃははは!竜が必死に『食べちゃダメ』って言ってる!最高!」
ロカが空でくるくる回りながら笑う。
『ミルフェン、悪気ないけど質問が危険すぎるよ!』
ブランデットは額に手を当ててため息をつき、ケルビスが苦笑しながら言った。
「……王城でこんな会話してるの、絶対記録に残るよね。」
その時、翠龍の声が静かに響いた。
『……その袋の中身は、我、翠龍…世界の理を揺るがすもの。だが、君達の心には……希望として伝わる事を願う。』
広間に虹光が揺れ、空気が一瞬で神聖なものに変わった。
ミルフェンは目を丸くし、ぽつりと呟いた。
「……守る卵……なんだ。」
光銀竜はほっと息をつき、よちよち歩きながらミルフェンの隣に座った。
『……ほんとに、食べちゃダメだからね……。(〃ノωノ)』
広間に笑いと安堵が広がる。
広間の笑いが少し落ち着いた頃、光銀竜はよちよち歩きながらミルフェンの前に立った。
尾をぱたぱたさせ、真剣な瞳で見上げる。
『……決めた……ミルフェンは……幼子……守らなきゃ……。(。-`ω-)』
ミルフェンはきょとんと目を丸くした。
「えっ、僕もう五歳だよ?幼子じゃない!」
光銀竜はぷるぷる震えながら、さらに言葉を重ねる。
『……でも……危ないこと言った……卵食べるとか……世界の理が確実に崩れる……だから……守る……!』
ルククが炎を揺らしながら爆笑した。
「ぎゃははは!竜に『幼子認定』される王子って何だよ!」
ブランデットが肩をすくめて笑う。
「ミルフェン、竜に保護されるってすごいな。ある意味、王族の特権?」
ミルフェンは頬を膨らませて言い返す。
「僕、強いんだぞ!守られなくても平気!」
光銀竜は小さな翼を広げ、きっぱりと宣言した。
『……だめ……守る……約束……!』
その瞬間、虹光がふわりと揺れ、翠龍の声が静かに響いた。
『……守る心は、理を繋ぐ力になる。幼子を守る竜――それもまた、新しい均衡だ。』
未来への絆が、静かに結ばれた。
ブランデットは静かに緊張していた。
王ラディウスの胸に、小さな影が落ちているように見える。
その影の正体――魔力の詰まりだ。
眉をひそめ、胸の奥で小さく呟く。
「……魔力の流れを整えたい。でも……ラディウス様に抱っこしてもらうなんて……」
視線が、同じ歳のミルフェンとケルビスに向かう。
(同い年の子がいる前で抱っこされるなんて……恥ずかしい……。)
頬が熱を帯びる。そんな様子に、銀毛の尾を揺らしフーマが近づいた。
「……何を悩んでる?」
低い声に、ブランデットは小さく打ち明ける。
「王様の魔力詰まりがあるの……ケルメデスアール様の時みたいに魔力を整えたい。でも……抱っこは……恥ずかしい。」
フーマは深くため息をつき、鋭い眼差しで言った。
「報告・連絡・相談だ。恥ずかしがってる場合じゃない。」
その時、メデルがぱっと顔を上げた。
「じゃあ、僕が抱っこしてもらって魔力の循環するよ!」
ブランデットは目を丸くする。
「えっ……メデルが……?」
メデルは胸を張り、にっこり笑った。
「僕、小さいし、恥ずかしくないでしょ?僕が抱っこされて、魔力を流すの!ケルメデスアール様の時も交代だったし!」
ルククが炎を揺らしながら爆笑した。
「ぎゃははは!ブランデット、俺の父さんにもされてたじゃないかぁ、恥ずかしがる事か?」
ロカが空でくるくる回りながら笑う。
『かわいい!お兄様だね!』
ブランデットは顔を赤くしながら、そっとメデルを見た。
「……ほんとに……できる?……テティソさん時よりもケルメデスアール様の時に近い魔力の詰まりだよ。」
メデルは両手を広げ、虹光を宿した瞳で答える。
「もちろん!僕、魔力の流れを整えるの得意だもん!」
ケルメデスアール様は静かにラディウスに言う。
「不安になる事はない。私も闇を癒して貰った……心地よい時間だ。」
ラディウスがメデルを抱き上げた瞬間、広間に柔らかな光が広がった。
冷たい詰まりが春の雪解けのように流れ始め、王の魔力路が静かに解けていく。
その光はただの光ではなかった――虹色の粒子が舞い、精霊たちが一斉に息を呑む。
風の精霊が羽音を震わせ、土の精霊が小さな手を合わせる。
水の精霊は涙のような雫を零し、炎の精霊は赤い尾を揺らして笑った。
ロカが空でくるくる回りながら、声を弾ませる。
『……すごい……理が整っていく……!』
その時、アルディスがふと胸に手を当てた。
「……え……私の魔力も……体を流れてる……?」
驚きに満ちた声が広間に響く。
ミルフェンも目を見開き、頬を紅潮させた。
「わぁ、僕も……魔力が流れ……溶けていく……!」
二人の体から淡い光が立ち上り、虹光と溶け合う。
それはまるで、世界の理そのものが再び息を吹き返す瞬間だった。
アルディスは胸の奥で震える声を押し殺す。
(こんな感覚……初めてだ……体が軽い……心まで澄んでいく……。)
ミルフェンも唇を震わせる。
(僕も……ずっと詰まっていたんだ……こんなに……楽になるなんて……。)
翠龍の声が、深い森の奥から響くように広間を満たす。
『……幼き者の心は、理を整える力を持つ。抱かれることは、守られること。そして、守ることだ。』
その言葉に応えるように、精霊たちは静かに舞い、虹光の中で小さな歌を紡ぎ始める。
その歌は、未来への絆を告げる調べだった。
『理を結び、命を紡ぐ。闇を溶かし、光を満たす。』
精霊の声が重なり、広間に響く。
ラディウスは胸の奥で静かに思う。
(この小さな手が……世界を救うのか……。)
虹光が広間を満たし、アルディスとミルフェンの瞳に新しい輝きが宿る。
彼らはまだ知らない…この瞬間が、未来を変える始まりになることを。
ラディウスの腕の中で、メデルは小さな吐息を漏らした。
虹光に包まれたまま、幼い体は静かに力を抜き、王の胸に頬を寄せる。
「……メデル……」
ラディウスは低く呟き、その重みを確かめるように腕を強めた。
(この小さな命が……世界を整えている……。)
広間にはまだ虹光が満ちていた。
精霊たちは舞い続け、歌声を重ねる。
「理を結び、命を紡ぐ。闇を溶かし、光を満たす。」
その調べは、城の石壁に染み込み、結界の奥深くまで響いていく。
アルディスはその光景を見つめながら、胸の奥で震える声を押し殺した。
(こんな力……人の心が、理を動かすなんて……。)
ミルフェンは頬を紅潮させ、指先に宿る淡い光を見つめる。
(僕の魔力まで……整っていく……まるで、世界が息を吹き返すみたいだ……。)
やがて、虹光が静かに落ち着き始めた頃、翠龍の声が深い森の奥から響くように広間を満たした。
『……明日、城の結界にて、アルセルフの王家三人――王ラディウス、王太子アルディス、第2王子ミルフェン――その魔力を流せ。結界を満たす光は、未来を守る盾となる。』
ブランデットは息を呑み、胸の奥で言葉を繰り返した。
(……僕が……伝えるんだ……この使命を……。)
その瞳に、虹光の余韻が宿る。
ラディウスは眠るメデルを見下ろし、静かに微笑んだ。
「……凄いな……小さな守り手。」
広間にはまだ精霊の歌が響いていた。
その歌は、未来への絆を告げる調べ…そして、誰もが知らないうちに、世界の理は静かに新しい形を描き始めていた。
神殿の回廊で三体の竜が静かに向き合っていた。
だが、その静けさは見た目だけ…心の中では、賑やかな声が飛び交っていた。
《ふぉっふぉっ……銀よ、また偉そうにしておったな。昔の光銀竜を思い出すわい。》
風白竜の声は、古木を渡る風のように柔らかく、どこか懐かしい響き。
光銀竜が低く返す。
《偉そうではない。理を守るのは我の役目なんだ。……風白竜こそ、儀式中にカーテンを飛ばしていたな。》
《ふぉっふぉっ、あれは風の戯れじゃよ。若いもんは堅苦しいのう。》
その間に、幼い炎火竜が元気いっぱいの声を響かせる。
《ねぇねぇ!遊んでいい?飛んでいい?火、ちょっとだけ出していい?》
風白竜が笑いながら返す。
《火はやめておけ、坊や。昔、わしも若い頃にやってな……城を半分燃やしたものじゃ。》
炎火竜がきらきらした声で跳ねる。
《えー!じゃあ風で飛ばして!もっともっと!》
《ふぉっふぉっ、元気じゃのう。よし、ちょいと風をくれてやろう。》
炎火竜がふわりと宙に浮き、きゃっきゃと笑う。
光銀竜が低く響かせる。
《落ちるなよ。お前はまだ幼い。》
《もう一回!もう一回!》
炎火竜の声が回廊に反響するように、三体の心を揺らす。
遠くからブランジェが顔を出し、目を丸くする。
『……竜様たち、静かにしてるのに……なんか楽しそう?』
精霊がため息をつき、肩をすくめる。
「……念話でわちゃわちゃしてるんでしょう……。」
その時、風白竜が心の奥で静かに声を響かせた。
《ふぉっふぉっ……笑いは理を結ぶものじゃ。じゃが、遊びの裏には試練が潜む。忘れるでないぞ、若いもん。》
炎火竜が無邪気に返す。
《試練ってなに?それより、もっと飛びたい!》
光銀竜が低く呟く。
《……やれやれ。》
風白竜は楽しげに風を揺らし、心の中で笑った。
《若いもんは元気でよいわい。》




